2023年10月20日(金)
- 青森県
- 南部町・聖寿寺館跡(しょうじゅじたてあと)で、深さ7.4mに及ぶ堀跡。中世の遺跡として東北最大級の堀。南部町教育委員会10/19発表。[河北新報]
▼聖寿寺館跡関連記事→2023年9月25日 - 静岡県
- 沼津市・高尾山古墳(たかおさんこふん)を回避して建設する都市計画道路沼津南一色線の橋梁工事が入札不調。再公告へ。技術者不足で応札者なし。[静岡新聞]
- 京都府
- 京丹後市・佐屋利遺跡(さやりいせき)で、戦国時代の幅8m以上、深さ6mの巨大な堀。丹後一色氏家中の有力者の居館に伴う堀と推定。公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センターの調査。10/28現地説明会。
▶佐屋利遺跡現地説明会のご案内 [公益財団法人京都府埋蔵文化財調査研究センター]
▼佐屋利遺跡関連記事→2022年10月20日 - 中国
- 南海北西の大陸斜面(陸坡)で見つかった明代の沈没船から、大量の磁器や陶器など580件が出土。[新華社]
- インドネシア
- 西ジャワ州(West Java)、グヌン・パダン遺跡(Gunung Padang)の埋没ピラミッドについて、電気抵抗や地震波の調査により、20〜30mの多層建築物で、内部には部屋が存在。放射性炭素年代で紀元前数千年にさかのぼり、初期段階は旧石器時代に及ぶ。
▶ Danny Hilman Natawidjaja, Andang Bachtiar, Bagus Endar B. Nurhandoko, Ali Akbar, Pon Purajatnika, Mudrik R. Daryono, Dadan D. Wardhana, Andri S. Subandriyo, Andi Krisyunianto, Tagyuddin, Budianto Ontowiryo, Yusuf Maulana (2023) Geo-archaeological prospecting of Gunung Padang buried prehistoric pyramid in West Java, Indonesia. Archaeological Prospection. [Wiley Online Library] - フランス
- ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏(Bourgogne-Franche-Comté)ヨンヌ県(Yonne)サン=ヴァレリアン(Saint-Valérien)で、ローマ時代の古代セノネス族の宗教施設。また、鉄鉱石を利用した鉄生産の痕跡。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Un ensemble cultuel au sein de l’agglomération antique de Saint-Valérien (Yonne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2023年10月19日(木)
- 大阪府
- 河内長野市・高向遺跡(たこういせき)で、飛鳥時代〜奈良時代の集落跡。高向玄理を輩出した高向氏の本拠地。河内長野市教育委員会と公益財団法人大阪府文化財センターの調査。[産経新聞]
10/25現地説明会。
▶【高向遺跡発掘調査現地説明会】のお知らせ[河内長野市立ふるさと歴史学習館] - 熊本県
- 人吉市・人吉城跡(ひとよしじょうあと)で、江戸時代に造られた石垣の内部から、さらに古い時代の石垣。安土桃山時代の築造唐初にさかのぼるか。人吉市教育委員会の調査。[熊本日日新聞]
- 韓国
- 全羅南道 海南郡の松湖海水浴場(ソンホかいすいよくじょう)で今年5月発見された古船舶は、高麗時代の穀物運搬船だった可能性。放射性炭素年代で11世紀初め〜12世紀中ごろ。[聯合ニュース]
- 中国
- 広州市 黄埔区・鑊盖頂峰遺跡で、前漢時代の南越国の時期の大規模な越人の墳墓。[中国新聞網]
- ベトナム
- ハノイ市(Hanoi)ダンフォン県(Dan Phuong)ホンハ社(Hong Ha)で、古代の墓とみられるレンガ積み遺構。[VietnamPlus]
- トルコ
- アマスィヤ県(Amasya ili)のオルズ・ヒュユク遺跡(Oluz Höyük)で、2500年前のペルシャの宮殿で用いられた土器の中に、骨のかけらと穀物。アナトリアの古代料理ケシケキ(keşkek)。[Arkeonews]
- ブルガリア
- プロヴディフ州(Област Пловдив;Plovdiv Province)ヒサリャ(Хисаря;Hisarya;Hisar)のローマ時代の浴場で、大理石の石板に2世紀のギリシャ語銘文。アントニヌス・ピウス帝(Antoninus Pius)とマルクス・アウレリウス帝(Marcus Aurelius)にささげられたもので、浴場が152年に設立され、浴場運営当時のトラキア属州の財務を乖離した人物はウォルシウス・セウェルス(Volusius Severus)とわかる。当時のトラキア属州の総督はガロニウス・フロントン(Galonius Fronton)。[Arkeonews]
- ポーランド
- ルブリン県(Województwo lubelskie;Lublin)ヘウム(Chełm)で、墓19基。13〜20世紀の墓があり、最も古いものは2500年前。[Nauka w Polsce]
- ポーランド
- クラクフ台地の洞窟で出土した完新世の人骨を分析。放射性炭素年代によると、後期ローマ時代〜前期民族移動時代・3〜5世紀に洞窟で葬送。年齢や性別は限定される、在地人も他地域の人も含む。
▶ Michał Wojenka, Bartosz Kontny, Marzena Przybyła, Anita Szczepanek, Elżbieta Jaskulska, Zdzislaw Belka, Rafał Fetner, Tomasz Goslar, Grzegorz Czajka, Danijela Popović, Mateusz Baca, Jarosław Wilczyński, Małgorzata Kot (2023) Cave funeral practices during the Roman and Migration Periods in the Cracow Upland, southern Poland. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 52, December 2023, 104250. [ScienceDirect] - ポーランド
- シロンスク県(Województwo śląskie;Śląsk;Silesia)ヴォジニキ(Woźniki)の要塞で、木造建築の地下から14〜15世紀の十字架形の聖遺物箱。[Nauka w Polsce]
2023年10月18日(水)
- 長野県
- 松本市・南栗遺跡(みなみくりいせき)で、古代の竪穴建物跡、溝跡。中世の火葬施設。長野県埋蔵文化財センターの調査。10/28現地説明会。
▶松本市南栗遺跡現地説明会のお知らせ [長野県埋蔵文化財センター] - ドイツ
- ミュンヘン(München)で、ケルトと初期ローマ時代の集落。[Süddeutsche Zeitung]
- フランス
- ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(Pays de la Loire)メーヌ=エ=ロワール県(Maine-et-Loire)ボープレオー=アン=モージュ(Beaupréau-en-Mauges)で、中世・12世紀後半のタイル工房。
▶Un atelier de tuileries médiévales à Beaupréau-en-Mauges (Maine-et-Loire) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- アストゥリアス州(Asturias)ルーゴ・デ・ジャネーラ(Lugo de Llanera)で、ローマ時代の都市ルクス・アストゥルム(Lucus Asturum)の井戸から、ローマ時代・2000年前のサンダル。[El País]
- UK(イングランド)
- ハンプシャー州(the county of Hampshire)で出土した鉄器時代の金貨に、未知の支配者イースネルトス(Esunertos)の名。デーンベリー砦(Danebury Fort)を治めた王とみられる。[Daily Mail]
- ヨーロッパ
- スコットランド北部からスペイン南部までの28遺跡で出土した74人の歯石を分析。海藻などの水産資源の利用の証拠が、新石器時代の移行期から前期中世に及ぶ(現在のヨーロッパではあまり食べられていない)。
▶Study reveals our European ancestors ate seaweed and freshwater plants [University of York]
▶ Stephen Buckley, Karen Hardy, Fredrik Hallgren, Lucy Kubiak-Martens, ydrūnė Miliauskienė, Alison Sheridan, Iwona Sobkowiak-Tabaka & Maria Eulalia Subirà (2023) Human consumption of seaweed and freshwater aquatic plants in ancient Europe. Nature Communications, volume 14, Article number: 6192. [Nature Communications] - 狩猟と性的分業
- 旧石器時代・250万年前〜12000年前の性的分業について、道具、食生活、芸術、墳墓、さらに解剖学的な調査。性的分業の証拠をほとんど見つけられず。女性が狩猟をしなかった証拠はない。解剖学的な検証では、男性がスピードやパワーで、女性が持久力で有利だが、狩猟には両方が不可欠。小集団で暮らしていた旧石器人では、その集団の一部だけが狩猟に従事するのは不合理。男性が狩猟に従事したという説は、ジェンダーバイアスによって広まった。70年代以降、反証が繰り返し示されたが、フェミニズム的な議論と決めつけられて退けられてきた。
▶WOMAN THE HUNTER [University of Delaware]
(再掲)▶ Sarah Lacy, Cara Ocobock (2023) Woman the hunter: The archaeological evidence. American Anthropologist. [Wiley Online Library] - USA
- モンタナ州(State of Montana)エミグラント(Emigrant)で見つかったケルンに、偽造の疑い。[The Livingston Enterprise]
- プエルトリコ
- ラ・イスラ・グランデ(La Isla Grande)の洞窟遺跡11か所の洞窟芸術について、顔料に用いられた黒い有機質61試料を放射性炭素年代測定。200〜400年には単純な人形モチーフを描く。700〜800年には、細かく描写された人や動物の絵が登場。1500年前後にはライオンのような動物の絵があり、最初に連れ込まれた奴隷の手になる可能性も。
▶New Dating of Cave Art Reveals History of Puerto Rican People [The Geological Society of America]
2023年10月17日(火)
- 岩手県
- 花巻市・花巻城本丸跡で、本丸御殿東側建物の遺構や、陶磁器、向鶴文が入った軒丸瓦など。花巻市教育委員会の調査。10/28現地説明会。
▶花巻城本丸跡発掘調査 現地説明会を開催します(令和5年10月28日)[花巻市]
▼花巻城本丸跡関連記事→2022年10月17日 - 山形県
- 新庄市・新庄城二の丸跡で、大量の瓦により整地した跡。公益財団法人山形県埋蔵文化財センターの調査。11/3現地説明会。
▶お知らせ:新庄城二の丸跡の第2回発掘調査説明会(11月3日)[公益財団法人山形県埋蔵文化財センター]
▼新庄城二の丸跡関連記事→2023年7月26日 - 群馬県
- 高崎市・多胡碑周辺遺跡(たごひしゅうへんいせき)で、多胡郡正倉跡と同時期の竪穴状遺構。郡衙に関連する遺構の可能性。高崎市教育委員会の調査。10/21現地説明会。[上毛新聞]
▶多胡碑周辺遺跡現地説明会の開催について [高崎市]
▼多胡碑周辺遺跡関連記事→2016年1月29日 - 愛知県
- 豊田市・挙母城(桜城)跡で、江戸時代の石垣や堀など。豊田市の調査。10/22現地説明会。
▶報道発表資料 挙母城(桜城)跡発掘調査の現地説明会を開催します[豊田市] - 滋賀県
- 大津市・吉田生物研究所保存修復センターの作業場から出火し全焼。[京都新聞]
- 中国
- 安徽省・台家寺遺跡(Taijiasi)で出土した、青銅器時代・商代中期3期の鋳型53個、中子8個を分析。4種類の材料から、組み合わせのことなる3種の鋳型を作る。製作しようとする器形や装飾などの違いにより、材質の構成が異なる鋳型を用いていた。
▶ Zhenfei Sun, Yi Gao, Xiaolin He, Siran Liu, Kunlong Chen, Jianli Chen, Xicheng Gong (2023) Material characterization uncovers sophisticated mould-making techniques of the middle-Shang period (14th-13th BCE). Journal of Archaeological Science, Volume 160, December 2023, 105870. [ScienceDirect]
▼台家寺遺跡関連記事→2020年8月15日 - フィリピン
- 西ミンドロ州(Occidental Mindoro)の3遺跡で出土した魚骨について分析。32000年前(BP)移行登場したホモサピエンスは海洋資源を利用しており、機構や環境などに適応。
▶ Clara Boulanger, Thomas Ingicco, Anne-Marie Sémah, Stuart Hawkins, Rintaro Ono, Marian C. Reyes, Alfred Pawlik (2023) 30,000 years of fishing in the Philippines: New ichthyoarchaeological investigations in Occidental Mindoro. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 52, December 2023, 104222. [ScienceDirect] - イラン
- ラザヴィー・ホラーサーン州(Ostān-e Khorāsān-e Rażavī)のバーゼー・フール(Bazeh Hur)で、サーサーン朝の火の神殿。[Tehran Times]
- ローマ共和政
- グリーンランドの氷の鉛汚染からみて、銀の抽出は鉛汚染をもたらしたが、共和政後期には、硬貨鋳造は継続していたのに、鉛汚染は劇的に減少。銀貨に含まれる不純物としての金からみて、紀元前2世紀〜前1世紀に紛争のためイベリア半島や南フランスの銀鉱山を利用できなくなったが、略奪した銀貨を再利用して銀貨を作っていた。
▶New research shows Romans were early pioneers of recycling [University of Liverpool]
▶ Jonathan R. Wood, Matthew Ponting & Kevin Butcher (2023) Crisis? What crisis? Recycling of silver for Roman Republican coinage. Archaeological and Anthropological Sciences, volume 15, Article number: 147. [SpringerLink] - スイス
- トゥールガウ州(Kanton Thurgau)ギュッテインゲン(Güttingen)で、中期青銅器時代・紀元前1500年ごろのの装飾品。
▶ronzezeitlicher Schmuckhort in Güttingen entdeckt [Kanton Thurgau] - スロバキア
- ブラチスラヴァ県(Bratislavský kraj) ペジノク(Pezinok)で、鉱山跡から、鉄製の先端を持つ、銅合金のディヴァイダや、19世紀中ごろの鉄製ハンマー。また、ルクセンブルク朝のカール4世の治世のプラハの銀貨や、13〜15世紀の土器も出土し、採掘の歴史を物語る。[The Slovak Spectator]
- ポーランド
- ルブシュ県(Województwo lubuskie;Lubusz)ビウゴライ郡(Powiat biłgorajski)ポトク・グルヌィ(Potok Górny)で、新石器時代・紀元前3千年紀前半のフリント製の石斧と、紀元前2千年紀前半のフリント製石槍。[Nauka w Polsce]
- 北欧
- ライン川下流からバルト海島北部の、農耕への移行期の土器1000点の内部に遺存する有機物を分析。人口動態や経済変化にもかかわらず、一貫して水生生物を調理。農耕の北方への拡大は、狩猟採集漁撈明の習慣に適応することと酪農によって果たされ、また、狩猟採集民も長距離交易によって農耕民から酪農製品を入手していた。
▶ Alexandre Lucquin, Harry K. Robson, Ester Oras, and Oliver E. Craig (2023) The impact of farming on prehistoric culinary practices throughout Northern Europe. Proceedings of the National Academy of Sciences, Vol. 120, No. 43, e2310138120. [PNAS]
2023年10月16日(月)
- 中国
- 北京市 延慶区の八達峰長城で、建物跡から、整然と並んだ59個の石製手榴弾(石雷)。穴をあけた石に火薬を詰めて敵に投げつける。長城に伴う武器庫と推定。[新華社]
- 中国
- 浙江省 湖州市・毘山遺跡の中心部に当たる麻雀田地点で、馬橋文化・3000年前の宮殿とみられる建物遺構。[杭州網]
- トルコ
- バトマン県(Batman ili)ゲルジュシュ郡(Gercüş)のジェヘンネム・デレシ(地獄の谷)で、ティグリス川を望む急斜面に鉄器時代アッシリア文明・紀元前1千年紀の墓地。[Hürriyet Daily News]
- エジプト
- ミニヤー県(Minya Governorate;Menia)トゥナ・エル・ゲベル(Tuna Al-Gabal)にあるアル・ゴレイファ遺跡(Al-Ghoreifa)で、新王国時代の墓地を初めて発見。岩を刻んだ墓室に石灰岩製の人形石棺や、装飾された木棺を納める。また、ファイアンス製の神像やシャブティ25000体。カノポス壺屋や護符、ミイラマスクやパピルスなど。一部の墓は後期王朝時代に再利用。これまで、古王国、中王国の墓地は見つかっていた。[Ahram Online]
- ペルー
- リマ郡(Lima)カラバイージョ地区(Carabayllo)のサン・ディエゴ(San Diego)で、チャンカイ文化(Chankay)の墓地。[Andina]
2023年10月14日(土)
- 三重県
- 伊賀市・芭蕉翁記念館の老朽化が進む一方、伊賀市の計画する新施設の建設予定地が決まらず、松尾芭蕉にかかわる貴重な文化財や資料約3千点が存亡の危機に。[朝日新聞]
- カザフスタン
- シルダリヤ川(Syr Darya)左岸のジャンケント(Dzhankent)の中世の町跡で、クマの形の小像または垂飾。南シベリアのものに似る、「アラー」の文字が刻まれた陶器片も。アラル海地域のイスラーム教の最古の痕跡。ジャンケントはシルクロード上の都市で、6世紀に建設され、9世紀後半にホラズム人が再建。10世紀のテュルク系オグズ族(Oghuz)の本拠地Yengi-kentに当たる。[Heritage Daily]
▼ジャンケント関連記事→2020年7月10日 - ドイツ
- ヴュルツブルク郡(Landkreis Würzburg)タウバーレッタースハイム(Tauberrettersheim)で、5歳程度の子供の遺体と、轡出土。
▶Seltener Trensenknebel bei Grabung für neues Baugebiet gefunden [Archaeologie Online] - ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)で前期中世・6〜7世紀の女性の墓から2022年に出土した鉄製折りたたみ椅子は、象嵌された文様を持ち、座面にはおそらく動物の革が用いられていた。
▶Der »Klappstuhl« offenbart seine letzten Geheimnisse[Archaeologie Online]
▼シュタインスフェルトの折りたたみ椅子関連記事→2022年8月29日 - フランス
- オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes) アン県(Ain)ブリオール(Briord)で、1〜3世紀の都市跡と、トーガを着た人物像。古代都市ブリオラティス(Brioratis)に当たる。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Premières traces d’urbanisme et découverte d’une statue antique à Briord (Ain)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2023年10月13日(金)
- 宮城県
- 多賀城市・多賀城跡(たがじょうあと)で、平安時代初期の、これまでで最大規模の鍛冶工房。宮城県多賀城跡調査研究所10/12発表。[河北新報]
▼多賀城跡関連記事→2021年10月8日 - 愛知県
- 豊山町の基幹的広域防災拠点の敷地から、弥生時代〜江戸時代の遺跡や土器片など。[中日新聞]
- 三重県
- 明和町・斎宮跡(さいくうあと:第205次調査)で、奈良時代に斎王が暮らした正殿を発見。2つの建物をつないで1つの大きな建物にした双堂の外側を庇で囲む構造。斎宮歴史博物館の調査。10/21現地説明会。[NHK]
- 北九州市
- 門司区の発掘現場で、明治時代の門司駅関連遺構の下層から、平安時代後期に中国から伝わったとみられる青磁と白磁。公益財団法人北九州市芸術文化振興財団埋蔵文化財調査室の調査。[西日本新聞]
- モンゴル
- ゴヴィ・アルタイ地域(Govi-Altai)で、完新世前期の炉、土器、ダチョウの卵など。[Nauka w Polsce]
- ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
- 1990年代の内戦中に美術館から盗まれ、フリーマーケットに流れていた美術品が戻ってきた。[SarajevoTimes]
- ドイツ
- ジークスドルフ(Siegsdorf)で出土した中期旧石器時代・48000年前のホラアナライオンの肋骨に、木製の槍による傷。ネアンデルタール人がホラアナライオン猟を行った直接的な証拠。また、アインホルンヘーレ(Einhornhöhle)で、190000年前のライオンの指の骨が見つかり、中欧のライオンの皮の使用例として最古。
▶ Gabriele Russo, Annemieke Milks, Dirk Leder, Tim Koddenberg, Britt M. Starkovich, M. Duval, J.-X. Zhao, Robert Darga, Wilfried Rosendahl & Thomas Terberger (2023) First direct evidence of lion hunting and the early use of a lion pelt by Neanderthals. Scientific Reports, volume 13, Article number: 16405. [Scientific Reports] - UK(イングランド)
- オックスフォードシャー州(the county of Oxfordshire)で、第二次世界大戦中に爆撃機を出撃させるため作られたカタパルト「Royal Aircraft Establishment (RAE) Mark III Catapult」を発掘。1938〜1940年に建設されたが、使われることはなく、その後埋め立てられた。 [LiveScience]
- エチオピア
- エチオピア高地のメルカ・クントゥレ(Melka Kunture)にあるガルバ4遺跡(Garba IV)のE層で出土したオルドワン文化(Oldowan)の幼児の下顎骨を分析し、ホモエレクトゥス(Homo erectus)に属すと確認。また、古地磁気年代によりE層は200万年前、続くアシュール文化(Acheulean)のD層は195万年前と確認。
▶ Margherita Mussi, Matthew M. Skinner, Rita T. Melis, Joaquín Panera, Susana Rubio-Jara, Thomas W. Davies, Denis Geraads, Hervé Bocherens, Giuseppe Briatico, Adeline Le Cabec, Jean-Jacques Hublin, Agness Gidna, Raymonde Bonnefille, Luca Di Bianco, and Eduardo Méndez-Quintas (2023) Early Homo erectus lived at high altitudes and produced both Oldowan and Acheulean tools. Science. [Science] - 授賞
- 第24回宮坂英弌記念尖石縄文文化賞に、佐々木由香・金沢大学古代文明・文化資源学研究所特任准教授。植物考古学。[信濃毎日新聞]
2023年10月12日(木)
- 秋田県
- 雄勝郡羽後町・福島遺跡で、縄文時代中期前半の土器捨て場・土器埋設遺構。秋田県埋蔵文化財センターの調査。10/21現地説明会。
▶福島遺跡現地見学会実施のお知らせ[秋田県埋蔵文化財センター] - 愛媛県
- 今治市・別名端谷I遺跡(べつみょうはしだにいちいせき:第2次調査)で、平安時代の緑釉陶器が大量に出土。公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センターの調査。[愛媛新聞]
▼別名端谷I遺跡関連記事→2022年8月9日 - 北九州市
- 門司区で、初代門司駅の関連施設の一部とみられる赤れんが外壁。公益財団法人北九州市芸術文化振興財団埋蔵文化財調査室の調査。[西日本新聞]
- 韓国
- 全羅北道 益山市 金馬面・薯童生家跡(ソドンせいかあと)で、地鎮具とみられる壺の中から中国・北周時代の銅銭「五行大布」を初めて確認。百済と中国北朝との交流を示す。五行大布は北周の3代武帝(572〜577)の574年に鋳造。[聯合ニュース]
- イラン
- マーザンダラーン州(Ostān-e Māzandarān)のSepahbod-Khorshid洞窟の中にサーサーン朝の軍事工場跡。鏃、短剣、矛、剣などと、鋳型出土。また、フェニックス、兎、パフレヴィー文字などを表す土製印章も。[Tehran Times]
- 中東
- 中東の新石器時代〜鉄器時代・紀元前9500年〜前50年の大型ネコ科動物を分析。銅石器時代以降、出土する動物遺体が変化し、政治的な指導者がこれらの動物を見せてるようになる。中東でライオンやヒョウがステイタスシンボルにることと関連。
▶ J.S. Gaastra, T.L. Greenfield, D. Cassuto and I. Shai (2023) Big-cat hunting in the Bronze and Iron Ages of the Near East: a view from Tel Burna. Antiquity, Volume 97, Issue 395, October 2023, pp. 1138 - 1155. [Cambridge Core] - パレスチナ(ヨルダン川西岸地区)
- エルサレム(Jerusalem)のギヴァティ(Givꜥati)で、幅30m、深さ6m以上の溝。後期鉄器時代には機能しており、後期ヘレニズム時代まで使用。
▶ Yuval Gadot, Efrat Bocher, Liora Freud & Yiftah Shalev (2023) An Early Iron Age Moat in Jerusalem between the Ophel and the Southeastern Ridge/City of David. Tel Aviv, Volume 50, Issue 2, Pages 147-170. [Taylor & Francis Online] - トルコ
- チョルム県(Çorum)ボアズカレ郡(Boğazkale)にあるヒッタイトの都市ハットゥシャ(Hattuşa)のイェルカプ・トンネル(Yerkapı Tunnel)で昨年見つかった3500年前の象形文字249字の一部は、トンネル建設の責任者について記す。ヒッタイトにとっての聖なる山「トゥタリヤ」(Tuthaliya)に向かう道として「アリシャドゥ」(Arişadu)という人物が作った。[Arkeonews]
▼イェルカプ・トンネル関連記事→2022年9月12日 - ポーランド
- ドルヌィ・シロンスク県(Województwo dolnośląskie;Dolny Śląsk;Lower Silesia) で、航空写真などを用い、新石器時代の円形遺構ラウンデル(Rondel;Roundel)8基を確認。ドナウ川沿いでは前期新石器時代・線帯文土器文化(Linearbandkeramik)・紀元前5千年紀前半にラウンデルが築かれたが、カルパチア山脈やズデーテン山脈の北側には存在しないと考えられていた。
▶ Piotr Wroniecki, Mirosław Furmanek and Włodzimierz Rączkowski (2023) Revealing the extent of Neolithic rondel enclosures in Lower Silesia using non-invasive prospection. Antiquity, Volume 97, Issue 395, October 2023, pp. 1100 - 1118. [Cambridge Core] - ポルトガル
- トーレス・ノーヴァス(Torres Novas)のアルモンダカルスト系(Almonda karst system)にあるオリヴェイラ洞窟(Gruta da Oliveira)の中期旧石器時代における遺跡の利用パターンを調査。15〜25層・93000年前〜85000年前はオオカミとライオンが優勢、7〜14層・78000年前〜71000年前はヒグマとオオヤマネコが優勢であったが、20〜22層・92000年前〜90000年前と14層・78000年前〜76000年前はヒトの居住に適しており、石器や焼けた獣骨などが出土している。
▶ Diego E. Angelucci, Mariana Nabais, João Zilhão (2023) Formation processes, fire use, and patterns of human occupation across the Middle Palaeolithic (MIS 5a-5b) of Gruta da Oliveira (Almonda karst system, Torres Novas, Portugal). PLOS ONE, 18(10): e0292075. [PLOS ONE] - フィンランド
- サロ(Salo)で、1050〜1150年ごろの典型的な十字軍タイプの剣が発見される。近隣が調査され、12〜13世紀の墓地を発見。銅の帯金具で飾った革帯出土。[yle]
- グリーンランド、アイスランド
- スカンディナヴィア、英国、アイルランド、およびグリーンランドのノルウェー人入植地で出土したヒトの頭蓋骨を3D分析。グリーンランドのヒトの63%は英国やアイルランド起源。37%がスカンディナヴィア起源。アイスランドやグリーンランドの入植者は様々な人々がいた。アイスランドやグリーンランドに定着したヨーロッパ人は、史料ではノルウェーからということになっているが、近年の生物学的研究では、英国やアイルランドに起源が求められていた。
▶ Kimberly A. Plomp, Keith Dobney, Hildur Gestsdóttir and Mark Collard (2023) Mixed ancestry of Europeans who settled Iceland and Greenland: 3D geometric-morphometric analyses of cranial base shape. Antiquity, Volume 97, Issue 395, October 2023, pp. 1249 - 1261. [Cambridge Core] - USA
- フロリダ州(State of Florida)セント・オーガスティン(St. Augustine)で、19世紀の木造船、革靴、硬貨など。[News4Jax]
- ペルー
- アヤクーチョ県(Departamento de Ayacucho)ワマンガ郡(Provincia de Huamanga)チアラ(Chiara)で、3000年前の祭祀センター「ビエホ・チュパス神殿」(Templo del Viejo Chupas)を発見。階段状ピラミッドと四角形の広場。[Andina]
2023年10月11日(水)
- 岩手県
- 北上市・八天遺跡(はってんいせき:第10次調査)で、台地の南側から縄文時代の盛土遺構。大量の土器が出土。北上市立埋蔵文化財センターの調査。10/21現地説明会。
▶史跡八天遺跡の第10次発掘調査現地説明会を開催します! [北上市]
▼八天遺跡関連記事→2023年10月1日 - 石川県
- 金沢市・松根城跡(まつねじょうあと)で、大堀切の詳細な形状が判明。土塁状の遺構の頂点から堀への落ち込みが1.8mに達する。金沢市埋蔵文化財センターの調査。10/9現地説明会。[北陸中日新聞]
▼松根城跡関連記事→2012年11月2日 - 福井県
- 越前市・本興寺境内で、平安時代後期以前の東西方向の溝を確認。国府内の施設を区画していた溝の可能性。緑釉陶器や墨書土器出土。越前市教育委員会の調査。10/15現地説明会。[福井新聞]
- 奈良県
- 桜井市・纒向遺跡(まきむくいせき:第195次調査)で調査された古墳時代前期前半・3世紀後半の土坑KS38から、チャバネゴキブリの破片。古墳時代の日本列島にチャバネゴキブリがいたことを示す。[大阪市立自然史博物館]
- 中国
- 山東省 済寧市 鄒城市・邾国故城遺跡(ちゅうこくこじょういせき)で、紀元前600年ごろの大型范地区建物跡。「邾」国の文公卜が、繹(現在の鄒城)に遷都した紀元前614年に近い。また、戦国中期の青銅鋳造工房。[済寧新聞]
- ギリシャ
- パルテノン神殿の紀元前5世紀半ばの大理石像の彩色を最新技術で分析し、複雑で繊細な絵付けが行われていたと判明。[The Guardian]
▶ Giovanni Verri, Hero Granger-Taylor, Ian Jenkins, Tracey Sweek, Katarzyna Weglowska and William Thomas Wootton (2023) The goddess’ new clothes: the carving and polychromy of the Parthenon Sculptures. Antiquity, Volume 97, Issue 395, October 2023, pp. 1173 - 1192. [Cambridge Core] - ポーランド
- ポモージェ県(Województwo pomorskie)ホイニツェ郡(powiat chojnicki;Chojnice County)ホイニツェ(gmina Chojnice)のオストロヴィテ(Ostrowite)で、11〜12世紀の在地有力者の墓から鉄製ナイフ、土製紡錘車、青銅碗、デナリウス銀貨など。[Nauka w Polsce]
- スペイン
- アリカンテ県(Provincia de Alicante)エルチェ(Elche)のラルクディア遺跡(L’Alcúdia)の紀元前5世紀の城壁に、地震に耐える工夫。60cmにわたる粘土層をエキスパンション・ジョイントとし、地震の揺れをやわらげる。[El País]
- エジプト
- サッカラ(Saqqara)の深さ30mの井戸から古王国〜中王国の、彩色された木簡、ミイラ、彫像などが出土。[Egypt Today]
- メキシコ
- メキシコシティで昨年見つかった石彫の巨大なヘビの頭部は表面の80%に多彩色。
▶Expertos del INAH recuperan la policromía de una monumental cabeza de serpiente mexica[Instituto Nacional de Antropología e Historia]
おやつMaster Copyright © OyatsuMastar 1998-2024. All rights reserved.