2020年10月20日(火)
- 奈良県
- 奈良市・興福寺で、東金堂と五重塔の周囲を区画した「東金堂院」にあった五重塔正面の門の跡を確認。奈良文化財研究所の調査。[奈良新聞]
- 中国
- 陝西省 楡林市 府谷県 田家寨鎮・寨山遺跡で、石峁文化・4000年前の、生きたヒトを殉葬した長方形竪穴土坑墓3基。木棺を納め、壁龕がある。墓主を木棺に納め、殉葬者は墓主の左側の棺外に葬る。殉葬者は女性とみられ、横向きで、墓主の方を向く。[中国新聞網]
- カンボジア
- カルダモン山脈(Cardamom Mountains)のプノンペル遺跡(Phnom Pel)で出土した、土器や丸太の棺に納められた火葬しない人骨を分析。ストロンチウム同位体(strontium isotope)から推定された子供時代の食生活からみて、カルダモン山脈内の複数の異なる地域の出身者。
cf. Louise Shewan, Richard Armstrong, Dougald O’Reilly, Siân Halcrow, Nancy Beavan and Tep Sokha "Isotopic insights into the jar-and-coffin mortuary ritual of the Cardamom Mountains, Cambodia" Antiquity [Cambridge Core] - イラン
- ファールス州(Ostān-e Fārs)のマルヴダシュト高地(Marvdasht plain)で260か所の遺跡。岩絵、洞窟、岩陰、人骨などがあり、さまざまな時代におよぶ。[Tehran Times]
- イラン
- 西アーザルバーイジャーン州(Ostān-e Āzarbāyjān-e Gharbī;West Azarbaijan)ピーラーンシャフル(Piranshahr)で、イスラーム時代の墓。人骨出土。[Tehran Times]
- イラン
- ケルマーン州(Ostān-e Kermān)のルート砂漠(Dasht-e Lūt;Lut Desert)南部のバム地域(Bam)で新石器時代の集落。
cf. Benjamin Mutin, Omran Garazhian, Maryam Shakooie "The Neolithic regional settlement in the Southern Lut Desert, Iran" Archaeological Research in Asia [ScienceDirect] - トルコ
- シャンルウルファ県(Şanlıurfa) ハッラーン郡(Harran)のハッラーン宮(Harran Palace)で、900年前の門。玄武岩製で高さ7m。アラビア語の銘文あり。ハッラーンは、イラクのニネヴェ(Nineveh)に連なるメソポタミアの交易の中心地。[Anadolu Ajansı]
- トルコ
- アンタルヤ県(Antalya il)カシュ郡(Kaş)にある古代都市パタラ(Πάταρα;Patara)で、ローマ時代・2000年前のヘビが巻き付いているような浮彫をあしらった大理石製の祭壇。ローマ時代 の浴場や城壁の近くから。パタラは古代リュキア(Λυκία;Lycia)連合の首都。[Daily Sabah]
- トルコ
- オルドゥ県(Ordu il)ファトサ(Fatsa)のガガ湖(Lake Gaga)の水深15mの湖底で教会跡。年代未詳。[Anadolu Ajansı]
- ブルガリア
- プロヴディフ州(Област Пловдив;Plovdiv Province)ヒサリャ(Хисаря;Hisarya;Hisar)のディオクレティアノポリス遺跡(Diocletianopolis;Διοκλητιανούπολις;Диоклецианопол)で、ローマ時代の浴場の更衣室アポディテリウム(apodyterium)の跡。
Vast ‘changing room’ found in Roman thermae (public baths) of ancient spa resort Diocletianopolis in Bulgaria’s Hisarya [Archaeology in Bulgaria] - ルーマニア
- トランシルヴァニア(Transylvania)南西部で、初期〜中期青銅器時代・紀元前2700年〜前1500年の埋葬遺跡の立地を分析。初期青銅器時代(Early Bronze Age)の墳墓は、高地の資源(金属や牧草地など)へのアクセスに関連した立地。中期青銅器時代(Middle Bronze Age)の墳墓は、集落と同様の立地。死者の役割と、金属の調達制度が変化し、死者に託された役割も変化したと推定。
cf. Colin P. Quinn, Horia Ciugudean, Jess Beck "The politics of placing the dead in Bronze Age Transylvania" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 34, Part A [ScienceDirect] - フランス
- グラン・テスト地域圏(Grand Est)ムルト=エ=モゼル県(Meurthe-et-Moselle)ピエール=ペルセ(Pierre-Percée)で、ザルム伯(comté de Salm)の城の城壁や塔を調査。17世紀に廃棄された城。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Le château du comté de Salm : archéologie du site de Pierre-Percée (Meurthe-et-Moselle)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)オー=ド=セーヌ県(Hauts-de-Seine)クリシー=ラ=ガレンヌ(Clichy-la-Garenne)で、中期旧石器時代(Paléolithique moyen)・35万年前〜4万年前のルヴァロワ技法の石器やネアンデルタール人の人骨、ゾウの骨など。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Neandertal aux portes de Paris[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- ロンドン(London)で発生したペストは、1348年の黒死病(Black Death)が43日で倍増、1665年の大疫病(Great Plague)が11日で倍増しており、感染拡大のスピードが4倍。感染のスピードからみて、ヒトからではなくノミを介して感染したと推定。300年間にわたる文書から分析。1538年以前は死亡に関する記録がないので、17世紀について遺言状から推定される数値と実際の死亡率が対応するという確認のもと、過去の死亡率を推定した。
Scientists find medieval plague outbreaks picked up speed over 300 years [McMaster University]
cf. David J. D. Earn, Junling Ma, Hendrik Poinar, Jonathan Dushoff, and Benjamin M. Bolker (2020) Acceleration of plague outbreaks in the second pandemic. Proceedings of the National Academy of Sciences, Vol. 117, No. 44, 27703-27711. [PNAS] - アイルランド
- スライゴ州(Sligo)クロカー(Cloghcor)の支石墓(portal tomb)で、4000年以上前のロックアート。[The Irish Times]
- ペルー
- ナスカの地上絵近くで新たに見つかったネコ科動物の地上絵は、パラカス文化(Paracas)後期・紀元前200年ころのものとみられ、一般にナスカの地上絵として知られるナスカ文化のものよりも古い。[共同通信]
- パタゴニア地方
- パタゴニア北西部の完新世後期(Late Holocene)の人骨から得た試料を同位体分析し、食生活を再現。植物より肉への依存が強い。特に小動物狩猟に依存。近隣では農業生産を行っていたが、狩猟への依存を続けていた。
cf. Adolfo F. Gil, Andrew Ugan, Gustavo A. Neme "More carnivorous than vegetarian: Isotopic perspectives on human diets in Late Holocene northwestern Patagonia" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 34, Part A [ScienceDirect]
2020年10月19日(月)
- 岐阜県
- 岐阜市・岐阜城の天守閣西側から昨年出土した軒丸瓦は、当初の分析よりも古く、安土城(1576年築城開始)よりも古い可能性。大津市・坂本城(1572年築城)のものと似る。当初は信長が安土城に移った後、岐阜城に入った嫡男の信忠の時代以降のものと考えられていた。[中日新聞]
- 岐阜県
- 飛騨市・傘松城跡で、主郭の下から新たに横堀。土塁や堀の状況も確認。飛騨市教育委員会の調査。10/25現地説明会。[飛騨市]
- イスラエル
- ベト・イェラー遺跡(Tel Bet Yerah;Khirbet el-Kerak)で出土したキルベト・ケラク土器(Khirbet Kerak Ware)の動物像に、イラン高原のクラ・アラクセス文化(Kura-Araxes culture)との類似性。
cf. Nadeshda Bladt Knudsen & Raphael Greenberg "The Khirbet Kerak Ware figurine: a new component in the Kura-Araxes cultural assemblage" Levant. Published online: 19 Oct 2020 [Taylor & Francis Online]
▼ベト・イェラー遺跡関連記事→2020年5月14日 - スロバキア
- トルナヴァ県(Trnavský kraj;Trnava region)ピエシチャニ(Piešťany)で、抜いた木の下から中世・13〜14世紀の銀貨147枚。大半は「ウィーンのペニヒ」(Wiener Pfennige)で、ハンガリーでこれを模したものも。革か繊維で包まれていたと推定されるが、鼓の痕跡は残らず。[The Slovak Spectator]
- スペイン
- カスカスティーリャ・レオン自治州(Comunidad Autónoma de Castilla y León) ソリア県(Provincia de Soria)アルマサン(Almazán)で、石垣の下に中世の遺体11体。12世紀のサンタ・マリア・デ・カラタニアゾル教会(Santa María de Calatañazor)に関連か。市場の壁には19世紀まで「アルフォンソ」(Alfonso)という王に言及する碑文があったが、現在は行方不明で、どのアルフォンソ王を指すかも不明。[El País]
- マン島
- Staarvey Farmの初期青銅器時代(Early Bronze Age)の墓から、骨製の柄頭(pommel)などの骨器。
cf. Rachel J. Crellin, Chris Fowler and Michelle Gamble “Thinking outside the cist: interpreting a unique artefact assemblage from an Early Bronze Age burial on the Isle of Man” Antiquity [Cambridge Core]
▼Staarvey Farm関連記事→2016年12月5日
2020年10月18日(日)
- 韓国
- 釜山市 東莱区の区新庁舎の敷地で朝鮮後期〜日帝強占期・300年前〜100年前の遺構。特に18世紀の建物遺構は朝鮮時代・1731年に築かれた後期東莱邑城と関連した建物と推定。[釜山日報]
▼東莱邑城関連記事→2008年1月12日 - 北朝鮮
- 南浦市 龍岡郡 恩徳地区で、高句麗・6世紀の壁画古墳。横穴式石室。四神図を描く。[聯合ニュース]
- チュニジア
- Bir Ftouha遺跡で出土した、ファーティマ朝(Fatimid)〜ズィール朝(Zirid)・10世紀の陶器群を分析。透明な黄色地の陶器と半透明な白色地の陶器のうち。白い不透明釉には錫は含まず、大きな石英粒子を添加して不透明にしていた。錫釉はファーティマ朝がエジプトを占領して以降にチュニジアにもたらされたという仮説を支持。チュニジアなどイフリーキーヤ(Ifriqiya)地域ではアグラブ朝(Aghlabid)・9世紀に多彩釉の鉛釉陶器が登場し、ファーティマ朝・10世紀に継続したが、11世紀に錫釉に置き換わった。
cf. Elena Salinas, Paul Reynolds, Michael S. Tite, Trinitat Pradell "Polychrome glazed ware production in Tunisia during the Fatimid-Zirid period: New data on the question of the introduction of tin glazes in western Islamic lands" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 34, Part A [ScienceDirect] - USA
- ノースカロライナ州(State of North Carolina)バーティ郡(Bertie County)で、1580年代の英国製土器を発見。先住民に交じって暮らしていた英国人家族の痕跡。1587年にロアノーク島(Roanoke Island)から消えた英国人入植地ロストコロニー(Lost Colony)から来た家族とする説も。[The Virginian-Pilot]
2020年10月17日(土)
- フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)ヴァル=ドワーズ県(Val-d'Oise)ルーヴル(Louvres)で、ガロ=ローマ時代の農場や、中世・16世紀末の農場。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Louvres (Val-d'Oise) : d'un habitat gallo-romain à une ferme seigneuriale[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - ペルー
- ナスカの地上絵(Líneas de Nazca;Nazca Lines)に、新たな絵を発見。ネコ科の動物を表現。[テレビ朝日]
2020年10月16日(金)
- 岩手県
- 盛岡市・盛岡城跡(もりおかじょうあと:第41次調査)の本丸天守台西側で、本丸御殿の「長局(ながつぼね)」などの礎石など,建物に伴う遺構の一部を確認。盛岡市教育委員会の調査。10/24現地説明会。
史跡盛岡城跡 本丸(第41次)発掘調査現地説明会[盛岡市遺跡の学び館]
▼盛岡城跡関連記事→2019年11月10日 - 宮城県
- 多賀城市・多賀城跡(たがじょうあと:第94次調査)で、奈良〜平安時代の大型掘立柱建物2棟と、11世紀後半の白磁。11世紀後半は、これまでの調査で多賀城の実態が未解明な時期。宮城県多賀城跡調査研究所10/15発表。10/17現地説明会。[河北新報]
- 山形県
- 米沢市・舘山城跡(たてやまじょうあと)の山城と山麓居館(北館)の間に想定していた通路は確認できず。曲輪1北縁に土塁の痕跡。米沢市教育委員会の調査。10/24現地説明会(米沢市在住者を対象;事前申し込み)。
史跡舘山城跡発掘調査現地説明会を開催します(要申込)[米沢市教育委員会]
▼舘山城跡関連記事→2015年11月6日 - 愛知県
- 豊川市・花の木古墳群・花の木遺跡で古墳時代前期〜中期の古墳。愛知県埋蔵文化財センターの調査。11/3地元説明会。
花の木古墳群・花の木遺跡 発掘調査地元説明会開催のお知らせ[愛知県埋蔵文化財センター] - インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)タンジャーヴール県(Thanjavur district)クンバコナム(Kumbakonam)のチョーランマリーガイ(Cholanmaligai)で、チョーラ朝(Chola dynasty)・9世紀の井戸跡や土器。[The Times of India]
- ロシア
- ロシア平原のドニエプル川、デスナ川、セイム川、オカ川、ドン川の流域で出土した後期旧石器時代(Upper Palaeolithic)の動物骨を調査。気候変動があってもウサギの骨の量は変化なく、他の動物に比べて安定した資源だった。
cf. Maria N. Zheltova, Natalia D. Burova, Nataliya E. Zaretskay, Ganna I. Zaitseva, Anatoliy A. Sementsov 'Hare Tracks” in the Upper Palaeolithic in the centre of the East-European Plain (an overview)' Quaternary International [ScienceDirect] - ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)マンヒンク(Manching)で、高さ6m、幅3mのケルト(Kelten)の城壁。石の基礎に木の柱を立て岩で埋める。[Merkur]
- フランス
- オクシタニー地域圏(Occitanie)タルヌ=エ=ガロンヌ県(Tarn-et-Garonne) ヴェルダン=シュル=ガロンヌ(Verdun-sur-Garonne)のピス遺跡(Pissou)で、中世・8〜12世紀の集落。メロヴィング朝に集落が始まる可能性あり。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Verdun-sur-Garonne : de nouvelles découvertes sur l’occupation de la vallée (Tarn-et-Garonne)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- サマセット州(the county of Somerset)サマートン(Somerton)で、ローマ時代・1世紀の集落。鍛冶道具、土器など出土。鉄器時代・紀元前400年〜前43年の円形溝。Cotswold Archaeologyの調査。[Somerset County Gazette]
- UK(スコットランド)
- ハイランド地方(Highlands)ポートマホマック(Portmahomack)の聖コルマン教会(St Colman Church;Tarbat Old Parish Church)で出土した刀傷を負った男の遺体は、4つの頭蓋骨と、追葬された別の男性1人とともに埋葬されていた。DNA検査によると、1体を除いてすべて13世紀後半〜15世紀初め。残る1体(頭蓋骨のうち1つ)は8〜10世紀でピクト人の修道士の可能性。ほかの人骨や頭蓋骨は親族関係。[BBC]
2020年10月15日(木)
- 中国
- 雲南省(Yunnan)臨滄市(Lincang)・滄源崖画でウラン系列年代測定。3800年前〜2700年前と判明。[AFPBB]
- カンボジア
- プノン・ダエク(Phnom Dek)での鉄生産に関する知見を基に、民族誌的な証拠と考古学的な証拠による実験的な研究により、アンコール朝(Angkor)・13〜14世紀の鉄溶解炉を復元。
cf. Stéphanie Leroy, Sylvain Bauvais, Emmanuelle Delqué-Količ, Mitch Hendrickson, Nicolas Josso, Jean-Pascal Dumoulin, Dominique Soutif "First experimental reconstruction of an Angkorian iron furnace (13th–14th centuries CE): Archaeological and archaeometric implications" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 34, Part A [ScienceDirect] - サウジアラビア
- 北部のキルワ(Kilwa)や、サカーカ(Sakâkâ)にある「らくだ遺跡(Camel Site)」など4遺跡で、岩絵(petroglyphs)のロックバーニッシュ(rock varnish)を測定。岩絵は2つの時期、先土器新石器時代/後期新石器時代と青銅器時代/鉄器時代に行われた。
cf. Meinrat O. Andreae, Abdullah Al‐Amri, Claire M. Andreae, Maria Guagnin, Klaus Peter Jochum, Brigitte Stoll, Ulrike Weis "Archaeometric studies on the petroglyphs and rock varnish at Kilwa and Sakaka, northern Saudi Arabia" Arabian Archaeology and Epigraphy [Wiley Online Library] - イスラエル
- ネゲブ砂漠(Negev Desert)のシヴタ遺跡(Shivta)、エルサ遺跡(Elusa)、ネッサナ遺跡(Nessana)で発見されたローマ時代〜古代末期・1〜10世紀のごみを分析。家畜の糞がみられず、それらは農業のため肥料に活用したと推定。
cf. Don H. Butler, Zachary C. Dunseth, Yotam Tepper, Tali Erickson-Gini, Guy Bar-Oz, Ruth Shahack-Gross "Byzantine—Early Islamic resource management detected through micro-geoarchaeological investigations of trash mounds (Negev, Israel)" PLoS ONE 15(10): e0239227. [PLOS ONE]
▼シヴタ遺跡関連記事→2020年3月5日
▼エルサ遺跡関連記事→2019年3月26日 - トルコ
- チャタル・ヒュユク遺跡(Çatalhöyük)で出土した新石器時代の人骨を分析。細菌性微生物から葬送にかかわる行為の違いを研究。男性被葬者と女性被葬者には差はないが、若年被葬者と成人被葬者の間には違いがある。死亡時の遺体の取り扱いに違いがあったことを示す。
cf. Haley P. Goren, Sabrina C. Agarwal, Patrick Beauchesne "Interpreting Mortuary Treatment from Histological Bone Diagenesis: A Case Study from Neolithic Çatalhöyük" International Journal of Osteoarchaeology [Wiley Online Library] - ギリシャ
- テッサリア地方(Θεσσαλία;Thessaly)のテオペトラ洞窟(Σπήλαιο της Θεόπετρας;Theopetra Cave)は、出土人骨から見て、新石器時代(Neolithic)に43人のヒトが居住。コムギ、オオムギ、オリーブ、マメ、肉を食べた。後期旧石器時代・14990年前〜14060年前、中石器時代・紀元前7500年〜前7000年の埋葬も。[Greek Reporter]
- ポーランド
- ヘウム(Chełm)のヴィソカ・グルカ遺跡(Wysoka Górka)で出土した13〜14世紀の魚について、炭素と窒素の安定同位体分析(stable isotope analysis)。16個体の半数が海の魚。チョウザメ(sturgeons、Acipenser oxyrinchus)4個体、ナマズ(catfishes;Silurus glanis)2個体、カワカマス(pike;Esox lucius)1個体。タイ(bream;Abramis brama)1個体。内陸部に長距離交易で魚を運んだことを示す。中世ポーランドでは肉の代用品として魚の消費が増加していた。
cf. Rafał A. Fetner, Urszula Iwaszczuk "Isotopic evidence of possible long‐distance freshwater fish trade in the 13th‐14th century Chełm, modern Poland" International Journal of Osteoarchaeology [Wiley Online Library]
▼ルブリン県(Województwo lubelskie;Lublin) - フランス
- ブルターニュ地域圏(Région Bretagne)イル=エ=ヴィレーヌ県(Ille-et-Vilaine) シャヴァーニュ(Chavagne)のラ・トゥッシュ遺跡(La Touche)で中世・7〜10世紀の村落。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
Aux origines d’un village : le site de La Touche à Chavagne (Ille-et-Vilaine)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- ドーセット州(the county of Dorset)ドーチェスター(Dorchester)のリトル・キープ(Little Keep)の後期ローマ時代の墓地では、多くの遺体がうつ伏せに埋葬。そのほかの一部は斬首され、足の近くに頭部を置いた状態。被葬者は高齢で、男性が多く、暴力によるとみられる外傷。魔除けの釘も出土。Wessex Archaeologyの調査。
Little Keep, Dorchester - Late Roman Cemetery[Wessex Archaeology] - UK(イングランド)
- グロスタシャー州(the county of Gloucestershire)グロスター(Gloucester)で中世のホワイトライアーズ修道院(Whitefriars friary)跡を発見。13世紀にカルメル修道会(Carmelite order)が設立したが、遺構の位置はわからなくなっていた。Cotswold Archaeologyの調査。[Gloucestershire Live]
- エジプト
- 紅海沿岸のベレニケ・トログロディティカ(Βερενίκη η τρωγλοδυτική;Berenice Troglodytica)の港の発掘で、イシス神(Isis)とセラピス神(Serapis;Σάραπις)に捧げられた神殿から出土したセラピス神の像の一つに、ガンダーラの影響。また、ヌビアの神セビウメケル(Sebiumeker)の像も出土。ガンダーラとアフリカ内陸双方からの影響を示す。ベレニケは紀元前3世紀にプトレマイオス2世ピラデルポス(Πτολεμαίος Φιλάδελφος;Ptolemy II Philadelphus)が建設。
Naukowcy: wpływy z Azji i z głębi Afryki w starożytnej świątyni nad Morzem Czerwonym w Egipcie[Nauka w Polsce] - カナダ
- オンタリオ州(Ontario)キッチナー(Kitchener)のフィッシャー=ハルマン(Fischer-Hallman)で1300年〜1600年の先住民イロコイ族(Iroquoian)のムラ。[Kitchener Today]
2020年10月14日(水)
- 福島県
- 川俣町・前田遺跡で、縄文時代後期の墓域とみられる範囲から人骨40〜50体。屈葬や埋甕など。内陸部の縄文時代の遺跡で大量に人骨が出土するのは全国的に希少。さらに、縄文時代後期の土偶1点や、晩期の木柱を伴う柱穴100基以上。公益財団法人福島県文化振興財団の調査。[福島民友新聞]
▼前田遺跡関連記事→2020年10月9日 - 島根県
- 江津市・森原下ノ原遺跡(もりばらしものはらいせき)で、江の川の氾濫堆積層から古墳時代前期・4世紀の緑色凝灰岩製石釧が出土。県内2例目。また、弥生時代後期中頃・2世紀前半の竪穴建物跡や柱穴など、平安時代・10世紀頃に起きた大規模な江の川の氾濫跡。島根県埋蔵文化財調査センターの調査。10/17現地説明会。
137 島根県2例目の腕輪形石製品「石釧(いしくしろ)」を発見 ―森原下(もりばらしも)ノ(の)原遺跡(はらいせき)の現地説明会について―[島根県]
▼森原下ノ原遺跡関連記事→2020年1月23日 - 日本
- 11069名の遺伝子データのクラスター分析により、都道府県レベルで日本人の遺伝的集団構造を調査。47都道府県は沖縄県とそれ以外の都道府県に分かれ、沖縄県以外は九州・中国地方、東北・北海道地方、近畿・四国地方の3つのクラスターに大別。近畿地方や四国地方の人々に渡来人の遺伝的構成成分がより多く残る。
都道府県レベルでみた日本人の遺伝的集団構造〜縄文人と渡来人の混血がもたらした本土日本人内の遺伝的異質性〜[東京大学大学院理学系研究科・理学部]
cf. Yusuke Watanabe, Mariko Isshiki & Jun Ohashi "Prefecture-level population structure of the Japanese based on SNP genotypes of 11,069 individuals" Journal of Human Genetics (2020) [Journal of Human Genetics] - 中国
- 内モンゴル自治区 赤峰市 巴林左旗 林東鎮・遼上京遺跡の西南部で、遼・金時代の大型の皇家寺院遺跡。上京遺跡内では最大の寺院跡。[新華社]
▼遼上京遺跡関連記事→2019年10月12日 - イスラエル
- エルサレム(Jerusalem)で発見されたローマ時代・2000年前の釘は、高僧カイアファ(Caiaphas)の埋葬から出土したと推定。イエスの磔刑(Crucifixion)に用いた釘の可能性も。[Haaretz]
- トルコ
- イズミル県(İzmir il)コナク郡(Konak)エシュレフパシャ(Eşrefpaşa)で、市場や自動車のため、ローマ時代・1世紀の道路に毀損の恐れ。シルクロード(Silk Road)の一部として利用された。[Hürriyet Daily News]
- ブルガリア
- ヴィディン(Видин;Vidin)にあるローマ、ビザンティン時代の要塞都市ボノニア(Bononia)で、4〜6世紀の西門と、塔2基、基幹道路デクマヌス・マクシムス(Decumanus Maximus)の始点などを発見。ローマ帝国の異民族に対する防衛線リメス・モエシアエ(Limes Moesiae)の一部をなす。
Archaeologists discover Western Gate of Ancient Roman, Byzantine fortress Bononia in Bulgaria's Danube city Vidin [Archaeology in Bulgaria] - ブルガリア
- ヴェリコ・タルノヴォ(Велико Търново;Veliko Tarnovo)の考古学博物館に、一月蜂起(powstanie styczniowe;January Uprising;1863〜1864年)で用いられた剣。ポーランド語の銘文を刻む。反乱軍からロシア軍の誰かにの手に渡り、ブルガリアを舞台とした露土戦争(Russo-Turkish War;1877〜1878年)で用いられた可能性。一月蜂起は、ポーランド人らのロシア帝国に対する武装蜂起。露土戦争はブルガリアがオスマン帝国から独立する契機となった戦争。
’Patriotic’ January Uprising Polish sword found in Bulgaria[Nauka w Polsce] - イタリア
- プッリャ州(Puglia;Apulia)・フォンテティヴァ遺跡(Fonteviva)の初期〜中期新石器時代の墳墓2基について、放射性炭素年代測定(radiocarbon dating)と炭素と窒素の安定同位体分析(stable isotope analysis)を州内のデータと比較。墓の年代は、新石器時代の集落の最盛期にあたる紀元前6千年紀。陸生の蛋白質を基本とする新石器時代の典型的な食生活を示すが、15Nがやや多い。
cf. Eóin W. Parkinson, T. Rowan McLaughlin "Lifeways at the acme of the south Italian Neolithic: New chronological and bioarchaeological data from Fonteviva, Apulia" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 34, Part A [ScienceDirect] - イタリア
- ローマ(Rome)のクアルト・カッペッロ・デル・プレテ墓地(Quarto Cappello del Prete)で出土したローマ帝政期・1〜3世紀の人骨50体について、炭素と窒素の安定同位体分析(stable isotope analysis)。陸上資源を中心とした食生活で、C3植物が重要な役割。3歳までに離乳。
cf. Flavio De Angelis, Virginia Veltre, Sara Varano, Marco Romboni, Sonia Renzi, Stefania Zingale, Paola Ricci, Carla Caldarini, Stefania Di Giannantonio, Carmine Lubritto, Paola Catalano, Olga Rickards & Cristina Martínez-Labarga "Dietary and Weaning Habits of the Roman Community of Quarto Cappello del Prete (Rome, 1st-3rd Century CE)" Environmental Archaeology [Taylor & Francis Online] - UK(イングランド)
- ケント州(Kent)サネット島(Thanet)で、ローマ時代の金製のピンを9歳の少年が発見。[The Isle of Thanet News]
- UK(イングランド)
- ハンプシャー州(the county of Hampshire)サウスシー城(Southsea Castle)近くで、舗装の下にヴィクトリア朝・19世紀の厚さ2mの石敷き。Wessex Archaeologyの調査。[BBC]
- エジプト
- サッカラ(Saqqara)で見つかった棺の内側に、メンチュホテプ2世(Mentuhotep II)のころ・4000年前のヒエログリフによる死者の書(Book of the Dead)。死者の書としては最古。[Egypt Today]
2020年10月13日(火)
- 青森県
- 八戸市・法霊林遺跡(ほうりょうばやしいせき)で、7世紀末〜8世紀の竪穴建物跡6棟。8世紀後半の大型の竪穴建物跡で、カマドの排煙部から、先端を下に向け直立した状態で方頭大刀が出土。木製のサヤに納められた状態。床面から馬具とみられる鉄製品も出土し、地域の有力者が居住した建物の可能性。青森県埋蔵文化財調査センターの調査。
八戸市法霊林遺跡[青森県埋蔵文化財調査センター]
▼2022年12月10日現在リンク切れ - 青森県
- むつ市・酪農(3)遺跡で、縄文時代後期前葉・約4,000年前のフラスコ状土坑群や竪穴建物跡、環状列石。青森県埋蔵文化財調査センターの調査。
むつ市酪農(3)遺跡[青森県埋蔵文化財調査センター]
▼2022年12月10日現在リンク切れ - 奈良県
- 斑鳩町・法隆寺東院伽藍で1939年に出土した、斑鳩宮の一部とみられる焼けた壁土が、80年ぶりに法隆寺で確認された。斑鳩宮は643年に蘇我入鹿の焼き打ちで焼失したとされる。10/17から斑鳩文化財センターで初公開。[毎日新聞]
- 鳥取県
- 西伯郡大山町・妻木晩田遺跡(むきばんだいせき:第36次調査)で、弥生時代後期前葉〜中葉・1世紀後半〜2世紀前半の竪穴住居跡など。丘陵頂部だけではなく斜面地も活発に利用されていた。鳥取県立むきばんだ史跡公園の調査。[鳥取県]
▼妻木晩田遺跡関連記事→2019年3月6日 - 韓国
- 忠清南道 扶余・双北里遺跡で、百済泗沘時代初期・1500年前の大型建物跡。大加耶の土器や中国製の磁器が出土。国立扶余文化財研究所の調査。双北里遺跡は泗沘遷都(538年)以降に百済の王宮が存在した可能性のある遺跡。大加耶は562年に滅亡しており、双北里遺跡の建物群が泗沘時代初期に造営されたことを示す。[聯合ニュース]
- 韓国
- 慶尚南道 陜川郡・城山土城は、加耶・5世紀中葉〜6世紀前葉に築造。東側の城壁は石城として築造されていた、新羅の石城とは異なる独特の構造。城山土城は加耶の「多羅国」の都城とみなされている。[聯合ニュース]
▼城山土城関連記事→2009年3月6日 - イラン
- ペルセポリス(Persepolis)の運河から、人面を浮き彫りにした石。[Iran Front Page]
- イラン
- 西アーザルバーイジャーン州(Ostān-e Āzarbāyjān-e Gharbī;West Azarbaijan)チャルドラーン郡(Chaldoran)Beygush Tepeで、青銅器時代・紀元前1千年紀のウラルトゥ王国(Urartu kingdom)の集落。[Tehran Times]
- イラク
- クルド人自治区(Iraqi Kurdistan)ドホーク市(Duhok)Balyuz hillsでヘレニズム時代(Hellenistic)・2000年前の遺物。紀元前165年のギリシャ語碑文。紀元前2世紀の支配者デメトリオス1世ソテル(Δημήτριος;Demetrius)に言及。[Kurdistan 24]
- イスラエル
- エルサレム(Jerusalem)の嘆きの壁(HaKothel HaMa'aravi;Western Wall;Al-Buraq Wall)近くで、鉄器時代・第一神殿時代(First Temple-era)の2シェケルの石灰石製の重り。[Arutz Sheva]
- イスラエル
- ケセム洞窟(Qesem Cave)で出土した、30万年前の石器を分析。初期人類は木の灰を食べ物や動物の皮を保存するために用いた可能性。[Haaretz]
- トルコ
- ムーラ県(Muğla il) ミラース郡(Milas)ベチン(Beçin)で、ローマ時代のおもちゃの動物。ヘレニズム、ローマ、ビザンティン、オスマン帝国の指輪、ブレスレット、硬貨も。[Anadolu Ajansı]
- トルコ
- スィノプ県(Sinop il)のバラトラル(Balatlar)の建物跡で、ゼウグマ遺跡(Zeugma)のそれに匹敵するモザイク。[Hürriyet Daily News]
▼バラトラル関連記事→2013年8月1日 - カザフスタン
- 北カザフスタン州(Солтүстік Қазақстан облысы;North Kazakhstan Region)キジロバ(Kyzyloba)の貴族の墓から、新サライ(Saray al-Jedid)で、ジョチ・ウルス(キプチャク・ハン国;Алтын Орда;Golden Horde)のウズベク・ハーン(Uzbeg Khan)の治世・1337年に打刻された硬貨や、銀の鏡が出土。[Kazakh TV]
- ブルガリア
- シュメン州(Област Шумен;Oblast Shumen)ベログラデツ(Белоградец;Belogradets)近くで新たに7か所の遺跡。うち1か所は初期中世・8〜10世紀の集落で、第一次ブルガリア帝国(Първа българска държава;First Bulgarian Empire)の都プリスカ(Плиска;Pliska)の第3の衛星都市。キビユク砦(Kabiyuk Fortress)、スタン砦(Stan Fortress)に次ぐ発見。
Third satellite town of early medieval Bulgarian Empire’s capital Pliska found during digs for Turkish stream natural gas pipeline [Archaeology in Bulgaria] - スロバキア
- リプトフスキー・ハラードク(Liptovský Hrádok)で出土した、青銅器時代・紀元前11〜前10世紀の青銅製の鳥形容器で動物脂肪を検出し、儀式用のランプとする従前の仮説を実証。
cf. Filip Ondrkál, Jaroslav Peška, Klára Jagošová, Diana Sokolovská, Lukáš Kučera "The Cult-Wagon of Liptovský Hrádok: First evidence of using the Urnfield cult-wagons as fat-powered lamps" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 34, Part A [ScienceDirect]
▼ジリナ県(ilinský kraj;ilina)リプトフスキー・ミクラーシュ(Liptovský Mikuláš) - ドイツ
- ブランデンブルク州(Land Brandenburg)ノイシュマーツケ(Neuschmerzke)で、新石器時代・球状アンフォラ文化(Kultura amfor kulistych;Globular Amphora culture)・5000年前のヒトの墓とともに、ウシの墓。飼いウシを大切にしていたことを示す。[Berliner Kurier]
- ペルー
- ペルー中部海岸地帯、マランガ(Maranga)の1800年前〜400年前の石器を分析。後期中間期(Late Intermediate Period)・1050年前〜470年前に技術的な変化。後期ホライズン(Late Horizon)・470年前〜400年前にはタラノキ(Caesalpinia spinosa)の加工に関連した道具の標準化が起こる。
cf. Antonio Pérez, Santiago Uceda, Eric Boëda, Edwin Silva, Lucénida Carrión, Rolando Romero, Marcos Paulo Ramos, Pilar Babot "Cobbles, tools, and plants: Techno-functional variability within lithic industries of complex societies in Central Coast, Peru (~1800–400 BP)" Journal of Archaeological Science: Reports. Volume 34, Part A [ScienceDirect]
2020年10月12日(月)
- 京都府
- 宇治市・平等院鳳凰堂の創建時のものとされる平安時代の木製中央扉に、菩薩の来迎図。平等院と東京文化財研究所の調査。平等院10/12発表。[朝日新聞]
- 和歌山県
- みなべ町・上城遺跡・上城城跡(うえんじょいせき・うえんじょじょうあと)で、古墳時代の竪穴建物跡2基と室町時代・15世紀の掘立柱建物跡2基。みなべ町教育委員会の調査。10/17現地説明会。[日高新報]
- 山口県
- 山口市・周防鋳銭司跡(すおうのじゅぜんじあと:第6次調査)で、複数の炉跡とともに、史跡内で初となる大型建物跡。史跡南東部は第1段階が銭貨鋳造工房、第2段階が工房以外の施設となる可能性が高く、史跡内の空間利用が時期によって異なっていたとみられる。周防鋳銭司跡は、平安時代に銭貨をつくっていた役所・工場の跡。山口市教育委員会の調査。11/1現地説明会。
史跡周防鋳銭司跡第6次発掘調査の現地説明会を開催します[山口市]
▼周防鋳銭司跡関連記事→2019年2月15日 - 福岡県
- 太宰府市・大宰府政庁跡(だざいふせいちょうあと)の西側にある蔵司地区で、新たに礎石建物を確認。九州歴史資料館の調査。10/17現地説明会。
特別史跡『大宰府跡』・蔵司地区 現地説明会の開催[九州歴史資料館] - 長崎県
- 対馬市の民家に伝わる仏像が。統一新羅時代・8〜9世紀の銅造如来立像と判明。[長崎新聞]
- トルコ
- ディヤルバクル県(Diyarbakır)スル郡(Sur)のアミダ遺跡(Amida Höyük;Amida Mound)で、1800年前の運河や暖房システム。南アナトリア最古の暖房システム。[Daily Sabah]
- エジプト
- ミニヤー県(Minya Governorate;Menia)のアル・ゴレイファ遺跡(Al-Ghoreifa)で、第26王朝のジェフティ神(Djehuty)の神官ジェフティ・イムホテプ(Djehuty Imhotep)の棺。棺内に護符やシャブティ(ushabti)スカラベ(scarab)の像。[Egypt Today]
2020年10月11日(日)
- 静岡県
- 富士市・浅間古墳(せんげんこふん)を空中レーザー測量し、後方部は前方部の高さにさらに上積みした2段構造であると判明。富士市の調査。東海地方最大級の前方後方墳、91m。[静岡新聞]
▼浅間古墳関連記事→2020年3月4日 - 中国
- 遼寧省・吉林省・河北省にわたって遼・金・元時代の遺跡を盗掘し、遺物を売りさばいていた罪で、7名に有罪判決。[新華社]
- イラン
- ゴレスターン州(Golestān)ゴルガーン(Gorgān)の城壁が農民や農地所有者のために徐々に破壊の危機。サーサーン朝(Sassanid)の200kmにおよぶレンガ積みの城壁。[Tehran Times]
- クロアチア
- スプリト=ダルマチア郡(Splitsko-dalmatinska upanija)スプリト(Split)のマヌシュ(Manuš)で、ローマ時代の屋内市場マケッルム(macellum)の跡。遺物の大半は4〜6世紀。貨幣はコンスタンティヌス帝の治世(307〜337年)のものが多数。スプリトには、ディオクレティアヌス帝(Diocletian)の退位(305年)後の宮殿以前にスパラトゥム(Spalatum)の集落があった。遺構を造営したのはディオクレティアヌス帝の可能性が高い。[Total Croatia News]
- ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州ギュータースロー郡(Kreis Gütersloh)パーヴェンシュテット(Pavenstädt)で、紀元前8〜前7世紀の集落跡。[Neue Westfälische]
- タンザニア
- オルドバイ渓谷(Olduvai Gorge)のアフリカ前期石器時代(Early Stone Age)の骨サンプルに、barbed bone point。従来の認識を70万年さかのぼり、ホモエレクトゥス(Homo erectus)が製作したと推定。従来は、骨器の製作はアフリカ中期石器時代(Middle Stone Age)にはじまるとみなされていた。
cf. Michael Pante, Ignacio de la Torre, Francesco d’Errico, Jackson Njau, Robert Blumenschine "Bone tools from Beds II–IV, Olduvai Gorge, Tanzania, and implications for the origins and evolution of bone technology" Journal of Human Evolution. Volume 148 [ScienceDirect] - 奴隷貿易
- 17世紀に英国の王立アフリカ会社(Royal African Company)が大西洋の奴隷貿易に用いた奴隷船が、トロール漁船の操業により破壊の危機。人類の恥ずべき歴史を博物館として保存すべき。[The Guardian]
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