考古学のおやつ/NEWSLINK

2022年12月31日（土）

宮崎県: 都城市・相原第1遺跡（第2次調査）で見つかった古墳時代中期前半・5世紀前半の地下式横穴墓群、22基。独特の玄室形態や、壁を赤色に塗るものなど。都城市の調査。12/27現地説明会。[南日本新聞]
▼相原第関連記事→2022年12月28日
フランス: ランス（Reims）にあるローマ時代の都市ドゥロコルトルム（Durocortorum）で、ローマ時代・2～3世紀の邸宅ドムス（domus）。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。ドゥロコルトルムは、もともとガリア人レミ族の都で、最盛期の人口は3万～5万人だったが、4世紀にはアラマンニ族の脅威にさらされ、406年にヴァンダル族、451年にフン族に略奪された。[Heritage Daily]
▼グラン・テスト地域圏（Grand Est）マルヌ県（le département de la Marne）
▼ドゥロコルトルム関連記事→2022年10月28日
UK: 英国で新石器時代にフリント鉱山でフリントを採掘するため用いられた肩甲骨（scapula）で作ったシャベルについて、実験考古学的に研究。
cf. Charli Mansfield (2022) Neolithic bone shovels of Britain: replication and reflection of a neglected artefact type. Archaeology International, Volume 25, Issue 1, Pages: 89-110. [UCL Press]
UK（イングランド）: ケント州（the county of Kent）のダンジネス岬（Dungeness headland）でエリザベス1世のころの船。英国産オーク材。年輪年代により伐採年は1558～1560年。当時は英国の造船法の過渡期。ヴァイキングとも共通するクリンカー法（細長い外板を順次重ねる）から本例のような枠組みを先に作る方法に移行していた。Wessex Archaeology の調査。
▶Rare Elizabethan ship discovered at quarry 300 metres from the coast [Wessex Archaeology]
UK（イングランド）: >ノーフォーク州（Norfolk）ブレックランド地区（Breckland）で計画されている太陽光発電JAFA Solar Farmに関し、ローマ時代やアングロ・サクソンの遺跡に悪影響があるとして、現地グレート・ダナム（Great Dunham）の教区会が全会一致で計画に反対し、事業の承認権を持つブレックランド地区議会に連絡。[Watton & Swaffham Times]
▼ブレックランド関連記事→2021年8月2日
アイルランド: キャバン州（County Cavan）で、これまで知られていなかった新石器時代の人工島クラノグ（crannog）3基。OpenStreetMap Ireland に携わるキルケニー州（County Kilkenny）のアン＝キャロライン・ディステル氏（Anne-Karoline Distel）が地図データを調べていて発見。[Kilkenny People]
ブラジル: ピアウイ州（Estado do Piauí）のペドラ・フラダ遺跡（Pedra Furada）で出土した5万年前の石器はオマキザルが作った。出土品と、オマキザルが作った石器を比較し、推定。従来は、北米のクローヴィス人到来以前の人類のものともみられていた。[Heritage Daily]
cf. Agustín M Agnolín and Federico L Agnolín (2022) Holocene capuchin-monkey stone tool deposits shed doubts on the human origin of archeological sites from the Pleistocene of Brazil. The Holocene. [SAGE journals]
▼ペドラ・フラダ遺跡関連記事→2021年3月11日

2022年12月30日（金）

エジプト: ルクソール（Luxor）で、第18王朝の2基の墓からミイラ60体。[La Prensa Latina]

2022年12月29日（木）

中国: 河南省洛陽市宜陽県・蘇羊遺跡で、外堀の東側から、竜山文化・4500年前の墳墓300基。[新華社]
イラン: 西アーザルバーイジャーン州（Ostān-e Āzarbāyjān-e Gharbī；West Azarbaijan）オルーミーイェ郡（Urmia）のカフリーズ村（Kahriz）で、サーサーン朝（Sassanid）の大甕。[Tehran Times]

2022年12月28日（水）

神奈川県: 厚木市・中依知遺跡（なかえちいせき）で、横穴墓。公益財団法人かながわ考古学財団の調査。[神奈川新聞]
▼中依知遺跡関連記事→2001年12月27日
宮崎県: 都城市・相原第1遺跡で、古墳時代・1600年前の地下式横穴墓。都城市教育委員会の調査。[NHK]
▼相原第1遺跡関連記事→2021年5月26日
日本学術会議: 日本学術会議は、政府による改革案に再考を求めて12/21総会で決議した声明を、国民向けに詳しく説明した文書を発表。政府案への懸念を示す。[朝日新聞]
▶声明内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」（令和4年12月6日）について再考を求めます（pdf）（2022年12月21日）
▶内閣府『日本学術会議の在り方についての方針』に関する懸念事項（第186回総会による声明に関する説明）（pdf）（2022年12月27日）[日本学術会議]
イラン: シューシュ（Shush）にある古代都市スーサ（Susa）で、サーサーン朝後期～初期イスラーム時代とみられる金属溶解炉。[Tehran Times]
▼フーゼスターン州（Ostān-e Khūzestān）
▼スーサ関連記事→2022年2月22日
エジプト: ナイルデルタ（Nile Delta）にあるテル・ティマイ遺跡（Tell Timai；Tell El-Timai）で、紀元前2世紀前半の暴力的な破壊の痕跡。焼き討ちされ、建物の中の物品が一時に廃棄され、窯や武器が破壊され、埋葬されない遺体が広範囲に散在。古代都市トムイス（Θμοῦις；Thmouis；Thmuis）が戦争にあったことを示し、ナイルデルタの別の都市リコポリス（Λυκούπολις；Lycopolis）の破壊と同時期で、ロゼッタストーン（紀元前196年）に描写された大反乱やメンフィス出土の別の碑文の記述とも対応。
cf. Jay E. Silverstein & Robert J. Littman (2022) Archaeological Correlates of the Rosetta Stone’s Great Revolt in the Nile Delta: Destruction at Tell Timai. Journal of Field Archaeology. [Taylor & Francis Online]
▼テル・ティマイ遺跡関連記事→2012年9月23日
研究不正: 山形大学有機エレクトロニクス研究センターで発覚した研究不正に関連して、新エネルギー・産業技術総合開発機構が、不正にかかわった教授に関し資金申請を4年間制限すると発表。[河北新報]
訃報: 朴亨國・武蔵野美術大学教授12/27死去。57歳。[武蔵野美術大学]
▽大加耶の故地、慶尚北道高霊郡の生まれ。57歳だなんて、まだ若い。

2022年12月27日（火）

福井県: 福井市・福井城（ふくいじょう）のは三の丸と武家屋敷をつなぐ「下馬門」にかかっていた土橋の石垣を新たに発見。福井市教育委員会の調査。[NHK]
日本学術会議: 日本学術会議について政府が今月示した組織改革方針に対し、研究者や有識者でつくる「学問と表現の自由を守る会」が「学術会議の独立性と学問の自由を侵害するもの」だとして反対し、撤回を求める声明を発表した。[朝日新聞]
ヨルダン: ペトラ遺跡（Πέτρα；Petra）で、洪水により観光客が避難。[itv]
トルコ: ヨズガト県（Yozgat il）のウシャクル・ヒュユク遺跡（Uşaklı Höyük）で、主たる神殿の北側にヒッタイト時代の円形建物跡。従来から神殿や砦とみられる建物、楔形文字、土器なども出土しており、ウシャクル・ヒュユク遺跡がヒッタイトの都市ジップパランダ（Zippalanda）であるとの説を補強。[Heritage Daily]
▼ウシャクル・ヒュユク遺跡関連記事→2021年9月14日
ウクライナ: ヘルソン市（Херсон；Kherson）のヘルソン州立博物館、ヘルソン州立美術館、聖カテリーナ大聖堂、ヘルソン州国立公文書館で、戦争中にロシア軍が所蔵品を盗難。[AFPBB]
UK（イングランド）: ノーフォーク州バーストン（Burston）で、ローマ時代の金製耳飾。[BBC]

2022年12月26日（月）

岡山県: 矢掛町・毎戸遺跡（まいどいせき）で、奈良時代～平安時代初め・8世紀中ごろ～9世紀前半の建築部材「斗」（ます）と「頭貫」（かしらぬき）。寺院に匹敵する大型建物が存在した可能性。古代山陽道に置かれた駅家跡と推定される遺跡。矢掛町教育委員会12/26発表。[毎日新聞]
▼毎戸遺跡関連記事→2022年11月23日
イラン: シスタン・バルチスタン州（Ostān-e Sīstān-o Balūchestān）・シャフレ・ソフテ遺跡（Shahr-e Sukhteh）＝「燃えた街」（Burnt City）にあるタペ・ダシュト（Tapeh Dasht）で、5000年前の土器に残された指紋。土器の内部には種子。[Tehran Times]
スペイン: ピレネー山脈（Pyrenees）の西端カンタブリア地域と東端カタルーニャ地域の合計11遺跡から出土したマドレーヌ文化（Magdalenian）・21000年前～13000年前（cal BP）のトナカイの角36点を分析。イベリア半島北部に共通したトナカイ角産業が存在し、トナカイの角を武器づくりや道具作りに日常的に用いた。ピレネー山脈とカンタブリア地域に長距離間の結びつきがあった。カタルーニャには北ピレネーからトナカイの角や毛皮が輸入された。
cf. A. Lefebvre, J.-M. Pétillon, M. Cueto, E. Álvarez-Fernández, P. Arias, R. Ontañón, E. Berganza, A. B. Marín-Arroyo (2023) New insights into the use and circulation of reindeer antler in northern Iberia during the Magdalenian (ca. 21-13 cal ka BP). Journal of Archaeological Science, Volume 150, February 2023, 105708. [ScienceDirect]
アイルランド: スライゴ州（County Sligo）キャロウガーリー（Carrowgarry）で前期中世・5～6世紀の石棺墓。成人男性を葬る。[Agriland]
エジプト: エスナ（Esna）にあるクヌム神（Khnum）の神殿で、プトレマイオス朝の建物、ローマ時代の浴場など。[Heritage Daily]
▼エスナの神殿関連記事→2022年9月16日

2022年12月25日（日）

フランス: ル・クロー（Le Claux）のカルスト洞窟で出土した、飲料水を集めるための新石器時代の土器について、自然の摩耗とヒトの使用による摩耗を識別。また、内容物として酸性の液体を貯蔵していたことを指摘。
cf. Pauline Debels, Philippe Galant, Philippe Vernant (2023) Drinking in the dark. A new method to distinguish use-alteration from natural alteration on Neolithic pots and evidence of acid liquid storage in karstic cave contexts. Journal of Archaeological Science, Volume 150, February 2023, 105706. [ScienceDirect]
スペイン: カンタブリア州（Cantabria）ルエスガ（Ruesga）のアスピオ洞窟（cueva del Aspio）で、鉄器時代末・紀元前2世紀～前1世紀の儀式の存在を表す動物遺体や土器、剣、櫛。人骨はないので葬送とはみなされない。[El Español]
デンマーク: ユトランド半島（Jutland）北部のフネ（Hune）でヴァイキングの集会所。長さ40m、幅8～10m。10世紀後半～11世紀初め、ハラール1世青歯王（Harald Blåtand；Harald Bluetooth）の時代に当たる。付近で見つかったルーン文字の碑文と関連する可能性も。北ユラン博物館（Nordjyske Museer）の調査。
▶Vikingehal fra Harald Blåtands tid dukket op ved Hune [Nordjyske Museer]

2022年12月24日（土）

川崎市: 川崎市市民ミュージアム元副館長が、指定管理者制度の導入後に雇い止めされたとして地位確認などを求めた訴訟で、東京高裁で和解が成立。弁護団は元副館長側の実質勝訴と形容。元副館長「市民の文化は守り育てていかなければならない。それをつなげる学芸員を有期雇用などにするのはおかしい。川崎市は営利企業に指定管理を任せたことやその後の浸水被害も含め、検証し直してほしい」[東京新聞]
長崎県: 南島原市で、弥生時代中期の甕棺3基のほか、石蓋土坑墓や土坑墓。南島原市教育委員会の調査。[長崎新聞]
トルコ: キュタヒヤ県（Kütahya il）チャウダルヒサール郡（Çavdarhisar）の古代都市アイザノイ遺跡（Αιζανοι；Aizanoi）で、2100年前のエロス、デュオニソス、ヘラクレスなどの彫像。[Daily Sabah]
スロバキア: ニトラ県（Nitra）のヴィーチピ・オパトフツェ墓地（Výčapy-Opatovce）の前期青銅器時代・ニトラ文化（Nitra-Kultur；Nitra culture）の墓地の2つの区画は、放射性炭素年代から見て、連続して営まれたものではく、同時期。副葬品の違いは年代差ではなく、社会的な要因によるもの。
▶Neue Interpretation eines 4.000 Jahre alten Gräberfelds [Archaeologie Online]
cf. Fynn Wilkes, Henry Skorna (2022) The Dawn of the Early Bronze Age in South-Western Slovakia. A Re-Evaluation of the Social Structure and Chronology of Výčapy-Opatovce. Slovenská archeológia, vol. LXX, no.1, pp. 63-80. 1335-0102. 30.06.2022 [Slovenská akadémia vied]
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）ミンデン（Minden）で、中世集落ディディングハウゼン（Didinghausen）の調査中、鉄器時代・紀元前5世紀～前1世紀の火葬墓12基を確認。
▶Eisenzeitliches Brandgräberfeld bei Minden entdeckt [Archaeologie Online]
USA: アイダホ州（State of Idaho）クーパーズ・フェリー（Cooper's Ferry）で、15700年前の尖頭器（projectile point）13点。北米に多いクローヴィス・ポイントを3000年さかのぼり、クーパーズ・フェリーでの出土例よりも2300年古い。アメリカ大陸最古の尖頭器。北海道の20000年前～16000年前の尖頭器に似る。
▶Oregon State archaeologists uncover oldest known projectile points in the Americas [Oregon State University]
cf. Loren G. Davis, David B. Madsen, David A. Sisson, Lorena Valdivia-Becerra, Thomas Higham, Daniel Stueber, Daniel W. Bean, Alexander J. Nyers, Amanda Carroll, Christina Ryder, Matt Sponheimer, Masami Izuho, Fumie Iizuka, Guoqiang Li, Clinton W. Epps, And F. Kirk Halford (2022) Dating of a large tool assemblage at the Cooper’s Ferry site (Idaho, USA) to ~15,785 cal yr B.P. extends the age of stemmed points in the Americas. Science Advances, Vol 8, Issue 51. [Science Advances]
▼クーパーズ・フェリー関連記事→2019年8月30日

2022年12月23日（金）

三重県: 鈴鹿市・富士山1号墳（ふじやまいちごうふん）で、旧石器時代・2万年前の国府型ナイフ形石器。鈴鹿市の調査。[中日新聞]
▼富士山1号墳関連記事→2022年12月6日
中国: 内モンゴル自治区オルドス市（鄂爾多斯市）の東オラーンムレン川（東烏蘭木倫河）流域で、旧石器時代の遺跡99か所。[中国新聞網]
中国: 湖北省天門市・石家河遺跡で、大型墓から4500年以上前のヒトの頭骨。[網易]
ドイツ: ニーダーザクセン州（Land Niedersachsen）シェーニンゲン（Schöningen）の12 II-1 and 12 Bで、前期旧石器時代・32万年前にクマの骨。骨に見られる薄いカットマークから見て、人類によるクマ皮の利用の証拠。
cf. Ivo Verheijen, Britt M. Starkovich, Jordi Serangeli, Thijs van Kolfschoten, Nicholas J. Conard (2022) Early evidence for bear exploitation during MIS 9 from the site of Schöningen 12 (Germany). Journal of Human Evolution. [ScienceDirect]
▼シェーニンゲン遺跡関連記事→2022年12月16日
ドイツ: ノルトライン＝ヴェストファーレン州（Land Nordrhein-Westfalen）ゾースト郡（Kreis Soest）リップシュタット（Lippstadt）で、石器時代・4500年前の鏃[Westfalen-Blatt]
オランダ: ヘルダーラント州（Gelderland）ゼーフェナール（Zevenaar）のHerwen-Hemelingで、ローマの防衛線防衛線リメス近くのローマ時代の神殿から、遺物8万点。[Dutch News]
▼Herwen-Hemeling関連記事→2022年6月20日
ペルー: チンチャ渓谷（Chincha Valley）の100以上先住民の納骨所チュルパ（chullpa）で出土した1000年～1825年の人骨数百体のうち、頭蓋骨25点を含む38遺物を分析。赤い塗料はさまざまで、また、特定の人物だけに塗られていた。24試料はヘマタイトなどの鉄を基本とした黄土、13試料は辰砂（Cinnnabar）、1試料ではその両者が検出された。辰砂は数百マイルの遠方からもたらされ、ヘマタイトは地元産。エリート層と非エリート層がそれぞれの赤色顔料を用いた。赤く塗られているのは大半が成人男性だが、女性や子供の例もある。[LiveScience]
cf. Jacob L. Bongers, Vanessa Muros, Colleen O'Shea, Juliana Gómez Mejía, Colin A. Cooke, Michelle Young, Hans Barnard (2022) Painting personhood: Red pigment practices in southern Peru. Journal of Anthropological Archaeology, Volume 69, March 2023, 101480. [ScienceDirect]

2022年12月22日（木）

北海道: 浦幌町・オタフンベチャシ跡が海に侵食される恐れがあるとして、町内のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」が保全を求める要望書を文化庁、北海道、浦幌町に提出へ。[北海道新聞]
茨城県: 結城市・結城廃寺跡（ゆうきはいじあと）で、8世紀前半ごろの鴟尾のひれに当たる部分の破片や、僧坊と講堂を結ぶ9税紀前半ごろの屋根付きの廊下「軒廊」跡を発見。結城市教育委員会の調査。12/25現地説明会。[茨城新聞]
▼結城廃寺跡関連記事→2022年12月18日
香川県: 丸亀市・岡遠田遺跡（おかとおだいせき）・岡遠田南遺跡（おかとおだみなみいせき）で、弥生時代後期～集落期の集落。香川県埋蔵文化財センターの調査。1/29現地説明会。
▶ [香川県埋蔵文化財センター]
南コーカサス: 前期青銅器時代・クラ・アラクセス文化（Kura-Araxes culture）・紀元前3500/3350年～前2500年に用いられた土器に吸収された脂質をを分析し、食生活を復元。アルメニアのクラ・アラクセス文化の集落では、肉と植物部の加工、酪農などを混合した経済。
cf. Nyree Manoukian, Helen L. Whelton, Julie Dunne, Ruben Badalyan, Adam T. Smith, Hakob Simonyan, Mitchell S. Rothman, Arsen Bobokhyan, Roman Hovsepyan, Pavel Avetisyan, Richard P. Evershed, A. Mark Pollard (2022) Diverse dietary practices across the Early Bronze Age ‘Kura-Araxes culture’ in the South Caucasus. PLOS ONE, 17(12): e0278345. [PLOS ONE]
ポーランド: グダニスク（Gdańsk）で、市役所の地下から、930年代の木造の城壁。すでにスラヴ人の集落があったことを示す。グダニスクが最初に言及される997年より60年古く、ミェシュコ1世（Mieszko I；在位963～992年）によるポーランド国家の建国よりもさかのぼる。[The First News]
ノルウェー: オスロ（Oslo）ヴェストレ・アーケル（Vestre Aker）で、バイキングの火葬墓から盾やそのほかの副葬品。[Science Norway]
UK: エドワード黒太子（Edward of Woodstock；Black Prince；1330～1376）の死は慢性赤痢（Chronic Dysentery）によるものではない。マラリア、ブルセラ症、炎症性腸疾患などが原因の可能性。エドワード黒太子はエドワード3世（Edward III；在位1327～1377年）の長男。フランスとの百年戦争などで活躍したが、晩年は病に苦しんだ。1376年に45歳で死去。[Ancient Origins]
cf. James Robert Anderson, D S Burns and D N Naumann (2022) The death of the Black Prince: a case of disease in 1376 that changed the course of English history. BMJ Military Health. [BMJ Journal]
東アフリカ: 東アフリカの130地域で、オルドワン文化とアシュール文化の石器の原材料について分析。東アフリカでは火成岩を好む。アシュール文化ではオルドワン文化の原材料供給の方法を踏襲していたが、より長距離にわたって石材を移動するようになった。
cf. Julien Favreau (2022) Sourcing Oldowan and Acheulean stone tools in Eastern Africa: Aims, methods, challenges, and state of knowledge. Quaternary Science Advances. [ScienceDirect]
ペルー: ランバイエケ県（Departamento de Lambayeque；Lambayeque Region）パコラ（Pacora）のワカ・バンデラ（Huaca Bandera）で、モチーカ（Mochica）のエリートの建物遺構や人骨。[Andina]

2022年12月21日（水）

日本学術会議: 日本学術会議は、政府から示された組織改革案の法制化について、再考を求める声明を全会一致で決議。[朝日新聞]
韓国: 慶州の撥川で、新羅の王宮「月城」の北門に連なる南北大路を確認。幅20ｍ、砂利敷き。[聯合ニュース]
オーストラリア: 南オーストラリア州（South Australia）ナラボー平原（Nullarbor Plain）のクーナルダ洞窟（Koonalda Cave）の、先住民アボリジニによる30000年前の洞窟芸術が毀損される。[The Guardian]
ウクライナ: ドニプロ川（Дніпро；Dnipro；ドニエプル川）の土手で防御施設建設中に、古代ローマ時代の集落跡を発見。[CNN]
エジプト: テーベのネクロポリス（Theban Necropolis）のel-Asassifで、繊維に覆われたナイルワニ（Crocodylus niloticus）の頭を伴う墓2基。ミイラ化はしておらず、何らの保存措置も施されず。1基はメンチュヘテプ2世（Mentuhotep II）のころの高官チェティ（Ceti）の墓。もう1基は名前はわからないが王宮内の高位の人物。[Heritage Daily]
cf. Patryk Chudzik and Urszula Iwaszczuk (2022) “A Crocodile Spirit, Crocodile-Faced”: Discovery of Crocodile Remains in the Early Middle Kingdom Tombs of the North Asasif Necropolis in Western Thebes (Egypt). Journal of African Archaeology, 20(1), pp. 107-124. [BRILL]

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