2022年12月10日(土)
- 青森県
- つがる市・田小屋野貝塚(たごやのかいづか)で、縄文時代前期の竪穴建物跡が新たに3基発見。つがる市教育委員会の調査。[東奥日報]
▼田小屋野貝塚関連記事→2012年9月3日 - 青森県
- 七戸町・鉢森平(7)遺跡(はちもりたいなないせき)で、縄文時代後期の土坑から糸が巻かれた木製品。飾り弓の一部である可能性。青森県埋蔵文化財調査センターの調査。[東奥日報]
- 栃木県
- 下野市・落内遺跡(おちうちいせき:第4次調査)で、廂をもつ掘立柱建物跡。ほかに堀立柱塀跡1列、竪穴建物跡5棟、溝跡2条など。下野薬師寺跡の西側に当たり、同寺建立に関わった下毛野古麻呂を輩出した下毛野一族の邸宅の可能性。下野市教育委員会の調査。12/11現地説明会。[下野新聞]<br />▶落内遺跡第4次調査発掘現地説明会を開催します [下野市]
▼落内遺跡関連記事→2016年3月4日 - 群馬県
- 桐生市・不動穴洞穴の1970年代の発掘調査成果が、半世紀ぶりに調査団メンバーらによる自費出版で刊行。[上毛新聞]
- 福井県
- 坂井市・丸岡城(まるおかじょう)の天守北側で、採石が多数出土。曲輪を造成する過程で実施した基礎工事の跡とみられ、絵図とも合致。坂井市の調査。[日刊県民福井]
▼丸岡城関連記事→2021年10月2日 - 鹿児島県
- 徳之島で生産された中世前期の硬質陶器「カムィヤキ」は13世紀中ごろを境に製法や分布範囲が二分される。11世紀後半〜13世紀半ばのA群は高温で硬く、丁寧な仕上げ。九州西岸でも見つかり、博多との関係がうかがわれ、日宋貿易ともかかわり。13世紀後半〜14世紀前半のB群は強度が弱く、分布は奄美大島以南に限られ、在地化。のちの琉球王国の最大版図と重なる一つの経済圏・文化圏となる。[読売新聞]
- イスラエル
- テル・モサ遺跡(Tel Moza)で出土した初期ビザンティン時代・5〜6世紀の230個以上のランプの破片のうち1/3以上に指紋。指紋を分析し、工人の人数、年齢、性別などを推定。主たる工人が1名おり、ほかに1〜2人程度の工人。考古学者と警察が異例の協力。[Smithsonian Magazine]
▽異例の協力のように書いてありますが、日本では20世紀のうちから埴輪の工人論的な研究のため、警察と考古学者が協力しています。
▼テル・モサ遺跡関連記事→2020年1月6日 - ドイツ
- バイエルン州(Bayern)ノイブルク・アン・デア・ドナウ(Neuburg an der Donau)で、2400年前の城壁と石切り場。[Merkur]
- ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen)パーダーボルン(Paderborn)で、アウグストゥス帝のころにローマ軍が駐屯していたことを示すワイン貯蔵用のアンフォラ。
▶Reste römischer Luxusgüter in Paderborn gefunden[Archaeologie Online] - フランス
- パリ(Paris)のノートルダム大聖堂(Notre-Dame de Paris)の地下で見つかった鉛棺2基のうち、一方の被葬者は、銘文により1710年に83歳で亡くなったアントワーヌ・ド・ラ・ポルト(Antoine de la Porte)と判明。もう1基の鉛棺の被葬者は25〜40歳の男性。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Fouille en laboratoire des deux sarcophages de Notre-Dame de Paris [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- マドリード州(Madrid)アルカラ・ラ・ビエハ(Alcalá la Vieja)のアルカラ城(castillo de Alcalá)は、1118年にムスリムから奪回されたのち、14世紀まで3回にわたり改築し、防御的な活動に使用。[El Español]
- UK(イングランド)
- ウィルトシャー州(the county of Wiltshire)ピュージー(Pewsey)のローマ時代後期の埋納品「ピュージー・ホード」(Pewsey Hoard)の銅合金製容器を分析。無機物中に含まれる有機化合物の検出に成功。
cf. Luciana da Costa Carvalho, Richard Henry, James S. O. McCullagh & A. Mark Pollard (2022) Unlocking the organic residues preserved in the corrosion from the Pewsey Hoard vessels. Scientific Reports, volume 12, Article number: 21284.[Scientific Reports] - メキシコ
- ユカタン半島(Península de Yucatán;Yucatán peninsula)のプウク地域(Puuc)にあるオシュキントク(Oxkintok)で、頭を欠く等身大の彫像。石灰岩製で高さ1.65m。捕虜を表現したものとみられる。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。[Heritage Daily]
2022年12月9日(金)
- 茨城県
- 結城市・結城廃寺跡(ゆうきはいじあと)で奈良時代〜室町時代の寺院の軒廊や土器・瓦などの遺物。結城市教育委員会の調査。12/25現地説明会。
▶国指定史跡結城廃寺跡発掘調査現地説明会の開催 [結城市] - 埼玉県
- 東松山市内の県道冑山熊谷線バイパス建設予定地で11/28、地下の埋蔵文化財の有無を確認するため調査した際、誤って予定地に隣接する私有地を掘削。
▶埋蔵文化財確認調査における誤掘削について [埼玉県] - 奈良県
- 橿原市・四条ミサンザイ古墳で江戸時代の水田跡など。宮内庁が神武天皇陵として管理している古墳。[NHK]
- 広島県
- 東広島市・横田1号遺跡(よこたいちごういせき)で、弥生時代後期の竪穴住居跡8棟。公益財団法人広島県教育事業団埋蔵文化財調査室の調査。12/17現地説明会。
▶横田1号遺跡の現地見学会を開催します。 [東広島市]
▼横田1号遺跡関連記事→2010年12月22日 - 徳島県
- 阿波市・土成丸山古墳(どなりまるやまこふん)で、埋葬施設とみられる石材の一部や、アサガオや甲冑などをかたどった埴輪。阿波市教育委員会の調査。12/11現地説明会。[読売新聞]
▼土成丸山古墳関連記事→2020年5月15日 - 長崎県
- 壱岐市・閨繰遺跡(みやくりいせき)で、中世や弥生時代の生活遺跡。長崎県埋蔵文化財センターの調査12/17現地説明会。
▶令和4年度原の辻遺跡(閨繰遺跡)発掘調査現地説明会の開催について[長崎県] - 中国
- 河南省 南陽市 臥竜区 蒲山鎮 黄山村・黄山遺跡で仰韶文化中晩期・6000年以上前の円形や楕円形の食糧貯蔵庫16棟が狭い範囲に密集。遺跡からはイネ、アワなどの種子が出土しているが、雑草の種子は見られないことから、黄山遺跡では農業に従事せず、食料を外部から供給されていた。[新華社]
▼黄山遺跡関連記事→2020年11月25日 - ベトナム
- ロクザン(Loc_Giang)で、新石器時代・3980年前〜3270年前(cal BP)の石灰モルタル床。焼いた貝殻を用い、何層にも塗り固める。
▶ Elle Grono, Philip J. Piper, Dang Ngoc Kinh, Peter Bellwood, Tim Denham and David E. Friesem (2022) Early settlement construction in Southeast Asia: lime mortar floor sequences at Loc Giang, southern Vietnam. Antiquity, Volume 96, Issue 390, December 2022 , pp. 1538 - 1554. [Cambridge Core]
2022年12月8日(木)
- 大阪府
- 羽曳野市・峯ヶ塚古墳(みねがづかこふん)で見つかった木製品は、石見型木製品。現存長352cm、最大幅75cm、厚み8cm。大阪府下で初の出土。日本最大の大きさ。5世紀末の前方後円墳、96m。羽曳野市教育委員会の調査。12/10現地説明会。
▶ [羽曳野市]
樹種はコウヤマキ。[毎日新聞]
▼峯ヶ塚古墳関連記事→2021年12月10日 - 中国
- 長江下流の上山遺跡(Shangshan)と荷花山遺跡(Hehuashan)で出土した新石器時代早期・10000年前〜7000年前の石の剥片52点について使用痕とプラントオパールを分析。30点で、イネなどのシリカの豊富なな植物を収穫した使用痕。28点で、イネのプラントオパールを検出。稲作の最古の証拠に。古い段階では穂首刈り("finger-knife")、新しい段階では根刈り("sickle")で収穫。上山遺跡は上山文化(Shangshan)、荷花山遺跡は上山文化と跨湖橋文化(Kuahuqiao)の双方で居住。
cf. Jiajing Wang, Jiangping Zhu, Dongrong Lei, Leping Jiang (2022) New evidence for rice harvesting in the early Neolithic Lower Yangtze River, China. PLoS ONE, 17(12): e0278200. [PLOS ONE]
▼上山遺跡関連記事→2017年5月30日 - イラン
- イラン高原(Iranian Plateau)東部で、旧石器時代の遺跡176か所。特にフェルドゥース(Ferdows)、サラーヤーン(Sarayan)、カエン(Qaen)の地域で、前期旧石器時代、中期旧石器時代の居住痕跡。
cf. Ali Sadraei, Ceri Shipton, Omran Garazhian, Mahya Azar, Roghayeh Zafaranlou and Mohammad Reza Soroush (2022) Tracking Pleistocene occupation on the Eastern Iranian Plateau: preliminary results. Antiquity, First View, pp. 1 - 8. [Cambridge Core] - イスラエル
- ヤヴネ(Yavne)で、ヘレニズム時代の投石器の弾丸(sling bullet)。「ヘラクレスとハウロナスの勝利」の銘文。ヘラクレス(Heracles)とハウロナス(Hauronas)は、ヘレニズム時代のヤヴネの守護神。紀元前2世紀にセレウコス朝(Seleucids)治下のヤヴネが、ハスモン朝に対する戦争に使用。[The Jerusalem Post]
▼ヤヴネ関連記事→2021年12月1日 - トルコ
- シャンルウルファ県(Şanlıurfa)サイブルチ(Sayburç)で、新石器時代・紀元前9千年紀の公共建築物に、物語性のある場面を描いたレリーフ。
cf. Eylem Özdoğan (2022) The Sayburç reliefs: a narrative scene from the Neolithic. Antiquity, Volume 96, Issue 390, December 2022, pp. 1599 - 1605. [Cambridge Core] - フランス
- サントル=ヴァル・ド・ロワール地域圏(Centre-Val de Loire)アンドル=エ=ロワール県(Le département d'Indre-et-Loire)モンルイ=シュル=ロワール(Montlouis-sur-Loire)で、後期旧石器時代の末・ラボリアン文化(Laborien)・紀元前10550年〜前8850年のキャンプ・サイト2か所。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Deux campements paléolithiques à Montlouis-sur-Loire (Indre-et-Loire) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - UK(イングランド)
- ラトランド州(Rutland)で発見後、博物館に一時保管されていた出土品が盗難に。ローマ時代の銀貨や銀のインゴットを含む。[Daily Mail]
- UK(スコットランド)
- スターリング(Stirling)のバルフロン(Balfron)で、新石器時代・4500年前の石斧の研磨工房。[BBC]
- エリトリア
- アドゥリス(ἌδουλιςAdulis)で、初期キリスト教の教会2か所を再調査。放射性炭素年代で、ともにアクスム王国(Aksumite Kingdom)・6世紀〜7世紀初め。王国の伝統とキリスト教への改宗の双方の様相を示す。
cf. Gabriele Castiglia (2022) An archaeology of conversion? Evidence from Adulis for early Christianity and religious transition in the Horn of Africa. Antiquity, Volume 96, Issue 390, December 2022, pp. 1555 - 1573.[Cambridge Core] - USA
- フロリダ州(State of Florida)ヴォルーシャ郡(Volusia County)のデイトナビーチ(Daytona Beach)で、ハリケーン「イアン」「ニコル」の後、沈没船が露出。19世紀の長さ80〜100フィート程度の帆船の可能性。[Historic City News]
- ペルー
- ナスカ台地とナスカ市街地で、人間や鳥などの新たな地上絵168点。ドローンやAIを活用。山形大学12/8発表。[共同通信]
▶168点の新地上絵をナスカ台地とその周辺部で発見 〜新地上絵と保護〜[山形大学]
2022年12月7日(水)
- 北海道
- 函館市・五稜郭跡(ごりょうかくあと)で、築造当時の木製の「刃金板」。石垣内部への浸水を防ぐためのもの。函館市教育委員会の調査。[函館新聞]
▼五稜郭跡関連記事→2018年9月7日 - 宮城県
- 多賀城市・市川橋遺跡(いちかわばしいせき)で、9世紀後半の木製の仏像の一部とみられる木製品5点。多賀城市教育委員会12/6発表。[河北新報]
▼市川橋遺跡関連記事→2013年7月19日 - 富山県
- 富山市・明神山遺跡(みょうじんやまいせき)で、湯飲みの破片など。地名「峠茶屋」の由来になった茶屋の存在を裏付ける陶磁器。富山市埋蔵文化財センターの調査。[北陸・信越観光ナビ]
- 浜松市
- 浜松市博物館の収蔵資料が紛失し、職員が紛失事実を隠していた問題で、第三者による「博物館資料紛失再調査委員」が浜松市に12/6報告書提出。台帳不備、危機意識の欠如、縦割り組織、備品検査体制の不備、組織改編による管理能力の低下を指摘。再発防止策として、効率的な資料の保管方法構築、台帳の電子化、組織の一体感醸成などを提言。[静岡新聞]
▽原因に関する厳しい指摘の一方で、提言はやや抽象的。▽原因の中には、博物館の中の問題にとどまらないものもありそう。たとえば「組織改編による管理能力」は、浜松市の博物館政策自体の問題なのでは?
▼浜松市中区;2024年1月1日から浜松市中央区 - 鳥取県
- 琴浦町・斎尾廃寺跡(さいのおはいじあと)の北側で区画溝の跡。琴浦町の調査。12/10現地説明会。
▶斎尾廃寺跡発掘調査現地説明会の開催[琴浦町]
▼鳥取県東伯郡琴浦町
▼斎尾廃寺跡関連記事→2018年9月28日 - 研究不正
- 九州大学は、2015年に授与した博士(比較社会文化)に関して、不正行為があったとして取り消し。剽窃の通報を受けて大学側が調査し、盗用と判明。
▶博士学位授与の取消について[九州大学] - 韓国
- 慶州・皇南洞120号墳(ファンナムドン120ごうふん)は5世紀後半の新羅の積石木槨墳、直径28m。主体部は主槨と副槨からなり、主槨には鉄鋌を敷き、身長165cm以上の男性を葬る。金製耳飾、ガラス球による胸飾、銀製帯金具、鉄製大刀。銀製透彫冠飾、金銅製冠帽。冠を持たないので王ではないが、王族または貴族。墳丘に山から持ってきた土や砂を用いたことや、透彫の文様が従来新羅で類例がないことなどが特徴。皇南洞120号墳は墳丘3つがつながった形で、周辺の120-1号墳、120-2号墳はすでに調査され、中央の120号墳だけが未調査だった。文化財庁12/7発表。[聯合ニュース]
慶州 皇南洞120号墳は皇南大塚北墳と天馬塚の間に当たり、金冠塚の時期、5世紀後半。
▶慶州皇南洞120号墳発掘現場公開説明会(12.8)[文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
▼新羅IIB期。 - ドイツ
- ザクセン州(Freistaat Sachsen)デーベルン(Döbeln)で、前期新石器時代・紀元前5500年〜前4500年の集落跡。刺突文土器文化(Stichbandkeramische Kultur;Stroke-ornamented ware culture)・紀元前4900年〜前4500年の建物跡を確認。[Die Zeit]
- デンマーク
- コペンハーゲン首都圏(Region Hovedstaden)イーデール市(Egedal)のスティーンリュース・ムーゼ(Stenløse Mose)で、沼からヒトの全身の遺体。[The Copenhagen Post]
- UK(イングランド)
- ノーサンプトンシャー州(the county of Northamptonshire)ハーポール(Harpole)で、前期中世・サクソン時代・1300年前の高位の女性の墓から金と宝石、ガラス、ローマ時代の硬貨などで作ったネックレス。金属製容器や銀の十字架も出土。Museum of London Archaeology (Mola)の調査。[Heritage Daily]
2022年12月6日(火)
- 福島県
- 三島町・大谷川の河床で発見された埋もれ木4本の分析から、沼沢湖カルデラを形成した「沼沢火山」の噴火は5500年前に起きたと推定。[河北新報]
- 三重県
- 鈴鹿市・富士山1号墳(ふじやまいちごうふん:第2次調査)で、年代・規模・構造が明らかに。造出で埴輪列や須恵器、墳丘で葺石を確認。鈴鹿市考古博物館の調査。12/10現地説明会。
▶富士山(ふじやま)1号墳 第2次調査発掘調査 現地公開について [鈴鹿市考古博物館 (@suzukakokohaku1)]
▼富士山1号墳関連記事→2022年10月28日 - 韓国
- 慶尚北道 郡山市 沃島面の古郡山群島の海域の水中から、高麗青磁や砥石が大量に出土。国立海洋文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
- ドイツ
- カルクリーゼ(Kalkriese)で出土したローマ時代の金属遺物について、微量元素によって特徴を抽出し、ローマの各軍団を識別。第19軍団が以前駐屯した南ドイツのダングシュテッテン(Dangstetten)の出土遺物と共通の組成。ローマの第19軍団が駐屯していた証拠。カルクリーゼがトイトブルク森の戦い(Varusschlacht;Teutoburg battle;西暦9年)の故地であることを実証。
▶Abschluss von Forschungsprojekt zu Varusschlacht [Deutsches Bergbau-Museum Bochum]
軍団ごとに鍛冶工人がいて修理や交換に当たっていたが、軍団ごとに技術が異なるため、異なる組成となった。ローマの第19軍団はアウグストゥスが紀元前41/40年に創設。紀元後9年のトイトブルク森の戦いで壊滅。[Heritage Daily]
ニーダーザクセン州(Land Niedersachsen)オスナブリュック郡(Landkreis Osnabrück)ブラームシェ(Bramsche) - メキシコ
- カラクムル遺跡(Calakmul)の規模が最新技術LIDARにより、従来考えられていた3倍の65平方マイルと判明。また、調査の過程でカラクムル遺跡と同様の規模の別の集落Yaxnohcahを発見。[Yucatán Magazine]
cf. Richard D. Hansen, Carlos Morales-Aguilar, Josephine Thompson, Ross Ensley, Enrique Hernández, Thomas Schreiner, Edgar Suyuc-Ley and Gustavo Martínez (2022) LiDAR analyses in the contiguous Mirador-Calakmul Karst Basin, Guatemala: an introduction to new perspectives on regional early Maya socioeconomic and political organization. Ancient Mesoamerica, First View, pp. 1 - 40. [Cambridge Core]
▼カラクムル遺跡関連記事→2021年3月23日
2022年12月5日(月)
- 三重県
- 明和町・斎宮跡(さいくうあと)で、方格街区外から新たに奈良時代後期〜平安時代前期の掘立柱建物4棟が新たに見つかる。[中日新聞]
- 長崎県、熊本県
- 長崎県で17か所、熊本県天草市で3か所の疱瘡墓を確認。江戸時代に天然痘の発症を理由に山中などに隔離され、その後亡くなった人を埋葬。[読売新聞]
- 沖縄県
- 浦添市・浦添城跡(うらそえじょうあと)で、14世紀後半の石積み城壁。布積み技法で最大13段。浦添市教育委員会の調査。12/11現地説明会。[QAB琉球朝日放送]
▶12/11(日)浦添城跡発掘現場見学会 開催!! [浦添市]
▼浦添城跡関連記事→2018年1月18日 - ポーランド
- ウェクノ(Łekno)の修道院近くの墓地で見つかった中世・9〜11世紀の男性人骨に骨系統疾患(skeletal dysplasia)の一つ、軟骨無形成症(Achondroplasia)と、レリーワイル症候群(Léri–Weill dyschondrosteosis)との合併症による小人症(dwarfism)。[LiveScience]
cf. Magdalena D. Matczak, Marta Krenz-Niedbała, Sylwia Łukasik, Jane E. Buikstra, Andrzej Marek Wyrwa, Jessica Pearson (2022) Skeletal dysplasia of an adult male from medieval Łekno in Poland, Central Europe. International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library]
2022年12月4日(日)
- スーダン
- カドルカ墓地(Kadruka)で出土した4000年前の自然にミイラ化した遺体の毛髪から、DNAの抽出に成功。ナイル中流域のヒトが、2500km離れた東アフリカの前期新石器時代の牧畜民と遺伝的に区別しことがわかる。アフリカでは高温のためDNAが保存しにくかった。
cf. Ke Wang, Madeleine Bleasdale, Charles Le Moyne, Cacilia Freund, Johannes Krause, Nicole Boivin & Stephan Schiffels (2022) 4000-year-old hair from the Middle Nile highlights unusual ancient DNA degradation pattern and a potential source of early eastern Africa pastoralists. Scientific Reports, volume 12, Article number: 20939. [Scientific Reports]
2022年12月3日(土)
- 北海道
- 共和町の山中で、松浦武四郎が1857年に踏査したルートとして有力な場所を確認。[北海道新聞]
- 群馬県
- みどり市・岩宿遺跡(いわじゅくいせき)を発見した相沢忠洋氏(1926〜1989)の発掘資料7万点がみどり市に寄贈へ。[朝日新聞]
- オランダ
- オメン自治体(Ommen)のオンメルスカンス(Ommerschans)で出土した青銅器時代・紀元前1500年〜前1300年の剣を分析。イングランド南部で製作されたとみられる。ライデンの国立古代博物館(Rijksmuseum van Oudheden)所蔵。[Universiteit Leiden)]
- Netflix
- アメリカ考古学協会(Society for American Archaeology)が、Netflixとテレビ制作会社ITNに対し、新シリーズ「Ancient Apocalypse」を「フィクション」に分類しなおすよう公開書簡。番組のもとになったグラハム・ハンコック氏(Graham Hancock)の半知性主義を指摘するとともに、先住民の文化を白人のアトランティス人のものとみなす人種差別的な言説も指摘。[artnet]
Netflixの新シリーズ「Ancient Apocalypse」は、考古学者の仕事への信頼を損なうとともに、人種差別的なイデオロギーに沿っている。ドキュメンタリーではなく「Science Fiction」に分類しなおすことを要求する。
▶SAA Sends Letter to Netflix Concerning "Ancient Apocalypse" Series
▶公開書簡のPDF[Society for American Archaeology]
2022年12月2日(金)
- 韓国
- 全羅南道 霊岩郡 郡西面 馬山里・馬山里土器窯跡(マサンリどきようせき)で、統一新羅時代・8世紀を中心とした大規模な土器生産遺跡。窯6基と遺物廃棄場。土器には印花文、点列文なども施文。[全南インターネット新聞]
- 中国
- 吉林省 農安県 小城子村・囲子里遺跡で青銅器時代の100点以上の遺物。青銅器時代から早期鉄器時代まで、嫩江流域の古城文化、白金宝文化、漢書二期文化、松花江流域の田家垞子類型に当たる。[新華社]
- イスラエル
- ガリラヤ湖畔のティベリア(Τιβεριάς;Tiberias)で、ローマ時代・1800年前の道路。長さ82フィート、幅30フィートを確認。ハドリアヌス帝のとき建設が始まる。[The Media Line]
- フランス
- ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏(Bourgogne-Franche-Comté)コート=ドール県(Côte-d'Or)ディジョン(Dijon)のシャンモル修道院(Chartreuse de Champmol)跡で、庭園、ワイン圧搾機や貯水槽など。修道院は1383年創設。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Vestiges du jardin de la Chartreuse de Champmol à Dijon (Côte-d'Or)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - イベリア半島
- イベリア半島南西部の埋葬遺跡で4000枚以上出土している銅石器時代・5400年前〜4750年前のフクロウのような線刻をもつ石板のうち100枚を分析、4〜3歳児の絵と比較し、石板は子供のおもちゃだった可能性。[Heritage Daily]
cf. Juan J. Negro, Guillermo Blanco, Eduardo Rodríguez-Rodríguez & Víctor M. Díaz Núñez de Arenas (2022) Owl-like plaques of the Copper Age and the involvement of children. Scientific Reports, volume 12, Article number: 19227. [Scientific Reports] - UK(イングランド)
- ベッドフォードシャー州(Bedfordshire)とケンブリッジシャー州(Cambridgeshire)の間で、鉄器時代・紀元前800年〜紀元後43年の饗宴跡。土器や獣骨、焼けた石が入った穴。Museum of London Archaeology (Mola)の調査。[Express]
- エジプト
- ファイユーム地方(Fayoum)のゲルザ遺跡(Gerza)で、グレコローマン時代の大規模な葬祭建造物。多数のファイユーム肖像画や、イシス・アフロディテの土製像など出土。[Egypt Today]
2022年12月1日(木)
- 大阪府
- 大阪府立弥生文化博物館、大阪府立近つ飛鳥博物館、大阪府立近つ飛鳥風土記の丘の令和5年度以降の指定管理者を大阪府が8月から募集していたが応募がなく、12/1から再公募。
▶大阪府立弥生文化博物館、大阪府立近つ飛鳥博物館及び大阪府立近つ飛鳥風土記の丘の指定管理者の再公募について [大阪府] - 中国
- 山西省 運城市 聞喜県 河底鎮 酒務頭村・酒務頭商代墓地で、商(殷)晩期の墓地。青銅器に「匿」の銘文があり、「匿」氏族の墓とみられる。[中国新聞網]
- トルコ
- ウルブルン(Uluburun)沖の沈没船から出土した後期青銅器時代の錫を分析。錫のうち1/3はウズベキスタンのムシストン鉱山(Мушистон;Mušiston)に由来。残る2/3は、以前の研究で示唆されたトルコ、トロス山脈(Toros Dağları;Taurus Mountains)のケステル鉱山(Kestel)のもの。従来はインゴットが「牛革形」だったためキプロス産との説もあった。
▶Findings from 2,000-year-old Uluburun shipwreck reveal complex trade network [Washington University in St. Louis]
cf. WAYNE POWELL, MICHAEL FRACHETTI, CEMAL PULAK, H. ARTHUR BANKOFF, GOJKO BARJAMOVIC, MICHAEL JOHNSON RYAN MATHUR, VINCENT C. PIGOTT, MICHAEL PRICE, AND K. ASLIHAN YENER (2022) Tin from Uluburun shipwreck shows small-scale commodity exchange fueled continental tin supply across Late Bronze Age Eurasia. Science Advances, Vol 8, Issue 48. [Science Advances]
▼ウルブルン沈没船関連記事→2022年2月8日 - トルコ、ギリシャ、イラク
- 前期青銅器時代・紀元前2500年〜前2000年の遺物61点を分析。トルコのトロイ遺跡(Troy)の金製品を分析。ギリシャ、レムノス島のポリオクニ遺跡(Πολιόχνη;Poliochne;Poliochni)、イラクのウル(Ur)の王墓、さらにジョージアの金と同じ産地に由来。[Heritage Daily]
cf. Moritz Numrich, Christoph Schwall, Nicole Lockhoff, Kostas Nikolentzos, Eleni Konstantinidi-Syvridi, Massimo Cultraro, Barbara Horejs, Ernst Pernicka (2022) Portable laser ablation sheds light on Early Bronze Age gold treasures in the old world: New insights from Troy, Poliochni, and related finds. Journal of Archaeological Science, Volume 149, January 2023, 105694. [ScienceDirect] - ルーマニア
- ビストリツァ渓谷(Bistrița valley)のピアトラ・ネアムツ(Piatra Neamț)で2019年に出土した後期旧石器時代の女性像。ルーマニアでは初。
cf. Elena-Cristina Nițu, Randall White, Marin Cârciumaru, Ovidiu Cîrstina, Florin-Ionuț Lupu, Marian Leu, Mihai Straticiuc, Tiberiu Bogdan Sava, Adrian Bălășescu, Mihaela Manea, Stelian Grigore, Robert Sîrbu (2022) A new Palaeolithic female figurine from Piatra Neamț, Romania. L'Anthropologie. [ScienceDirect]
▼ピアトラ・ネアムツ遺跡関連記事→2019年12月12日 - ドイツ
- テューリンゲン州(Freistaat Thüringen) エアフルト(Erfurt)のユダヤ人墓地で、墓47基を調査し、33人の歯からDNA抽出。14世紀のアシュケナージ・ユダヤ(Ashkenazi Jews)は、現代のアシュケナージ・ユダヤと共通の先祖を持つが、中世は遺伝的に多様だったが、西暦1000年ごろに、人口減少。[LiveScience]
cf. Shamam Waldman, Daniel Backenroth, Éadaoin Harney, Stefan Flohr, Nadia C. Neff, Gina M. Buckley, Hila Fridman, Ali Akbari, Nadin Rohland, Swapan Mallick, Iñigo Olalde, Leo Cooper, Ariel Lomes, Joshua Lipson, Jorge Cano Nistal, Jin Yu, Nir Barzilai, Inga Peter, Gil Atzmon, Harry Ostrer, Todd Lencz, Yosef E. Maruvka, Maike Lämmerhirt, Alexander Beider, Leonard V. Rutgers, Virginie Renson, Keith M. Prufer, Stephan Schiffels, Harald Ringbauer, Karin Sczech, Shai Carmi, David Reich (2022) Genome-wide data from medieval German Jews show that the Ashkenazi founder event pre-dated the 14th century. Cell [Cell] - スウェーデン
- ヴァールベリ(Varberg)で、中世・14世紀の商業船=コグ船(cog ship)2隻を発見。年輪年代法により、一方の船の木材は1346年以降に現在のオランダ、ベルギー、北東フランスに当たる地域で伐採。多宝の船の木材は北ポーランドで1355〜1357年に伐採。コグ船は12世紀のフリースラントに始まり、13世紀にヴァイキング船にとってかわる。[Heritage Daily]
- アイスランド
- スルツヘトリル洞窟(Surtshellir)のヴァイキング時代の遺構から出土した金色の遺物が雄黄(orpiment)であることが判明。ヴァイキング時代の雄黄は、スルツヘトリルのほか、ゴーム王墓とゴクスタ船葬墓(Gokstad)でのみ知られているが、中世では最も遠方まで輸送されている。
cf. Kevin P. Smith, Guðmundur Ólafsson (2022) All that glitters is not gold: Multi-instrumental identification of Viking Age orpiment (As2S3) from Surtshellir cave, Iceland. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 47, February 2023, 103724. [ScienceDirect]
▼スルツヘトリル関連記事→2021年4月26日
▼ゴクスタ関連記事→2020年9月15日 - ボリビア
- リャノス・デ・モホス地域(Llanos de Mojos)で畑の近くの人が住む森林から出土した土器片65点に付着したデンプン粒の分析。ヨーロッパ人来航以前のアマゾンで多様な植物資源が利用されていた可能性を示す。
cf. Danielle N. Young, Neil A. Duncan, John H. Walker (2022) Starch grain analysis of ceramic residue from forest islands associated with raised fields in west central Mojos, Bolivia. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 47, February 2023, 103761. [ScienceDirect]
▼リャノス・デ・モホス地域関連記事→2022年5月26日
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