2022年8月10日(水)
- 宮城県
- 栗原市・入の沢遺跡(いりのさわいせき)の保存活用を考慮し、東北地方整備局が国道4号築館バイパスの北側の未整備区間の新たなルート案をまとめた。入の沢遺跡は古墳時代前期の大規模集落跡。[河北新報]
▼入の沢遺跡関連記事→2019年5月24日 - 三重県
- いなべ市・下平大野B遺跡(しもひらおおのBいせき)で、弥生時代中期の竪穴建物や、溝、焼土などの遺構。三重県埋蔵文化財センターの調査。8/21現地説明会。
▶下平大野B遺跡(いなべ市北勢町)で発掘調査現地説明会を開催します [三重県] - 中国
- 紀元前5世紀〜前3世紀に書かれた『考工記』に記す方法で青銅を実験製作し、同時代の銅貨の成分と比較。6種の青銅器を作るための2つの原料「金」と「錫」は、それぞれ銅と錫とみられていたが、製作実験で実証できず。実際はあらかじめ作ってあった「銅錫鉛合金」と「銅鉛合金」を混合していた。
cf. A.M. Pollard and Ruiliang Liu (2022) The six recipes of Zhou: a new perspective on Jin (金) and Xi (锡). Antiquity, First View, pp. 1 - 14. [Cambridge Core] - イラク
- アル・スワイラ(Al-Suwaira)のアブー・ガフィル遺跡(Abu Ghafil)で、パルティア(Parthia)の都市遺跡。[The Art Newspaper]
- イラク
- クルド人自治区(Iraqi Kurdistan)のギルディ・バーザール(Gird-i Bazar)で発見された鉄器時代・紀元前1200年〜前600年の土器工房に関して、シェーン・オペラトワール(動作連鎖;chaîne opératoire)を研究。土器片と石製工具の観察から、それぞれの工具が製作工程のどの部分で用いられたかを明らかにし、また、各工程の行われた場所も特定。
cf. Andrea Squitieri, Jean-Jacques Herr, Silvia Amicone (2022) Stone tools, techniques, and spaces for the pottery chaîne opératoire. The case of the pottery workshop of Gird-i Bazar (c. 1200–800 BC) in the Autonomous region of Kurdistan, Iraq. Journal of Anthropological Archaeology, Volume 67, September 2022, 101443. [ScienceDirect] - ウクライナ
- ウクライナへの侵攻の際、ロシアが文化財を意図的に攻撃。オレクサンドル・トカチェンコ文化情報相は日本経済新聞のオンライン取材で批判。[日本経済新聞]
- イタリア
- シチリア島(Sicilia;Sicily)のサン・テオドーロ洞窟(Grotta di San Teodoro)で出土した旧石器時代・後グラヴェット文化(Epigravettian)の石器の材料を分析。遺跡近くの海岸には、NumidianとMonte Soro Flyschという2つの層に由来する珪岩(quartzite)の円礫が得られるが、当時のヒトは、使うべき材料を熟知し、2種の珪岩を肉眼で識別していたとみられる。
cf. Gerlando Vita, Vincenza Forgia, Massimiliana Pinto Vraca, Nunziatina Calabrese, Daniela Divita, Luca Sineo (2022) Petrographic characterization of quartzite tools from the Palaeolithic site of San Teodoro cave (Sicily): Study on the provenance of lithic raw materials. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 45, October 2022, 103593. [ScienceDirect] - デンマーク
- 鉄器時代・紀元前4世紀〜紀元後5世紀の、馬具と最良の祭祀遺物を伴うウマ6頭の遺体を分析。6頭すべてに病変があり、口腔、脊椎、四肢の3種に分類できる。出土した歯の摩耗が合致するウマ2頭は、戦闘で用いられたとみられる。ウマ3頭に見られる脊椎の骨折は乗馬に関連するであろう。
cf. Jacob Kveiborg, Maria Nørgaard (2022) Early Iron Age Cavalry? Evidence of oral and thoracolumbar pathologies on possible warhorses from Iron Age, Denmark. International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library]
2022年8月9日(火)
- 山口県
- 岩国市・錦帯橋の手すりに計60mあまりの傷。岩国署が文化財保護法違反の疑いで捜査。[中国新聞]
- 愛媛県
- 今治市・別名端谷I遺跡(べつみょうはしだにいちいせき:第2次調査)で、中世後半・15〜16世紀の遺構・遺物。谷部に面した丘陵斜面に平坦面を造成し、その平坦面に大型の建物が展開。公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センターの調査。8/6現地説明会。
▶別名端谷軌篝2次 現地説明会の報告[公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センター]
▼別名端谷I遺跡関連記事→2003年2月20日 - 韓国
- 中部地方一帯の豪雨のため、天然記念物や史跡など、8/9午後1時までに国指定文化財14件に被害。南楊州市・寧嬪墓では墳丘の土砂が一部崩れる。文化財庁8/9発表。[京郷新聞]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁 - 中国
- 陝西省 西安の後漢時代の家族墓地で、磚室墓M6号の側室から、床に用いられた銘文磚11枚。「永元三年」「永元四年」などの紀年銘や文様を表す。[中国新聞網]
- 中国
- 湖北省 襄陽市 高新区・東王家巷遺跡で、漢・六朝・隋唐時代の墳墓50基。[中国社会科学院考古研究所]
- インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)トゥーットゥックディ県(Thoothukudi)アディチャナルール(Adichanallur)で、壺棺墓から金のディアデマ。インド考古調査局(Archaeological Survey of India:ASI)の調査。[The New Indian Express]
- トルコ
- アンカラ県(Ankara ili)ポラトル(Polatlı)のゴルディオン遺跡(Γόρδιον;Gordion)で、アンティオコス1世(Αντίοχος;Antiochus)の治世・紀元前281年〜前261年の都市名ゴルディオンを表す銘文。また、ペルシャ帝国(紀元前540年〜前333年)のころの墳墓にかかわる銘文も発見。ゴルディオンはフリュギア(Φρυγία;Phrygia)の都。[Arkeonews]
- トルコ
- イズミル県(İzmir il)ケマルパシャ郡(Kemalpaşa)でのウルジャク・ヒュユク遺跡(Ulucak Höyük)で7800年前の女性土偶。[Arkeonews]
- ギリシャ
- クレタ島(Κρήτη;Crete)のアイオス・ハラランボス洞窟(Άγιος Χαράλαμπος;Hagios Charalambos)で出土した、青銅器時代・初期ミノス末期・紀元前2290年〜前1909年の歯を分析し、ペスト菌(Yersinia pestis)とサルモネラ菌(Salmonella enterica)のDNAを検出。エジプト古王国やアッカド帝国が衰退した東地中海の紀元前2000年ごろの社会変動と一致。
▶Evidence of pathogens in ancient DNA could help explain the fall of two civilizations[Phys.Org]
cf. Gunnar U. Neumann, Eirini Skourtanioti, Marta Burri, Elizabeth A. Nelson, Megan Michel, Alina N. Hiss, Photini J.P. McGeorge, Philip P. Betancourt, Maria A. Spyrou, Johannes Krause, Philipp W. Stockhammer (2022) Ancient Yersinia pestis and Salmonella enterica genomes from Bronze Age Crete. Current Biology. [Cell] - イタリア
- シチリア島(Sicilia;Sicily)セリヌンテ(Selinunte)で、古代ギリシャ人による植民初期のころの王笏や人魚像出土。[ANSA]
- チェコ
- モラヴィア・スレスコ州(Moravskoslezský kraj;Moravian-Silesian region)ノヴィー・イチーン郡(Nový Jičín)で、中世・15世紀前半の住居跡から台所遺構。住居は石造りの土台に丸太で建設され、ブルジョワジーのものとみられる。焼失しており、住民は慌てて逃げたとみられる。1427年のフス派による征服と関連か。[Radio Praha]
- アイスランド
- セイジスフィヨルズル(Seyðisfjörður)で、1362年のエーライヴァヨークトル火山(Öræfajökull)の噴火時の降灰の下層から、人骨、獣骨、槍、鉄器などのほか、アイスランドの国旗の色をあしらった真珠。10〜11世紀に製作と推定。[The Reykjavík Grapevine]
▼セイジスフィヨルズル関連記事→2021年11月22日
2022年8月8日(月)
- 山形県
- 飽海郡遊佐町・水林下遺跡(みずばやししたいせき:第3次調査)で、旧石器時代から古代にかけての生活の跡や、35000年前の北陸産透閃石岩製の磨製石斧。県内初、県内最古。公益財団法人山形県埋蔵文化財センターの調査。8/23-25一般公開。
▶お知らせ:水林下遺跡第3次調査の発掘調査説明会(8月23〜25日)
▶水林下遺跡第3次発掘調査の一般公開について[公益財団法人山形県埋蔵文化財センター] - 島根県
- 松江市・松江城天守の北西で、松江城以前の末次城の堀切とみられる遺構。松江市の調査。[TBS]
- イタリア
- トスカーナ州(Regione Toscana;Tuscany) サン・カシャーノ・デイ・バーニ(San Casciano Dei Bagni)で、ローマ時代の浴場と奉納品。[Arkeonews]
2022年8月7日(日)
- 韓国
- 慶尚南道 金海市・亀山洞支石墓(クサンドンしせきぼ)が整備工事中に毀損されたことについて、文化財庁は、工事の過程で埋蔵文化財法違反があったとして、毀損範囲の確認を調査した上で、法的措置も検討へ。金海市は慶尚南道には連絡していたが文化財庁への申請は怠っていた。文化財庁は慶尚南道に資料提出を要請。[聯合ニュース]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
▼亀山洞支石墓の毀損事件関連記事→2022年8月6日 - 中国
- 陝西省・石峁遺跡の皇城台で、石に刻まれた4000年前の巨大な人面。[新華社]
- トルコ
- デュズジェ県(Düzce ili)コヌラルプ郡(Konuralp)の古代都市プルシアス・アド・ヒュピウム(Prusias ad Hypium)で、大理石ブロックに表現されたアクタイオン(Ἀκταίων;Actaeon)の神話のストーリー。植物文様に飾られる。神話ではアクタイオンはアルテミス女神の怒りに触れて鹿の姿に変えられ、自身の猟犬50頭によって殺された。[Arkeonews]
- イスラエル
- エルサレム(Jerusalem)のロシア人居住区で、バリスタ砲(ballista)の弾丸などの武器。西暦70年のティシュアー・ベ=アーブ(Tisha Be'av)の日にエルサレムの城壁をローマ軍が破った痕跡。[The Jerusalem Post]
2022年8月6日(土)
- 韓国
- 慶尚南道 金海市・亀山洞支石墓(クサンドンしせきぼ)で、整備工事中に墓域内の敷石とその下層の文化層が毀損された問題で、金海市は、文化財庁との協議のないまま整備工事を進めていたことを8/6認めた。[聯合ニュース]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
▼亀山洞支石墓関連記事→2022年8月5日 - ロシア
- タマン半島(Таманский полуостров;Taman Peninsula)のファナゴリア(Φαναγόρεια;Фанагория;Phanagoria)で、ボスポロス王国(Bosporan Kingdom)で打刻されたスタテル銅貨(stater)30枚。ファナゴリアは紀元前6世紀半ばにギリシャ人が建設。[Heritage Daily]
- フランス
- ストラスブール(Strasbourg)のグラシエール通り(Rue des Glacières)で、中世のドミニコ会の聖エリザベート教会(église Sainte-Élisabeth)の遺構。1224年に建立され、1394年ごろ解体。Archéologie Alsaceの調査。[France bleu]
▼グラン・テスト地域圏(Grand Est)バ=ラン県(Bas-Rhin)ストラスブール(Strasbourg) - メキシコ
- タバスコ州(Tabasco)ビジャエルモサ(Villahermosa)で、後期オルメカ(horizonte olmeca tardío;late Olmec horizon)・紀元前900年〜前400年のテノシケ(Tenosique)の支配者を表した石灰岩製の円形レリーフ。直径1.5m。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia) の調査。
▶Centro INAH Tabasco recupera dos relieves olmecas de “contorsionistas”, procedentes de Tenosique[Instituto Nacional de Antropología e Historia] - ペルー
- リマ(Lima)にある1000年前神殿ワカ・トレス・パロス(Huaca Tres Palos)跡で、植民地時代・500年前になって営まれた墓3基。[Digital Journal]
2022年8月5日(金)
- 北海道
- 江差町・江差港内に沈む旧幕府軍の軍艦「開陽丸」の船体を10年ぶりに水中調査。一部は保護用の網が外れ、腐食が進んでいた。江差町教育委員会の調査。[北海道新聞]
- 韓国
- 慶尚南道 金海市・亀山洞支石墓(クサンドンしせきぼ)で、整備・復元の作業中に敷石や下部の文化層を毀損。亀山洞支石墓は世界最大の支石墓。墓域は1615m2、上石の重さ350t。[聯合ニュース]
▼亀山洞支石墓関連記事→2021年7月30日 - カザフスタン
- アバイ州(Абай;Abai Region)のオルディン遺跡(Ordyn)で、初期鉄器時代・3000年前の集落と墓地。[Qazaq TV]
- ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)ブルゲンラント郡(Burgenlandkreis)ネーブラ(Nebra)のグロースヴァーゲン(Großwangen)にあるアルテンブルク城跡(Altenburg)で、オットー朝の漆喰壁。[Stern]
- メキシコ
- キンタナ・ロー州(Estado de Quintana Roo)のオシュタンカー遺跡(Oxtankah)のマヤ人は熟練した航海者で、交易をおこなっていた。[Mexico News Daily]
▼オシュタンカー遺跡関連記事→2021年1月12日
2022年8月4日(木)
- 青森県
- 弘前市・弘前大学の構内で、旧陸軍第八師団司令部庁舎の遺構。約80年前のコカ・コーラ瓶など出土。弘前大学8/3発表。8/6現地説明会。[東奥日報]
▶旧第八師団司令部庁舎跡の発掘調査現地説明会[弘前大学] - 埼玉県
- 本庄市・東本庄遺跡(ひがしほんじょういせき)で、奈良・平安時代の竪穴住居跡や中世の井戸跡・溝跡。公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団の調査。9/17現場見学会。[公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団]
- 奈良県
- 橿原市・藤原宮跡の大極殿北側で、大極殿後殿とみられる基壇。奈良文化財研究所8/4発表。[共同通信]
- サウジアラビア
- ファラサン諸島(Farasan Islands)で、ローマ時代・2〜3世紀の銅製の盾や、小札鎧ローリーカ・スクワーマータ(Lorica squamata)、石像の頭部など。[Al-Monitor]
- トルコ
- ディヤルバクル県(Diyarbakır)のグレ・フラ遺跡(Gre Fılla)で、新石器時代・12000年前の遺物2687点。磨石、石斧、土偶など。[Anadolu Ajansı]
▼グレ・フラ遺跡関連記事→2021年5月4日 - カザフスタン
- カラガンダ州(Қарағанды;Karagandy)タルディ(Талды;Taldy)で紀元前4世紀〜前3世紀の青銅製の鍋。ジェティス地方(ЖетісуZhetisu)に由来するとみられる。また、初期鉄器時代の装飾馬具など。[Qazaq TV]
- オランダ
- ワッデン海(Waddenzee;Wadden Sea)のテセル島(Texel)沖の海底で、船の一部とみられる17世紀の木製頭部。スペインからの独立を目指した80年戦争(80 Years’ War)当時に自由の象徴となったフリジア帽(Frygian hat)をかぶった姿。[Dutch News]
- フランス
- オクシタニー地域圏(Occitanie)ガール県(Gard)ロダン=ラルドワーズ(Laudun-l'Ardoise)のカスカヴェル(Cascavel)で、初期中世・8〜9世紀の村。
▶Un habitat médiéval inédit à Laudun-l'Ardoise (Gard)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- グアダラハラ県(Provincia de Guadalajara)ソリタ・デ・ロス・カネス村(Zorita de los Canes)のソリタ城(castillo de Zorita)で、12世紀末〜16世紀初めのカラトラバ騎士団(Orden de Calatrava)の墓地。人骨14体を分析したところ、12体は男性で、うち3人は戦死した可能性。また、25〜30歳の女性の墓には、8か月程度の赤ん坊の遺体。騎士団との関係は不明。[El Español]
▼カスティーリャ=ラ・マンチャ州(Castilla-La Mancha) - ペルー
- カハマルカ県(Departamento de Cajamarca) サン・イグナシオ郡(San Ignacio)アルタミサ(Altamisa)で、5000年前の石造りの遺構。[Andina]
- 南米
- 南米のシュアール人(Shuar)やアチュアラ人(Achuar)による干し首・ツァンツァ(tsantsa)につて、マイクロCTスキャンで分析。儀式用と、商業的なものとの間は連続的で、明確には区別できない。
cf. Lauren September Poeta, Maria Patricia Ordóñez, Eric Fournier, Andrew John Nelson (2022) Correlative tomography and authentication features of a shrunken head (tsantsa). PLOS ONE, 17(8): e0270305. [PLOS ONE]
2022年8月3日(水)
- 奈良県
- 奈良市・平城宮跡で出土した木簡に、奈良時代の女官が年間329日間出勤したいたことを示すとみられる記述。[NHK]
▽7/26奈良新聞では無料で読める部分が短く、ニュアンスが読み取れないので取り上げませんでしたが、今回のNHKの報道によると、根拠は年間の出勤日数とみられる「日参佰弐拾玖」という文字のようです。▽都の役人は月5日の休みを取り、年間300日未満の勤務が大半だったとして、彼女の勤務日数が異常であるように報じていますが、木簡の示す年にもし閏月があって13か月(384日程度)だったら、月平均の休みは(384−329)÷13=4.23日で、規定の5日には及ばぬものの、さほど遠くありません。▽一方で12か月(354日程度)だったら、月平均の休みは(354−329)÷12=2.08日で、相当ブラックですが。 - 中国
- 甘粛省 慶陽市 寧県にある石家・遇村遺跡で、春秋時代・戦国時代・秦漢時代の墓地。戦国時代に中心年代を持つ西戎の墓地。[中国新聞網]
- ハンガリー
- マーニュ(Mány)で、青銅器時代の墓地から、20歳以下の女性人骨。金の指輪、トルク、螺旋状腕輪など、金やブロンズの装飾品38点を伴う。優れた金工技術を示す。さらに、青銅器時代の集落や、アールパード朝(Árpádok;Árpád dynasty)・9〜10世紀の集落も。[Heritage Daily]
▼フェイェール県(Fejér) - オーストリア
- プリクグリッツ・ガスタイル遺跡(Prigglitz-Gasteil)の後期青銅器時代(Late Bronze Age)の銅鉱山の構造を物理探査により復元。
cf. Peter Trebsche, Ingrid Schlögel, Adrian Flores-Orozco (2022) Combining geophysical prospection and core drilling: Reconstruction of a Late Bronze Age copper mine at Prigglitz-Gasteil in the Eastern Alps (Austria). Archaeological Prospection. [Wiley Online Library]
▼プリクグリッツ・ガスタイル遺跡関連記事→2021年7月17日 - ドイツ
- バーデン=ヴュルテンベルク州(Land Baden-Württemberg)のホーレ・フェルス洞窟(Grotte Hohle Fels;Hohle Fels Cave)で、中期旧石器時代・65000年前の鳥の骨。ヒトの手で解体された痕跡。 ネアンデルタール人が鳥などの小動物も狩猟し食べたことを示す。
▶Vögel bereicherten den Speiseplan der Neandertaler[Eberhard Karls Universität Tübingen]
▼バーデン=ヴュルテンベルク州(Land Baden-Württemberg) アルプ=ドナウ郡(Alb-Donau-Kreis)
▼ホーレ・フェルス洞窟関連記事→2021年7月22日 - USA
- ニュージャージー州(State of New Jersey)グロスター郡(Gloucester County)のレッドバンク古戦場(Red Bank Battlefield)で、アメリカ独立革命の時のヘッセン兵(Hessians)の遺体13体。ヘッセン兵は英国軍の側で1777年10月22日のレッドバンクの戦いに参加した。[The Philadelphia Inquirer]
- 授賞
- 第23回和島誠一賞に當眞嗣一氏。戦跡考古学。[琉球新報]
2022年8月2日(火)
- 浜松市
- 中区・浜松市楽器博物館で、展示中だったパプアニューギニアの楽器ラトル(通称:ガラガラ)が盗まれる。
▶展示資料の盗難について[浜松市楽器博物館]
ラトルは大小二つの貝をひもで結びつけた、パプアニューギニアの伝統楽器。浜松市楽器博物館では、テグスで固定した状態で露出展示していた。[静岡新聞]
▼2024年1月1日から浜松市中央区 - 奈良県
- 桜井市・桜井茶臼山古墳(さくらいちゃうすやまこふん)の前方部が、前端に向けて開く形状であることが判明。奈良県立橿原考古学研究所が赤色立体地図を作成。[奈良新聞]
- トルコ
- ニーデ県(Niğde il)ウルクシュラ郡(Ulukışla)・ポルスク(Porsuk)のゼイヴェ・ヒュユク遺跡(Zeyve Höyük)で、ハカーマニシュ朝(アケメネス朝;Achaemenid)の漆喰壁。ローマ時代に包囲され、火を受ける。その後ローマが再利用。ほかにヒッタイトの銘文や砦、鉄器時代の城など。[Arkeonews]
- スロバキア
- ジリナ(ilina)の聖三位一体教会(Farský kostol;Cathedral of the Holy Trinity)の地下室で、4mの高さに積み上げられた人骨。[The Slovak Spectator]
- UK(イングランド)
- ノーフォーク州(Norfolk)オールド・キャットン(Old Catton)で、中期〜後期青銅器時代の集落から、炭化したキビ(Broomcorn millet、Panicum miliaceum)を含む植物遺体が入った土坑。放射性炭素年代により、後期青銅器時代・紀元前910年〜前800年。英国で最も古い時期のアワ。
cf. Matthew Brudenell, Rachel Fosberry, Tom Phillips and Malgorzata Kwiatkowska (2022) Early cultivation of broomcorn millet in southern Britain: evidence from the Late Bronze Age settlement site of Old Catton, Norfolk. Antiquity, First View, pp. 1 - 6. [Cambridge Core] - リビア
- サハラ砂漠のウアン・ムフギアグ岩陰遺跡(Uan Muhuggiag)で出土した、新石器時代・6000年前のスイカの近縁種の種子について、ゲノムを分析し、3300年前のスーダンのスイカの種子と比較。リビアのスイカは果肉が苦いスイカで、果肉よりも種子を利用していた。リビアでの発見は、甘いスイカがナイル流域で栽培化された時期よりもさかのぼる。
▶Seedy, not sweet [Washington University in St. Louis]
cf. Osca A Pérez-Escobar, Sergio Tusso, Natalia A S Przelomska, Shan Wu, Philippa Ryan, Mark Nesbitt, Martina V Silber, Michaela Preick, Zhangjun Fei, Michael Hofreiter, Guillaume Chomicki, Susanne S Renner (2022) Genome sequencing of up to 6,000-yr-old Citrullus seeds reveals use of a bitter-fleshed species prior to watermelon domestication. Molecular Biology and Evolution, msac168. [Oxford Academic] - USA
- ニューメキシコ州(State of New Mexico;Estado de Nuevo México) で、37000年前のマンモスの遺体。石器は出土していないが、ヒトがマンモスの長い骨を加工して作った刃物で解体し、火であぶった痕跡。初期人類の存在した証拠。マンモスの骨のコラーゲンによる放射性炭素年代は38900年前〜36450年前。
▶New Mexico Mammoths Among Best Evidence for Early Humans in North America [UT Jackson School of Geosciences]
cf. Timothy B. Rowe, Thomas W. Stafford Jr., Daniel C. Fisher, Jan J. Enghild, J. Michael Quigg, Richard A. Ketcham, J. Chris Sagebiel, Romy Hanna and Matthew W. Colbert (2022) Human Occupation of the North American Colorado Plateau ∼37,000 Years Ago. Frontiers in Ecology and Evolution. [Frontiers] - メキシコ
- チアパス州(Estado de Chiapas)・トニナー遺跡(Toniná)の7〜8世紀の地下墓では、火葬にかかわる儀式を行っており、土器400個以上があったが、土器の中には人骨、ゴム、根など。人骨は球戯(Juego de pelota;ballgame)のボールを作るために用いられた。
▶En Toniná, Chiapas, una cripta prehispánica revela ritos de cremación de sus gobernantes[Instituto Nacional de Antropología e Historia] - チリ
- オルノス島(Isla Hornos)で、キャンプファイヤーの跡、武器の破片、解体された骨など、放射性炭素年代で460年前〜260年前(BP)。産業化以前にチリ最南端まで人類が拡散した証拠。
cf. Brian Buma, Flavia Morello, Karina Rodriguez and Alberto Serrano Fillol (2022) Evidence for the southernmost pre-industrial human expansion on Isla Hornos (Isla Lököshpi), Chile. Antiquity, First View, pp. 1 - 6. [Cambridge Core]
2022年8月1日(月)
- 静岡県
- 富士市・浅間古墳(せんげんこふん)で、地中レーダー探査により、後方部中央に竪穴式石室あるいは粘土槨が埋設されている可能性。また、ドローンによる空中レーザー測量によると、後方部二段、前方部一段築成の前方後方墳で、古墳の北側と南側で高さが異なる。富士市による調査。古墳時代前期後半・4世紀中ごろの前方後方墳、91m。
▶浅間古墳の調査成果についてお知らせします[富士市]
▼浅間古墳関連記事→2020年10月11日 - イラン
- ケルマーン州(Ostān-e Kermān) シャハダード(Shahdad)で、青銅器時代の溶解工房。[Tehran Times]
- アラブ首長国連邦
- ウンム・アル=カイワイン首長国(Umm al-Quwain)にあるテル・アブラク遺跡(Tell Abraq)で、の円筒印章入り土器。 鉄器時代・紀元前2千年紀後半〜前1千年紀初めの円筒印章入り土器2点。当時のアラビア半島東南部では印章は稀で外来遺物とみなされる。イラン東南部との海を越えた交流を示す。
cf. Dominika Majchrzak, Michele Degli Esposti (2022) About two seal-impressed jars from Tell Abraq (Emirate of Umm al-Quwain). New evidence for intercultural networks in the lower Arabian Gulf in the late 2nd – beginning of the 1st millennium BC. Arabian Archaeology and Epigraphy. [Wiley Online Library] - イスラエル
- ショハム(Shoham)近くのホルバト・ハニ(Horbat Hani)で、1500年前の修道院とモザイク床を再発見。2000年に発見され、保存のため埋め戻されていたが、軍によって遺跡が損傷してしまったため、イスラエル国防軍(IDF)とイスラエル古代遺跡管理局(Israel Antiquities Authority)が再発掘。[The Jerusalem Post]
- トルコ
- ディヤルバクル県(Diyarbakır)スル郡(Sur)の砦で、1700年前のアンフォラ出土。オリーブ油やワインの運搬に用いたと推定。砦の中からはローマ時代、ビザンティン時代、オスマン朝の遺構が発見されている。[Daily Sabah]
- ギリシャ
- キトノス島(Κύθνος;Kythnos)西方のエーゲ海(Aegean)、水深110mで沈没船。全長40m。古代の戦艦とみられる。[Greek City Times]
- エジプト
- ワルシャワ(Warszawa;Warsaw)のポーランド国立美術館(Muzeum Narodowe w Warszawie;National Museum in Warsaw)が所蔵する古代エジプト・2000年前のミイラは、昨年の論文で妊婦とみなされていたが、再調査の結果、骨盤のところにあるのは胎児ではなく、ミイラ化した臓器だった。
▶Ancient Egyptian mummy was NOT pregnant, say researchers[Nauka w Polsce]
cf. Kamila Braulińska, Łukasz Kownacki, Dorota Ignatowicz-Woźniakowska & Maria Kurpik (2022) The “pregnant mummy” from Warsaw reassessed: NOT pregnant. Radiological case study, literature review of ancient feti in Egypt and the pitfalls of archaeological and non-archaeological methods in mummy studies. Archaeological and Anthropological Sciences, volume 14, Article number: 158. [SpringerLink]
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