2024年2月29日(木)
- 兵庫県
- 川西市・加茂遺跡(かもいせき)で、弥生時代中期後半の焼失竪穴建物跡、大形掘立柱の柱跡の可能性のある大形土抗、溝、柱穴など。川西市の調査。3/9現地説明会。
▶ 加茂遺跡発掘調査の現地説明会を開催します[川西市]
▼加茂遺跡関連記事→2012年3月10日 - 奈良県
- 斑鳩町・法隆寺周辺遺跡で、若草伽藍の南方を区画する東西方向の溝約16m分。7世紀前半の瓦や焼けた壁土片が出土。『日本書紀』に記された670年の焼失記事と合致。斑鳩町2/29発表。3/3現地説明会。[奈良新聞]
- 奈良県
- 明日香村・石神遺跡(いしがみいせき)で、7世紀前半の区画の南西隅を示す塀や石組溝を確認。奈良文化財研究所2/29発表。3/2現地説明会。[奈良新聞]
- 島根県
- 大田市・川合神社周辺遺跡で、7世紀後半〜8世紀後半の大規模集落。縄文時代、弥生時代、中世の土器や住居跡も出土。3/2現地公開。[山陰中央新報]
▶ 川合神社周辺遺跡発掘調査現地公開 [大田市] - 島根県
- 大田市・石見銀山遺跡(いわみぎんざんいせき)で2023年3月に、川沿いの柵が壊れ、女性が転落して死亡した事故で、大田市と遺族が和解。[NHK]
- 北九州市
- 門司区で出土した明治時代の鉄道遺構に関し、北九州市は、文化財指定による開発制限を避けるために、指定の前提となる学術的評価「価値付け」をしないまま、福岡県教育委員会に発掘成果を報告していた。[西日本新聞]
- 中国
- 河南省 永城市・王荘遺跡で、新石器時代・大汶口文化の玉で作った仮面「玉面飾」。西周時代のものに似る。[中国新聞網]
- 中国
- 安徽省 合肥市 蜀山区 小廟鎮・廟東郢東南遺跡で、旧石器時代の遺物。[新華社]
- イタリア
- ロンバルディア州(Regione Lombardia)ブレシア県(Provincia di Brescia)のカモニカ谷(Val Camonica)にあるチヴィダーテ・カムーノ(Cividate Camuno)で出土した動物遺体を分析。後期旧石器時代と中石器時代とで狩猟の戦略が異なり、環境の変化を反映。
▶ Fabio Bona, Raffaella Poggiani Keller (2024) Hunter-gatherers between the Late Glacial and the beginning of the Holocene in northwestern Italy: Animal exploitation at Cividate Camuno (Valle Camonica - Lombardy, Brescia). Quaternary International. [ScienceDirect] - ポーランド
- クヤヴィ・ポモージェ県(Województwo kujawsko-pomorskie)ヘウムノ(Chełmno)のパポヴォ・ビスクピエ遺跡(Papowo Biskupie)で、ラウジッツ文化(Kultura łużycka;Lusatian culture)の様式で埋葬された紀元前1000年〜前450年ごろ人骨。生贄とみなされる。また、鉄器時代以前の金属器も多数盂出土しており、生贄の風習の後は青銅器を奉納したとみられる。ラウジッツ文化は原スラブ人と考えられており、スラブ人が紀元1千年紀後半にポーランドに定着したという従来説を揺るがす。[Nauka w Polsce]
▼パポヴォ・ビスクピエ関連記事→2024年1月24日 - フランス
- ブルターニュ(Bretagne)のテヴィエック遺跡(Téviec)、エディック遺跡(Hœdic)、シャンピニー遺跡(Champigny)で出土した、後期中石器時代の狩猟採集社会の最終段階の人骨10体について遺伝子調査。族外婚を行うグループに属しており、集団規模は小さいが血縁関係が薄いことによって、近親婚を避けていた。しかし、同時期に登場する農耕民とは関連がなく、族外婚の範囲は狩猟採集民の範囲内だった。
▶ Luciana G. Simões, Rita Peyroteo-Stjerna, Grégor Marchand, Carolina Bernhardsson, Amélie Vialet, Darshan Chetty, Erkin Alaçamlı, Hanna Edlund, Denis Bouquin, Christian Dina, Nicolas Garmond, Torsten Günther, and Mattias Jakobsson (2024) Genomic ancestry and social dynamics of the last hunter-gatherers of Atlantic France. Proceedings of the National Academy of Sciences, 121 (10) e2310545121. [PNAS] - フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France) イヴリーヌ県(Yvelines)サルトルービル(Sartrouville)のレ・ムーラン遺跡(Les Moulins)で、風車と製粉所跡。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Archéologie d'un moulin à vent à Sartrouville (Yvelines) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- 東部ピレネー山脈のロック・デ・レス・オレネテス遺跡(Roc de les Orenetes)で出土した後期銅石器時代〜前期青銅器時代の人骨61体について、死亡年齢、性別、死亡直前の負傷を調査。6体に死亡直前の負傷。大半が男性。26個の骨に49か所の傷があり、48か所は鋭利な傷、残る1か所は鈍器による打撃。傷の多くは上肢と肋骨に前後からくわえられた。個人間暴力を示す。
▶ Miguel Ángel Moreno-Ibáñez, Palmira Saladié, Iván Ramírez-Pedraza, Celia Díez-Canseco, Juan Luis Fernández-Marchena, Eni Soriano, Eudald Carbonell, Carlos Tornero (2024) Death in the high mountains: Evidence of interpersonal violence during Late Chalcolithic and Early Bronze Age at Roc de les Orenetes (Eastern Pyrenees, Spain). American Journal of Biological Anthropology, Early View. [Wiley Online Library]
2024年2月28日(水)
- 宮城県
- 東松島市・赤井官衙遺跡(あかいかんがいせき)で、材木塀跡や大溝跡を遺跡北部でも確認。これまで遺跡南東部では見つかっていた。区画の範囲は東西1km以上、南北700m以上に。東北最大級の城柵。東松島市教育委員会の調査。2/25現地説明会。[河北新報]
▼赤井官衙遺跡関連記事→2023年11月17日 - 佐賀県
- 白石町・須古城跡(すこじょうあと)で、大量の瓦出土。戦国大名の居城から瓦が見つかるのは稀。鳥栖市勝尾城から出土した瓦と同一の型でつくられた軒平瓦も。須古城は戦国大名・龍造寺隆信の居城。白石町の調査。[サガテレビ]
- インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)チェンガルパットゥ郡(Chengalpattu)で新石器時代の小児墓。[The New Indian Express]
- オマーン
- マシーラ島(Maṣīrah)とアル・ハラーニヤー島(Al-Ḥallāniyah)で、新石器時代の貝製ビーズ工房。穿孔のための加工具など出土。
▶ Rémy Thomas, Rémy Crassard, Jérémie Vosges, Vincent Charpentier (2024) Neolithic stone tool and shell bead production from Maṣīrah and Al-Ḥallāniyah islands (Oman). Arabian Archaeology and Epigraphy, Early View. [Wiley Online Library] - パレスチナ
- (東)エルサレムの嘆きの壁広場(Western wall plaza)で、第一神殿時代・2700年前の土製印章。[Heritage Daily]
- トルコ
- ビュクリュカレ遺跡(Büklükale)で出土したヒッタイト・33000年前の楔形文字の粘土板にフルリ語による最高神だった雷神「テショブ」への祈りと呼びかけの内容。[朝日新聞]
▼ビュクリュカレ遺跡関連記事→2023年6月19日 - ギリシャ
- 古代都市メッセネ(Μεσσήνη;Messene)で出土した後期ローマ時代の邸宅のモザイク床で用いられたモルタルを分析。
▶ Elisavet Mantzana, Eleni Zimi, Anastasios Kazolias, Ioannis Iliopoulos (2024) The analysis of floor mosaic mortar substrates of Ancient Messene, southern Peloponnese, Greece. First results of materials identification and technological characteristics research. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 54, April 2024, 104448. [ScienceDirect] - ポーランド
- トルン(Toruń)で、中世の塔跡から、12世紀末〜13世紀初めごろの土製のおもちゃのウマ。ほかに土器片、骨製鞘、琥珀の指輪など。[Knewz]
- ドイツ
- バート・エムス(Bad Ems)のブレスコプフ(Blöskopf)にある1世紀のローマ時代の砦から、木製の逆茂木。砦の周りの溝の中に配置。カエサルのガリア戦記には記述されていたが、実物の出土は初。[Heritage Daily]
- UK(北アイルランド)
- アントリム県(County Antrim)キャリクファーガス(Carrickfergus)にあった中世・14世紀のウッドバーン修道院(Woodburn Abbey)跡で、140人分以上の人骨。[BBC]
- USA
- テキサス州で出土した黒曜石の剥片から作られた刃は、メキシコのシエラ・デ・パチュカ山脈(Sierra de Pachuca)で産出した黒曜石。スペイン人探検家フランシスコ・コロナード(Francisco Coronado;1510〜1554年)の探検に関連。黄金都市シボラ(Cibola)を探して1540〜1542年にメキシコからカンサス州まで探検した。[Heritage Daily]
- 土器の形
- 3つの共同体における熟練陶工が、いずれの共同体でも作られていない土器の型式を手本とし、土器を複製する実験。その結果、普段作り馴れていない非伝統的な土器の形態ながら、各共同体の職人たちが成型した土器の形とその形態発生の軌道から、作った職人が属する共同体が定量的に識別できる。
▶ 土器の形にはなぜ文化差が生じるのか[神戸大学]
▶ Tetsushi Nonaka, Enora Gandon, John A. Endler, Thelma Coyle, Reinoud J. Bootsma (2024) Cultural attraction in pottery practice: Group-specific shape transformations by potters from three communities. PNAS Nexus, Volume 3, Issue 2, February 2024, pgae055,[PNAS Nexus]
2024年2月27日(火)
- 神戸市
- 灘区の山中で、登山家が国宝「桜ケ丘銅鐸・銅戈群」の出土地を突き止めた。[神戸新聞]
- 韓国
- 扶余・官北里遺跡(クァンブンニいせき)で百済泗沘期の廃棄場や竪穴遺構から、革に漆を塗ったよろい出土。廃棄された多量の遺物や炭化物とともに出土しており、百済滅亡時の状況を示す。
▶ 扶余 百済 官北里遺跡から漆皮よろい出土 [文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
▼官北里遺跡関連記事→2023年12月1日 - モルドバ、ルーマニア、ウクライナ
- 銅石器時代・トリピリャ文化(Trypillian culture)の38遺跡の住居跡7000年棟の大きさをジニ係数(Gini coefficients)によって分析し、住民間の不平等を調査。巨大集落が登場すると一時的に不平等が減少し、数世代後にようやく社会的格差が文化が起こっており、これが巨大集落崩壊の要因である可能性。社会の複雑さは社会の階層化に必ずしも結びついてはおらず。大規模な人口を抱えることは一時的に不平等を軽減した。
▶ Robert Hofmann, Nils Müller-Scheeßel and Johannes Müller (2024) Trypillia mega-sites: a social levelling concept? Antiquity, First View, pp. 1 - 21. [Cambridge Core] - ギリシャ
- アンドロス島(Άνδρος;Andros)のザゴラ遺跡(Ζαγορά;Zagora)で見つかった前期鉄器時代・幾何学様式期(Geometric period)の層に関する放射性炭素年代を調査。ザゴラ遺跡の最終段階である後期幾何学様式の開始は、従来考えられていた紀元前760年よりも少なくとも100年古くなる。
▶ Rudolph Alagich, Lorena Becerra-Valdivia, Margaret C. Miller, Katerina Trantalidou and Colin Smith (2024) Mediterranean Early Iron Age chronology: assessing radiocarbon dates from a stratified Geometric period deposit at Zagora (Andros), Greece. Antiquity, First View, pp. 1 - 16. [Cambridge Core] - ポーランド
- シフィェンティクシシュ県(Województwo Świętokrzyskie) のライ洞窟(Cave Raj)で、ホラアナライオンやマンモスの骨、トナカイの角など。[Nauka w Polsce]
- ドイツ
- フランクフルト(frankfurt am Main)で、ローマ時代の木造の地下室。火災にあい、梁が炭化。溶けたガラスなども出土。フランクフルト考古学博物館(Archäologisches Museum Frankfurt)の調査。[Heritage Daily]
- UK(ウェールズ)
- アングルシー島(Anglesey)のスランバイル=マサバルン=アイサブ(Llanfair-Mathafarn-Eithaf)で、鉄器時代の馬車の部品や金属製の羊頭、ローマ時代の銅インゴットなど。聖なる院瀬見への奉納品と推定。[Arkeonews]
- ローマ帝国
- ヨーロッパと地中海沿岸の18国53遺跡で出土したローマ時代とその後継政権・1〜7世紀の人骨204体のゲノムを調査。ローマ帝国の住民は、意外に移動性が低い。埋葬地域の在地人でなかった人骨は8%。[Nauka w Polsce]
▶ Margaret L Antonio et al. (2024) Stable population structure in Europe since the Iron Age, despite high mobility. eLife 13:e79714. [eLife] - メキシコ
- ナヤリト州(Estado de Nayarit)ポソ・デ・イバラ(Pozo de Ibarra)で、アマパ文化(Amapa)・500〜800/850年のものとみられる男性ばかりの生贄発見。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。
▶ El INAH descubre sistema funerario prehispánico en Nayarit [Instituto Nacional de Antropología e Historia]
2024年2月26日(月)
- 長野県
- 松本市・松本城天守の耐震対策として、原状を損なわないように1〜5階に鉄骨を使用へ。松本市教育委員会の方針。[信濃毎日新聞]
- 奈良県
- 橿原市・本薬師寺跡(もとやくしじあと)の南門跡付近で石敷きなどの遺構。橿原市2/26発表。[朝日新聞]
▼本薬師寺跡関連記事→2019年9月26日 - 韓国
- ソウル市 松坡区 芳荑洞(パンイドン)の工事現場で、百済・4〜5世紀の木造の井戸。[聯合ニュース]
- 中国
- 江蘇省南京市・西街遺跡で、南朝の梁代の建康城の御道と南大門跡を発見。[新華社]
- インド
- テランガーナ州(Telangana State)ナルゴンダ県(Nalgonda)ムニマニキャム(Mudimanikyam)のクリシュナ川(Krishna River)で、チャールキヤ朝(Badami Chalukyas)・543〜750年の寺院2か所。8〜9世紀の銘文も発見。[Heritage Daily]
- クロアチア
- ヴィンデイヤ洞窟(Vindija Cave)で出土した、中期旧石器時代後半と後期旧石器時代前半の層から出土した動物化石を年代測定。中期旧石器時代のG3層は52000年前〜44000年前(cal BP)。後期旧石器時代前半のF/d層は50000年前〜43000年前。G1層のネアンデルタール人の放射性炭素年代は約44000年前以前。中部ヨーロッパの最古の現生人類はネアンデルタール人と共存していた可能性。
▶ Ivor Karavanić, Ines Krajcar Bronić, Andreja Sironić, Siniša Radović, Marko Banda and Fred H. Smith (2024) Chronology of hominin activity at Vindija Cave, Croatia: new dates recorded via standard and ultrafiltration AMS. Antiquity, First View, pp. 1 - 7. [Cambridge Core]
▼ヴィンデイヤ洞窟関連記事→2006年11月16日
2024年2月25日(日)
- 千葉県
- 南房総市・仮家塚遺跡(かりやづかいせき)で、弥生時代の大型竪穴住居跡。10m×8mの楕円形。同遺跡は安房地域最古の農耕集落である可能性。[房日新聞]
- 中国
- 青海省 海西モンゴル族チベット族自治州 都蘭県 熱水郷・熱水墓群の北一区M37号墓「羊圈墓」は、最大規模の陵園を具えた古墓。[新華社]
▼熱水墓群関連記事→2021年9月21日
2024年2月24日(土)
- インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)トゥーットゥックディ県(Thoothukudi)Maruthurで、13世紀の銘文。パーンディヤ朝(Pandyan kingdom)のクラーシェカラ王(Kulasekarapandian;在位1190年〜1216年)の治世に建てられた。[The New Indian Express]
- オマーン
- クマイラ(Qumayrah)で、長期間にわたる銅の加工の痕跡や、銅の精錬跡。年代は不明であるが、オマーンの銅は青銅器時代・ウンム・アン=ナール文化(Umm an-Nar)・紀元前2600年〜前2000年にメソポタミアやインドとの交易に供された。[Nauka w Polsce]
- イスラエル
- テルハツォール遺跡で出土した紀元前800年〜前750年の印象に7つの頭を持つヘビと戦う英雄の図像。古代メソポタミア・紀元前2500年ごろに誕生した図像で、後期青銅器時代のウガリト(Ugarit)の伝統、古代ギリシャのヘラクレス(Ηρακλής;Hercules)の神話や聖書の記述との間をつなげる資料。[Miami Herald]
▶ Christoph Uehlinger (2024) Mastering the Seven-Headed Serpent: A Stamp Seal from Hazor Provides a Missing Link between Cuneiform and Biblical Mythology. Near Eastern Archaeology, Volume 87, Number 1. [The University of Chicago Journals]
▼テルハツォール遺跡関連記事→2020年6月10日 - ポーランド
- ルブシュ県(Województwo lubuskie;Lubusz)ジャガン(Żagań)のジャガン・ルトニア5遺跡(Żagań-Lutnia5)は鉄器時代の砦と判明。地中レーダーによる調査。ラウジッツ文化(Kultura łużycka;Lusatian culture)のビャウォビエジャ(Białowieża)グループに属すと考えられていた。[Heritage Daily]
- ポーランド
- ポトカルパチェ県(Województwo podkarpackie;Podkarpacie)コジェニツァ(Korzenica)のヤロスワフの森(Jarosław Forest)で、4000年前の銅製の短剣。中央ヨーロッパではいまだ銅製品がまれな時期。カルパチア盆地かウクライナに由来。[Heritage Daily]
2024年2月23日(金)
- 中国
- 硝洞岩陰遺跡(硝洞岩厦)で、ホアビン文化(Hoa Binh culture;和平文化)の150mm以上、2kgにおよぶ大型の石器が出土。
▶ Yuduan Zhou, Yun Wu, Kaiwei Qiu, Shigui Zhang, Biaobiao Wang, Ruxi Yang, Yu Ji, Hongmei Xie, Hongbo Zheng, Yinghua Li, Qing Yang, Xueping Ji (2024) Extraordinary large Hoabinhian tools from Xiaodong rockshelter, southwest China. L'Anthropologie. [ScienceDirect]
▼雲南省 臨滄市 滄源ワ族自治県 勐省鎮 農克村
▼硝洞岩陰遺跡関連記事→2015年12月28日 - 中国
- マカオの筷子基地区で古い大砲。[マカオ新聞]
- イタリア
- サン・ヴィート・アル・トッレ(San Vito al Torre)のトッレ川(Torre river)で、ローマ帝政期の葬送用の祭壇。[Heritage Daily]
- スイス
- ツーク州(Kanton Zug)バール(Baar)のフリューエベルクシュトラーセ遺跡(Früebergstrasse)で、前期中世の人骨36体から歯の健康や墳墓の位置づけによる、生前の生活や食習慣を推定。社会的地位による食生活の違いはない。前歯が著しく損耗。
▶ A. Pedergnana, R. Huber (2024) Social status and oral health in early medieval Switzerland: The case of the Baar-Früebergstrasse site (Canton Zug, Switzerland). Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 54, April 2024, 104455. [ScienceDirect] - ポーランド
- ヴロツワフ(Wrocław)の5つの遺跡で出土した中世の魚骨を調査し、6科11種を同定。オーデル川(Oder)では中型〜大型の魚類が主に捕獲されていた。タイ、テンチ、スズキ属が一般的で、チョウザメ、サケ、コイは主に貴族が消費した。
▶ O. Kovalchuk, K. Stefaniak, Z. Barkaszi, J. Kotusz, A. Pankiewicz, A. Wiśniewski, K. Zarzecka-Szubińska, T. Volynskyi, P. Socha (2024) Fish and fishing in the medieval Wrocław (Poland): New insights based on archaeozoological data. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 54, April 2024, 104450. [ScienceDirect] - ドイツ
- 中部ドイツのエスパーシュテット遺跡(Esperstedt)とクッケンブルク遺跡(Kuckenburg)で出土した後期青銅器時代のヒトの遺体について、安定同位体分析と放射性炭素年代測定により、キビ(Panicum miliaceum)への依存について研究。中期青銅器時代以前・紀元前1600年以前にはキビは消費していない。後期青銅器時代の初め・紀元前1300年〜前1050年にはしばしば大量のキビを消費していたが、紀元前1050年〜800年ごろには、炭化キビは遺跡で出土するにもかかわらず、食生活での消費は減少するか、やめてしまう。キビが登場し200年間にわたり消費されるのは、文化的・経済的な要因とともに、乾燥化への対応のためにキビが利用された可能性も示す。
▶ Eleftheria Orfanou, Barbara Zach, Adam B. Rohrlach, Florian N. Schneider, Enrico Paust, Mary Lucas, Taylor Hermes, Jana Ilgner, Erin Scott, Peter Ettel, Wolfgang Haak, Robert Spengler & Patrick Roberts (2024) Biomolecular evidence for changing millet reliance in Late Bronze Age central Germany. Scientific Reports, volume 14, Article number: 4382. [Scientific Reports] - フランス
- プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏(Provence-Alpes-Côte d'Azur) ブーシュ=デュ=ローヌ県(Bouches-du-Rhône)オバーニュ(Aubagne)のシュマン・デ・パッソン遺跡(Chemin des Passons)で、新石器時代、青銅器時代、鉄器時代1期の居住の痕跡。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶ Du Néolithique ancien à l'âge du Fer à Aubagne (Bouches-du-Rhône) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - フランス
- オート=ヴィエンヌ県(Haute-Vienne) リモージュ(Limoges)の後期中世の木造建築13棟から得られたオーク材のサンプル212試料を分析し、産地を推定。ほとんどの建築は15世紀に建てられ、リモージュから50km以内のオート=ヴィエンヌ県内で得られたもの。
▶ R. D’Andrea, C. Belingard, C. Corona, M. Domínguez-Delmás, F. Cerbelaud, R. Crouzevialle, C. Perrault, G. Costa, S. Paradis-Grenouillet (2024) Exploring the origins of Late Medieval construction timber in Central France through hierarchical clustering. Dendrochronologia, Available online 22 February 2024, 126183. [ScienceDirect] - 英王室属領ガーンジー
- コーネット城(Castle Cornet)のプリズナーズ・ウォーク(Prisoners Walk)で、中国製の磁器や土管が出土。土管からみて、1590年以前の層まで達している。これまでに17世紀中ごろのドイツ産のベラーマイン・ジャグ(Bellarmine jug)などが出土。[BBC]
- UK(イングランド)
- ケント州(the county of Kent)テンターデン(Tenterden)のスモール・ハイス(Small Hythe)で、ローマ時代のメルクリウス像。[The Guardian]
- ペルー
- アプリマク県(Departamento de Apurímac)チンチェロス郡(Chincheros)アンコワジョ(Ancohuallo)のルルパの神殿(templo ceremonial de Rurupa)で、中期形成期・紀元前1000年〜前800年の白漆喰に彩色された塀。[Andina]
2024年2月22日(木)
- 北海道
- 函館市・五稜郭跡(ごりょうかくあと)の石垣が5.8mにわたって崩れる。[HTB北海道テレビ]
- 富山県
- 高岡市立博物館や氷見市立博物館が、能登半島地震で被災した古文書や民具を避難させる「文化財レスキュー」に取り組んでいる。[北日本新聞]
- 石川県
- 七尾市・金刀比羅神社の本殿が、中能登町・石動山から移築されたという地元の言い伝えが、拝殿の屋根裏から見つかった木札の記述により実証。拝殿は能登半島地震で倒壊し、七尾市などが調査。[NHK]
- 北九州市
- 門司区の「初代門司駅」関連遺構を巡り、日本イコモス国内委員会は、全体の現地保存を求める要望書を2/22北九州市に提出。[朝日新聞]
- 韓国
- 忠清南道 唐津市・沔川邑城(ミョンチョンゆうじょう)の東壁の体城は、外側だけを石積みした「片築式」。城壁の長さは162m。朝鮮時代初期の1439年に倭寇の略奪を防ぐため築城。[聯合ニュース]
▼沔川邑城関連記事→2019年6月21日 - 韓国
- 慶尚北道 高霊郡・大加耶博物館が観覧料を2/22から無料に。[聯合ニュース]
- アフガニスタン
- アフガニスタンの多くの遺跡が、組織的な盗掘のため破壊されている。前政権に始まり、2021年のタリバンの政権復帰以降も継続。の衛星画像による研究。[BBC]
- ロシア
- サハティシュ墓地(Сахтыш;Sakhtysh)のリヤロヴォ文化(Льяловская культура;Lyalovo culture)とヴォロソヴォ文化(Волосовская культура;Volosovo culture)の墳墓について、食物による14Cリザーバー効果を考慮した年代測定。同一個人の歯と骨の14C、δ13C、δ15Nを比較し、補正。リャロヴォ文化は紀元前5千年紀前半、ヴォロソヴォ文化は紀元前4千年紀半ば〜前3千年紀前半。紀元前3300年ごろに自給自足経済に変化が生じ。交易網が再編された。両文化は土器を持つ狩猟採集民。
▶ John Meadows, Anastasia Khramtsova, Henny Piezonka, Ben Krause-Kyora, Nicolas Da Silva, Elena Kostyleva, Maria Dobrovolskaya, Elizaveta Veselovskaya, and Sergey Vasilyev (2024) Dietary 14C reservoir effects and the chronology of prehistoric burials at Sakhtysh, central European Russia. Science Advances, Vol 10, Issue 8. [Science Advances] - ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)のキーム湖(Chiemsee)にあるフラウエン島(Fraueninsel;Frauenchiemsee)で、ロマネスク時代の宗教建築。福者イルムガルト(Irmgard von Chiemsee)をまつっていた可能性。地中探査で発見。[Heritage Daily]
- フランス
- ル・ムスティエ遺跡(Le Moustier)で20世紀初めに出土した、中期旧石器時代・40000年前のネアンデルタール人が使用したとされる石器を分析。アスファルトに55%の黄土を添加した接着剤で柄に固定されていた。ネアンデルタール人が接着剤を使用した証拠。
▶ Did Neanderthals Use Glue? Researchers Find Evidence that Sticks [New York University]
▶ Patrick Schmidt, Radu Iovita, Armelle Charrié-Duhaut, Gunther Möller, Abay Namen, and Ewa Dutkiewicz (2024) Ochre-based compound adhesives at the Mousterian type-site document complex cognition and high investment. Science Advances, Vol 10, Issue 8. [Science Advances] - フランス
- アヴランシュ(Avranches)のサンタンセルム広場(place Saint-Anselme)で、ローマ時代のフォルムや、カキの廃棄場、石臼、石灰窯など。また、地中探査で墓400基を確認。[actu]
- フランス
- ボーモン修道院(L'abbaye de Beaumont)で、11世紀から18世紀までの人骨1000体以上。[Newsweek]
▼ボーモン修道院関連記事→2024年2月17日 - スペイン
- アロス・デ・バラゲル(Alòs de Balaguer)のコバ・デル・パルコ遺跡(Cova del Parco)で出土した後期旧石器時代・中期マドレーヌ文化(Middle Magdalenian)のチャート石材を分析。一部はピレネー山脈の北側斜面に由来し、当時の人がピレネー山脈を越えて移動したことをします。さらに移動経路もGIS分析により推定。
▶Luis M. Jiménez, Xavier Mangado, Cynthia B. González, François-Xavier Le Bourdonnec, Bernard Gratuze, Josep M. Fullola, Marta Sánchez de la Torre (2024) Patterns of lithic procurement strategies in the Pre-Pyrenean Middle Magdalenian sequence of Cova del Parco (Alòs de Balaguer, Spain). Geoarchaeology, Early View. [Wiley Online Library] - エジプト
- 紅海沿岸のエル・クセイル(El Quseir)=古代ミュオス・ホルモス港(Μυός Όρμος;Myos Hormos)で、古代ローマの沈没船。全長32m。サイドスキャンソナーを用いた調査。
▶ Amr Hamouda, Suzan El-Gharabawy, Ahmed Fekry, Mohamed Nassar (2024) Exploration and identification of ancient Roman shipwreck located at Quseir, Red Sea. The Egyptian Journal of Aquatic Research. [ScienceDirect] - メキシコ
- オアハカ州(Estado de Oaxaca)・ミトラ遺跡(Mitla)の地下に迷路。[Heritage Daily]
▼ミトラ遺跡関連記事→2023年7月1日
2024年2月21日(水)
- 石川県
- 七尾市で、国の登録有形文化財の建物すべてに、能登半島地震で大きな被害。大正10年に建てられた洋館「春木屋洋品店」は外壁の損傷が激しく、再建を断念。[NHK]
- 徳島県
- 徳島市・興源寺の敷地内にある徳島藩主・蜂須賀家墓所で、蜂須賀正勝(小六)の墓が倒れる。何者かが故意に墓を倒した可能性があり、文化財保護法違反も視野に捜査。[TBS]
- 中国
- チベット高原中央部では、洗練された細石器技術の登場が6800年前にさかのぼる。AMS法と光刺激ルミネセンス(optically stimulated luminescence;OSL)による年代測定。チベット高原周辺地域から黒曜石がもたらされており、地域間の社会的ネットワークは、従来想定されていたよりも、組織化されていた。
▶ Yahui Qiu, Peixian Shu, Hong Ao, Yunxiang Zhang, Qi Wei, Xingwen Li, Honghai Chen, Hong Wang, Stanley H. Ambrose (2024) The earliest microblade site 6800 years ago reveals broader social dimension than previous thought at the central high altitude Tibetan plateau. Quaternary Science Reviews, Volume 328, 15 March 2024, 108551. [ScienceDirect] - トンガ
- トンガタプ島(Tongatapu)の大規模なマウンドは1500年前に建造。従来はこうした建築は西暦1000年ごろに登場したとみられていた。初期建築は首長制の発達に関連したと考えられており、人類の植民後に発達したのではなく、より東側への人類の進出以前に西ポリネシアに首長制が貼った盂していた。
▶ Geoffrey Clark, Phillip Parton and Christian Reepmeyer (2024) Early architecture in Tonga: implications for the development of Polynesian chiefdoms. Antiquity, Volume 98, Issue 397, February 2024, pp. 119 - 134. [Cambridge Core] - ウクライナ
- ウクライナへのロシアの進攻で、300か所以上の文化財に損害。[朝日新聞]
- ルーマニア
- ルーマニアで盗まれた青銅器時代・ハルシュタット文化・紀元前2千年紀の金のブレスレット3個が、ベルギーから返還。[Romania-Insider]
- ドイツ
- ニュルンベルク(Nürnberg)のザンクト・ヨハンニス(St. Johannis)で、1632年〜1633年の大規模なペスト墓地。集団墓8基。人骨700体以上出土。ドイツ最大で、ヨーロッパでも最大級。[BR24]
- フランス
- オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes) シャマリエール(Chamalières)で、ローマ時代の石造建築。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。[Decotidien]
▼オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏(Auvergne-Rhône-Alpes)ピュイ=ド=ドーム県(Puy-de-Dôme) - フィンランド
- オーランド諸島(Landskapet Åland)のJettböle遺跡で出土した中期新石器時代・刺突文土器文化(Pitted Ware Culture;PWC)のヒトとイヌの遺体のストロンチウム同位体比を分析し、移動性や起源を推定。いずれも在地由来のものとみられるが、ストロンチウム比は、バルト海地域の海産物由来のストロンチウムの影響を受ける可能性も。
▶ Adam Boethius, Jan Storå, Rudolf Gustavsson, Melanie Kielman-Schmitt (2024) Mobility among the stone age island foragers of Jettböle, Åland, investigated through high-resolution strontium isotope ratio analysis. Quaternary Science Reviews, Volume 328, 15 March 2024, 108548. [ScienceDirect] - デンマーク
- エマリウ(Emmerlev)で、金の指輪が出土。フランク王国で5〜6世紀に作られたもので、メロヴィング朝フランク王国とのつながりの強い未知の君主家族の存在を示す。[Heritage Daily]
- USA
- ノースカロライナ州(State of North Carolina)のフィアー岬(Cape Fear)やブランズウィック川(Brunswick rivers)の水中で、奴隷を使役して行われた稲作の証拠。[Heritage Daily]
- ADHD
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)に関連した形質が、初期人類の食料採集に役立った。[The Guardian]
▶ David L. Barack, Vera U. Ludwig, Felipe Parodi, Nuwar Ahmed, Elizabeth M. Brannon, Arjun Ramakrishnan and Michael L. Platt (2024) Attention deficits linked with proclivity to explore while foraging. Proceedings of the Royal Society B, Volume 291, Issue 2017. [The Royal Society]
おやつMaster Copyright © OyatsuMastar 1998-2024. All rights reserved.