2023年6月20日(火)
- 秋田県
- 秋田市・佐竹史料館の建築工事の公募型指名競争入札で、指名した共同企業体が全て辞退し、入札が中止に。リニューアルオープンは延期の見通し。[秋田魁新報]
- 群馬県
- 安中市の旧安中高校校庭で、東山道駅路(とうさんどうえきろ)とみられる道路跡。近隣に郡衙など公的施設があった可能性も。[上毛新聞]
▼東山道駅路関連記事→2022年7月28日 - 千葉県
- 市川市で、下総国府の所在が推定される千葉商科大学の駐車場から、国衙跡に関連すると考えられる区画溝や掘立柱建物など。市川市教育委員会の調査。
▶本学駐車場の埋蔵文化財発掘調査を実施 [千葉商科大学] - 石川県
- 金沢市・大場遺跡(おおばいせき)で、11世紀後半以降水運の利便性を活かし沖積平野を開発したことが明らかに。公益財団法人石川県埋蔵文化財センターの調査。6/24現地説明会。
▶金沢市大場遺跡現地説明会(令和5年6月24日(土)) [公益財団法人石川県埋蔵文化財センター] - 中国
- 陝西省 宝鶏市 鳳翔県の秦雍城遺跡の瓦窯頭建築遺跡で、春秋時代の大型建物跡。秦が雍城に遷都した春秋中期の前半の時期に当たり、秦雍城遺跡最古の建築。[中国新聞網]
▼秦雍城関連記事→2019年1月24日 - インドネシア
- 東カリマンタン(East Kalimantan)スパク(Sepaku)の新首都建設予定地で、9000年前〜7000年前の洞窟住居跡と、15・17世紀の鉄器工房。従来この地域では16世紀のパスル・スルタン国(Paser Sultanate)の史料や、オランダ・日本の植民地遺跡などしか知られていなかった。
▶ Mohammad Ruly Fauzi, Sofwan Noerwidi, Harry Widianto, Retno Handini, Harry Octavianus Sofian, Unggul Prasetyo Wibowo, Benyamin Perwira Shidqqi, I Made Geria, Truman Simanjuntak (2023) Archaeological investigation in the future capital city of Indonesia (IKN) at Sepaku, East Kalimantan. L'Anthropologie. [ScienceDirect] - イラン
- サルビーシェ郡(Sarbisheh)のガブリ遺跡(Gabri)で、ハカーマニシュ朝(アケメネス朝;Achaemenid)、パルティア(Parthian)、サーサーン朝(Sassanid)の土器。[Tehran Times]
▼南ホラーサーン州(Ostān-e Khorāsān-e Jonūbī;South Khorasan province)
▼ガブリ遺跡関連記事→2020年10月22日 - スロバキア
- リマフスカー・ソボタ(Rimavská Sobota)にあるバラート・クート(Barát Kút)で、青銅器時代、前期中世、後期中世の居住の痕跡。この地域初のローマ時代・3〜4世紀の土器も。[The Slovak Spectator]
- ノルウェー
- ヴィーケン県(Viken fylke)モス(Moss)で青銅器時代のものとみられる惟彩色のある洞窟壁画。[NIKU:Norsk institutt for kulturminneforskning]
2023年6月19日(月)
- 京都市
- 上京区・京都御苑内の京都仙洞御所から、京都新城(きょうとしんじょう)の堀の石垣の一部が出土。3年前に見つかった堀の対面の石垣から計算して、堀の幅は10.8m。京都市の調査。[産経新聞]
▼京都新城関連記事→2020年5月12日 - 長崎県
- 小値賀町・相津遺跡(そうづいせき)で、弥生時代の包含層から収穫具の可能性ある石器。小値賀島で漁労・採集・交易のみならず農耕も行っていた可能性。弥生時代中期後半の甕棺も見つかり、遠賀川以東系としては最西端。長崎県埋蔵文化財センターの調査。6/4現地説明会。
▶相津遺跡(そうづいせき)の発掘調査を行いました[長崎県埋蔵文化財センター] - 韓国
- 全羅北道 完州郡 竜進邑 上雲里・元上雲古墳群(ウォンサンウンこふんぐん:第2次調査)で、新たに9号墳の存在を確認。4号墳、6号墳、9号墳を調査し、低墳丘の周囲に溝をめぐらす原三国時代の典型的な馬韓墳丘墓と確認。古墳の頂上に木棺を1基設け、さらに木棺を追加して設置しているが、4号墳では周溝を埋め立てて墳丘を水平拡張し木棺2基を設けている。1基の古墳に複数の埋葬施設を設ける、馬韓の埋葬伝統を示す。国立完州文化財研究所の調査。[eDaily]
▶古墳1基に埋葬施設をいくつも安置した馬韓の埋葬伝統を確認 [文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
▼元上雲古墳群関連記事→2022年7月11日 - 韓国
- 全羅北道 長水郡 長渓面・テジョッコル製鉄遺跡で、朝鮮時代の建物跡1棟、石築、鍛冶施設2基。送風口と流出滓、鍛造剥片出土。すぐそばの後百済時代の建物跡の下層からは加耶土器の破片が出土。[聯合ニュース]
▼テジョッコル製鉄遺跡関連記事→2020年5月26日 - 韓国
- 全羅南道 新安郡 黒山島・无心寺跡(ムシンサあと)で、統一新羅時代の寺院建築跡。印花文土器片や金銅仏、中国陶磁、蓮華文軒丸瓦出土。[聯合ニュース]
▼无心寺跡関連記事→2023年6月14日 - 韓国
- 慶尚南道 南海郡・南海邑城(ナメゆうじょう)の埋蔵文化財包蔵地とみられる南海初等学校運動場で、南海教育支援庁が無断で排水工事をしていた疑い。現状変更を行う場合は許可を得て、精密発掘調査も必要であるが、南海教育支援庁は発掘などを無視していた。南海郡が工事を中止させ、調査中。[NEWSIS]
- 中国
- 広西チワン族自治区 百色市 平果市 黎明郷 蟠桃村 那物屯で戦国時代の墓。石寨山型銅鼓、玉環、銅鉞など出土。[中国新聞網]
- イラン
- ロレスターン州(Ostān-e Lorestān;Luristan)ホッラマーバード(Khorramabad)で、サーサーン朝のときに栄えたシャープールハスト(Shapurkhast)にかかわる墓石や遺体。[Tehran Times]
- トルコ
- クルッカレ県(Kırıkkale il)・ビュクリュカレ遺跡(Büklükale)で、キンメリア人(Cimmerians)の最初の集落。[Daily Sabah]
▼ビュクリュカレ遺跡関連記事→2022年6月8日 - スペイン
- エストレマドゥーラ州(Extremadura)バダホス県(Provincia de Badajoz)グアレーニャ(Guareña)のカサス・デル・トゥルニュエロ遺跡(Casas del Turuñuelo)で出土したガラス容器に、東地中海起源のものを確認。
▶ Esther Rodríguez González, Sebastián Celestino Pérez, María Cruz Medina Sánchez, Alessandro Zucchiatti, Joaquín Barrio Martín (2023) Trade with the West. Glass bowls of Eastern Mediterranean origin found in the courtyard of the Casas del Turuñuelo site (Guareña, Badajoz, Spain): Archaeological context, analysis and conservation. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 50, August 2023, 104029. [ScienceDirect]
▼カサス・デル・トゥルニュエロ遺跡関連記事→2023年4月18日 - ノルウェー
- トロンハイム(Trondheim)で、ルーン文字が刻まれたゲームの駒。アルファベットで「siggsifr」に当たる文字。「戦いの兄弟」を意味する。
▶Spillebrikke med runeinnskrift funnet i Trondheim [Norsk institutt for kulturminneforskning (NIKU)]
2023年6月18日(日)
- フランス
- フランス西部で6/16夜にマグニチュード5.8の地震。北西レンヌから南西ボルドーまで、広い地域で揺れ。西岸の西岸シャラント・マリティーム県などで大きな被害。[BBC]
2023年6月17日(土)
- 仙台市
- ▽記事の見出し「国内では例がない「見える収蔵庫」とは?」が間違い。▽動画中で宮城県美術館の濱崎礼二副館長自身が「全国的にも類例はあまりありません」と言っているとおり、例は少ないものの先行例は国内にいくつもあります▽収蔵庫の姿をしていないものの、東京国立博物館の法隆寺宝物館(1999年)は収蔵庫を展示室にするコンセプト▽さらに年代をさかのぼれば、明治時代に日本の博物館の歴史は、収蔵と展示が未分化な状態で始まったので、収蔵庫そのものにお客さんが入っていたのです(今回の件とは対比できませんが)。収蔵庫兼展示室にお客さんが入っていたのです(今回の件とは対比できませんが)▽話がそれましたが、取材した人や取材された人を侮辱し、事実を歪曲するような記事タイトルは、やめた方がよいと思います。
▶国内では例がない「見える収蔵庫」とは?老朽化の美術館がリニューアルへ2年間の休館「期待に応える美術館に」 宮城 [TBS] - 愛知県
- 田原市沖の海底で、漁礁として沈められた名古屋市電の車両。[テレビ愛知]
- 京都府
- 京丹後市・浜詰遺跡(はまづめいせき:第6次調査)で出土した縄文時代の脊椎動物のうち9割が魚類で、その34%を占めるトビウオの骨は頭が圧倒的に少なく、浜辺で頭部を落として、開きに加工した可能性。春から初夏にとれる魚ばかりで、遺跡が春から夏にかけて飲み利用された。また、多様な貝類から壁るものを選び、計画的に食料を採集していた。[朝日新聞]
- 中国
- 新疆ウィグル自治区・十戸窯遺跡(Shihuyao)の墓地で出土した初期鉄器時代の成人男性20人、成人女性17人に遺骨について、AMSによる放射性炭素年代測定、炭素と窒素の安定同位体分析。先行研究の青銅器時代〜鉄器時代中央アジアの安定同位体分析469例と対比。十戸窯遺跡の男性は女性よりもはるかに多くのC4作物(おそらくアワ)を摂取。同様の男女差は新疆、中央アジア南東部、カザフスタン中部の初期鉄器時代遺跡でも見られる。アワを女性よりはるかに多く摂取する男性が、異例に高い地位/低い地位の墓に葬られる場合があり、社会的に特別な役割を果たしていた可能性。
▶ Wei Wang, Futao Duan, Jie Zhang, Ying Nie, Cheng-Bang (2023) Gender differences in millet consumption in arid Inner Asia during the Iron Age documented by stable isotopes: A case study from Shihuyao, Xinjiang. Quaternary Science Reviews, Volume 312, 15 July 2023, 108187. [ScienceDirect] - アフガニスタン
- バーミヤン遺跡の石窟にある6世紀半〜7世紀にある壁画が、何者かによる破壊行為により崩落。[共同通信]
- ポーランド
- ルブリン県(Województwo lubelskie;Lublin)ビウゴライ郡(Powiat biłgorajski;Biłgoraj County)トゥロービン(Gmina Turobin)のチェルニエンチン・ポドゥホヴニ(Czernięcin Poduchowny)で、ラウジッツ文化(Kultura łużycka;Lusatian culture)の衰退期・紀元前550年〜前400年の銅製遺物13点。この地域でのラウジッツ文化の遺物は稀。
▶Lubelskie/ Ozdoby z brązu sprzed 2,5 tysiąca lat odnaleziono na łące w gminie Turobin [Nauka w Polsce] - UK(イングランド)
- ヴィンドランダ砦(Vindolanda Roman fort)の兵舎跡から、メドゥーサ(Μέδουσα;Medusa)の頭部を表す銀製装飾品のファレラ(phalera)。フェレラはローマ兵がパレードのときに鎧の胸につける装飾。[Heritage Daily]
▼ヴィンドランダ砦関連記事→2023年2月20日 - ペルー
- リマ県(Departamento de Lima)ワラル郡(Provincia de Huaral)アタビリョス・バホ(Atavillos Bajo)にあるルパック遺跡(Rupac)で2000年前にさかのぼる居住の痕跡。墳墓から出土した人骨には暴力の痕跡があり、隣接するが平和だったチャンカイ文化とは異なる。また、近隣のアタビリョス文化やチャンカイ文化と交流。従来は1000年前に居住が始まると考えられていた。[Andina]
2023年6月16日(金)
- 青森県
- 青森市・郷山前村元遺跡(ごうさんまえむらもといせき)で、縄文時代の土坑、平安時代の竪穴建物跡や円形周溝、掘立柱建物。青森県埋蔵文化財調査センターの調査。7/8現地見学会。
▶郷山前村元遺跡 [青森県埋蔵文化財調査センター] - 佐賀県
- 三養基郡上峰町・鎮西山城跡(ちんぜいざんじょうあと)で、幅約20m、深さ約14mの巨大な堀切。戦国時代の山城。上峰町教育委員会の調査。7/29現地説明会。
▶鎮西山城跡 現地説明会のお知らせ [上峰町]
▼鎮西山城跡関連記事→2023年6月9日 - 韓国
- 全羅北道 全州市・黄尨山(ファンバンさん)で、朝鮮戦争のときの民間人犠牲者100人以上の遺体と靴、眼鏡、ボタンなどを発掘。当時の韓国軍や警察が用いたM1小銃の薬莢やカンルビン小銃の薬莢なども出土。長い溝のような穴を掘り、銃殺して地中に埋めるという虐殺行為。[聯合ニュース]
- 中国
- 花地嘴遺跡(Huadizui)での、新砦期(Xinzhai)・紀元前1850年〜前1750年の動物資源の開発を研究。ブタやヒツジを利用は肉の利用のためで、二次産品の利用は見られない。ウシの飼育、狩猟、消費は非効率的だったが、富や威信を示すものだった。これに対し、当時の首都ともいえる新砦遺跡(Xinzhai)では、二次産品を中心とした動物利用が集約され、専門化していた。動物利用の分化、特に二次産品の利用が国家形成過程で重要だった可能性。
▶ Yiting Liu, Jing Yuan, Wanfa Gu, Qian Wu, Yongqing Zhang, Yang Wang (2023) Animal resource exploitation at the Huadizui site on the eve of state formation in China (1850–1750 BC). International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library]
▼新砦遺跡関連記事→2022年10月24日 - インド
- マッディヤ・プラデーシュ州(Madhya Pradesh)スィーホール県(Sehore District)とナルマダプラム県(Narmadapuram)のナルマダー川(Narmada)流域で、前期旧石器時代・アシュール文化(Acheulean)の遺跡を新たに18か所確認。
▶ Vivek Singh, Shantanu Katiyar, Nupur Tiwari, K. Krishnan, Parth R. Chauhan (2023) Lower Palaeolithic (Acheulean) adaptations in the central Narmada Valley: New evidence from Sehore and Narmadapuram Districts, Madhya Pradesh, India. Quaternary Science Advances. [ScienceDirect] - アラブ首長国連邦
- アブダビ首長国(Abu Dhabi)のアル・アイン(Al Ain)で、墳墓遺跡から鉄器時代〜先イスラーム時代・紀元前1300年〜紀元後600年の遺物。[The National]
- イスラエル
- フラ渓谷(Hula Valley)の2か所の前期旧石器時代・アシュール文化の遺跡、ゲシャー・ベノット・ヤーコヴ遺跡(Gesher Benot Ya'aqov)と、マアヤン・バルク遺跡(Ma'ayan Barukh)のフリント製ハンドアックスの原産地を推定。ゲシャー・ベノット・ヤーコヴ遺跡のフリントの一部は遺跡北西8kmのディション河床(Dishon)に由来するが、ゲシャー・ベノット・ヤーコヴ遺跡とマアヤン・バルク遺跡の双方のフリントは20km西にあるディション(Dishon)のフリント採掘・加工遺跡に由来。両遺跡で生産時の剥片がほとんど出土しないことからも、同地からの製品の調達が支持される。
▶ Meir Finkel, Oded Bar, Yoav Ben Dor, Erez Ben-Yosef, Ofir Tirosh, Gonen Sharon (2023) Evidence for sophisticated raw material procurement strategies during the Lower Paleolithic—Hula Valley case study. Geoarchaeology. [Wiley Online Library]
▼ゲシャー・ベノット・ヤーコヴ遺跡関連記事→2022年11月15日 - イスラエル
- ネゲヴ砂漠(Negev Desert)のナハル・オメル遺跡(Nahal Omer)で、初期イスラーム時代の外来の絹と木綿を発見。
▶ Berit Hildebrandt, Orit Shamir, Roy Galili, Nofar Shamir and Guy Bar-Oz (2023) Networks of trade and exchange along the Israeli Silk Road: the silk and cotton finds from Nahal Omer, Negev Desert. Antiquity, Volume 97, Issue 393, June 2023 , e14. [Cambridge Core]
▼ナハル・オメル遺跡関連記事→2023年1月19日 - シリア
- アイン=ダーラ遺跡全体の表面がブルドーザーで削平。[Twitterより古代オリエント博物館 (@aom_tokyo) のツイート]
- ギリシャ
- クレタ島(Κρήτη;Crete)のシシー(Σίσι;Sissi)とマリア(Μάλια;Malia)で出土したミノス文明(Μινωικός πολιτισμός;Minoan civilization)の土器に残る遺存物を分析。蜜蝋や、マツ科の樹脂、動植物性の脂質を確認。食習慣を土器の使用法の手がかり。
▶ Maria Roumpou, Evgenia Tsafou (2023) Culinary practices and pottery use in Minoan Crete. Integrating lipidic residue analysis in the study of cooking vessels from Sissi and Malia. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 50, August 2023, 104050. [ScienceDirect] - アイスランド
- 東アイスランド(Austfirðir)のストズ遺跡(Stöð)で、定住の75年前、西暦800年ごろのロングハウス跡の壁から、帆を張ったヴァイキング船の絵が線刻された砂岩の小片。アイスランド最古の絵画にある可能性。定住以前のロングハウスには家畜の痕跡がみられず、ノルウェーからの季節的なセイウチ狩猟キャンプとみられる。[Iceland Review]
▼ストズ遺跡関連記事→2020年6月10日 - スーダン
- スーダン軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘で、人命だけでなく、文化財にも被害。重要遺跡をRSFが破壊。博物館、図書館なども略奪し、古い歴史を抹消。[Deutsche Welle]
2023年6月15日(木)
- 茨城県
- 常陸大宮市・高渡館跡で平安時代の建物跡などや、中世の館に関連する堀跡。公益財団法人茨城県教育財団の調査。6/12現地説明会。[発掘情報いばらき]
- 島根県
- 松江市・松江城(まつえじょう)で、江戸時代初期の松江城築城後間もないころのものとみられる瓦を使った瓦敷き遺構。松江市3/14発表。[読売新聞]
- 沖縄県
- 与那国町・伝サガムトゥ村遺跡が含まれる土地に防衛省が地対空誘導弾部隊のための用地取得を予定していることに関し、与那国町教育委員会は遺跡の現地保存が望ましいとして、遺跡を用地から外すよう求めた。6/9挺議会一般質問での答弁。[琉球新報]
▼伝サガムトゥ村遺跡関連記事→2023年5月8日 - 滋賀県
- 大津市・穴太遺跡(あのういせき)で、飛鳥時代〜奈良時代・7〜8世紀の基壇状遺構や池状遺構。庭園とみられる。大津市の調査。6/18現地説明会。[毎日新聞]
▼穴太遺跡関連記事→2022年10月30日 - 中国
- 山東省 聊城市 茌平区・焦庄墓地で、魯西地方で最初の元時代の磚雕壁画墓(M105号墓)。平面長方形で、トンネル型の天井。従来山東省で多くみられていたドーム形天井とは異なる。[中国新聞網]
▼焦庄墓地関連記事→2023年5月18日 - ニュージーランド
- タラナキ地域(Taranaki)のパーテア川(Pātea River)で、マーオリ人(Māori)の伝統的な木造船ワカ(Waka)を発見。同地域のマーオリ人のイウィ(部族)であるテ・パカコヒ(Te Pakakohi)、ガーツィ・ルアフイ(Ngāti Ruanui)、ガー・ラウル(Ngā Rauru)に関連するとみられる。トータラの木(tōtara)で作られており、この地域でトータラは見られなくなって久しいことから、このワカが古いものであることを示す。近隣のテ・パカコヒ族の集落クラヌイ・パー(Kuranui Pā)に由来する可能性。テ・パカコヒ族は土地の没収や、ニュージーランド戦争のときに男たちが捕虜になったことで、ほとんど消滅したイウィ。//ティートコワル戦争(Tītokowaru War:1868〜1869年)の後の掃討を避けるため指導者ティートコワルを指示したイウィがワカを川に隠したか。[Te Ao - Māori News]
- ウクライナ
- Kolomiytsiv Yar Tract遺跡のトリピリャ文化(Trypillian culture)・紀元前5千年紀後半の集落で出土した人骨を分析。安定同位体分析により推定した食生活は、北ポントス地域(North Pontic)の採集牧畜民のそれの範囲内。Kolomiytsiv Yar Tract遺跡の人びとはストロンチウム同位体から見てドニプロ川中流域のセレドニスティフ文化(Середньостогівська культура;Serednii Stih culture)の出身。遺伝子からも、セレドニスティフ文化などの先ヤムナ文化に祖先をもつ。トリピリャ文化の農民と銅石器時代の北ポントス地域の採集農耕民の間の交流を示す。
▶ Alexey G. Nikitin, Mykhailo Videiko, Nick Patterson, Virginie Renson, David Reich (2023) Interactions between Trypillian farmers and North Pontic forager-pastoralists in Eneolithic central Ukraine. PLOS ONE, 18(6): e0285449. [PLOS ONE] - ルーマニア
- ドブロジャ地域(Dobrudja)のケイア(Cheia)にあるローマ時代・2世紀中ごろの墳丘墓(直径75m)の2基の主体部のうち、中央の主体部では木箱に遺体を納めて焼く。古代の盗掘坑は石数個で埋められ、その上にオオカミの頭骨。死者の霊の復讐を避けるためとみられ、盗掘者がゲタイ人(Γέται;Getae)であることを示す。もう1基の主体部は木棺墓で、被葬者の口の中にハドリアヌス帝の治世の硬貨。ステュクス(Στύξ;Styx)の川を渡って地下の世界に行くとき,渡し守のカロン(Χαρων;Charon)に渡す金。墳墓の被葬者はローマ人の可能性。
▶Rumunia/ Czaszka wilka w złodziejskim wkopie kurhanu; miała ochronić rabusiów przed zemstą zmarłego [Nauka w Polsce] - フランス
- シャラント=マリティーム県(Charente-Maritime)ジョンザック(Jonzac)のシェ・ピノー遺跡(Chez-Pinaud)で出土した、骨器の可能性のある骨を研究。調整具以外に、フリント形石器にそっくりの骨器など、多数の骨器を確認。トナカイなど大型偶蹄類を利用。シベリアだけでなく、西ヨーロッパでも中期旧石器時代のネアンデルタール人が骨器を作っていた。
▶ Malvina Baumann , Hugues Plisson, Serge Maury, Sylvain Renou, Hélène Coqueugniot, Nicolas Vanderesse, Ksenyia Kolobova, Svetlana Shnaider, Veerle Rots, Guillaume Guérin, William Rendu (2023) On the Quina side: A Neanderthal bone industry at Chez-Pinaud site, France. PLOS ONE, 18(6): e0284081. [PLOS ONE] - スーダン
- スーダンの紛争の激化が博物館や文化遺産に与える影響に、ICOMが憂慮。
▶Solidarity call for Sudanese Museums [ICOM] - USA
- ユタ州(State of Utah) プロヴォ(Provo)にあるヒンクリー・マウンズ遺跡(Hinckley Mounds)で、1000年前のフリーモント人(Fremont)の集落。バイソンの骨、鏃、土器、トウモロコシ濃厚の証拠など。[The Salt Lake Tribune]
2023年6月14日(水)
- 岐阜県
- 関市のシシ垣を中濃森林組合が破壊した問題で、関市は、壊れた箇所の復元は難しいとの考えを表明。[読売新聞]
▼関市のシシ垣関連記事→2023年3月9日 - 京都市
- 右京区・仁和寺(にんなじ)で、境内に立ち入っていた男に男性職員が殴られ、仁和寺の金堂の扉も傷つけられる。侵入した男は逮捕。[京都新聞]
- 韓国
- 忠清南道 天安市 聖居邑 天興里・天興寺跡(チョヌンサあと)で、石塔の後方に建物3棟。多院式の伽藍配置で、1塔3金堂型式。高麗時代初めの最大規模の王室寺院であると確認。[聯合ニュース]
▼天興寺跡関連記事→2021年5月17日 - 韓国
- 全羅南道 新安郡 黒山島の无心寺跡(ムシンサあと)で、統一新羅時代の建物跡や高麗時代の遺物。統一新羅時代の金堂跡は高麗時代中期の建物の下層から出土。「无心寺禪院」の銘文瓦によって寺名はわかっていたが、従来、創建や廃寺の年代は知られていなかった。仏教文化財研究所の調査。円仁の『入唐求法巡礼行記』と徐兢の『高麗図経』などには黒山島に中国の使者を迎える役所や、のろし台があったと記している。[NEWSIS]
▼无心寺跡関連記事→2016年7月17日 - 韓国
- 慶尚南道 昌原市 義昌区 鳳谷洞・鳳林寺跡(ポンニムサあと)で、金堂と推定される建物と塔跡、排水路などを確認。統一新羅末〜高麗初めの「九山禅門」の8番目。[聯合ニュース]
- 中国
- 浙江省 紹興市 越城区の大湖頭遺跡で東周時代の越国の大規模集落。原始磁器による楽器双3点と句鑃6点出土。越国の楽器セットが出土したのは初。コメやブドウなどの植物遺体も出土。[搜狐]
- ウクライナ
- ウクライナから戦火を避けてルーヴル美術館(Musée du Louvre)に移送された美術品が6/14からルーヴル美術館で公開へ。[NHK]
- ドイツ
- バイエルン州(Freistaat Bayern)ネルトリンゲン (Nördlingen)で、中期青銅器時代・紀元前14世紀後半の墓から銅剣。柄まで青銅で作り、保存状態も良好。この型式の銅剣は中央ヨーロッパでは墳丘墓時代(Hügelgräberzeit)の後半・紀元前1450年ごろに登場する。[WELT]
- フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France) ヴァル=ド=マルヌ県(Val-de-Marne) イブリー=シュル=セーヌ(Ivry-sur-Seine)で、新石器時代・紀元前5500年〜前2200年の建物と周溝。
▶Des bâtiments et une enceinte du néolithique à Ivry-sur-Seine (Val-de-Marne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - ノルウェー
- ヨートゥンヘイム山地(Jotunheimen)にあるテッセ湖(Tesse)の底で昨年夏にみつかった石器時代・紀元前5000年前の魚の罠を調査。湖底に多数の木柱を配置。新たな年代測定で、新石器時代・紀元前3700年にも漁がおこなわれていると判明。発電のため排水されたのち、山から雪解け水が流入するまでの間を利用して調査。
▶7,000-year old fish traps excavated in Norwegian mountain lake – a race against time as the water is coming in [Science Norway]
▼テッセ湖関連記事→2022年9月30日 - エジプト、スーダン
- ナイル川で、第1瀑布から第4瀑布まで、石造りの壁1300か所近くを発見。3000年前にさかのぼる治水技術によるもの。
▶Walls along River Nile reveal ancient form of hydraulic engineering [The University of Manchester]
▶ Matthew Dalton, Neal Spencer, Mark G. Macklin, Jamie C. Woodward, Philippa Ryan (2023) Three thousand years of river channel engineering in the Nile Valley. Geoarchaeology. [Wiley Online Library] - USA
- ノースカロライナ州(State of North Carolina)とサウスカロライナ州(State of South Carolina)の、パレオアメリカンの狩猟採集民によるキャンプ・サイトから出土したクローヴィス文化(Clovis Culture)の石器120点を法医学的手法で分析。血液からみて、マストドン象、マンモス象、絶滅種のウマなどの大型動物を狩猟。[The Conversation]
2023年6月13日(火)
- 岩手県
- 一関市・骨寺村荘園遺跡(ほねでらむらしょうえんいせき)で13世紀の灯明皿。陸奥国骨寺村絵図と重なる時期。一関市教育委員会の調査。6/17現地説明会。[岩手日報]
▼骨寺村荘園遺跡関連記事→2023年5月31日 - 沖縄県
- 南風原町・御宿井(ウスクガー)で、18世紀につくられたとみられる石畳や、グスク時代・16世紀以前の香炉。南風原町教育委員会の調査。[琉球新報]
- 韓国
- 全羅北道群山市に、国立海洋文化財研究所が、国立水中考古学教育訓練センター(仮称)を設立へ。文化財庁が、全羅北道、群山市、韓国農漁村公社と業務協約を締結。
▶郡山に水中考古学専門人材養成機関を設立推進 [文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁 - 韓国
- 郡谷里遺跡(クンゴンニいせき:Gungokri)の初期鉄器時代〜三国時代・紀元前150年〜紀元後400年の植物遺体や放射性炭素年代、土器に遺存するデンプンなどを分析。湿地と高地の双方で輪作を行い、土壌の栄養が失われたり海水で浸食されることに備えた。また、漁撈、貝の採集、狩猟、森林の延辺や湿地での野生植物の採集など、多様な食物資源を利用する 半農半漁の生活を示す。
▶ Hyunsoo Lee, Younghun Kim & Gyoung-Ah Lee (2023) Niche Construction of Ban-nong ban-eoh in Southwestern Korea: Archaeobotanical Data from the Early Iron to Three Kingdoms Periods. Journal of Field Archaeology. [Taylor & Francis Online] - モンゴル
- トルボル21遺跡(Толбор-21;Tolbor-21)で、後期旧石器時代・42000年前の男根形石製品。
▶ Solange Rigaud, Evgeny P. Rybin, Arina M. Khatsenovich, Alain Queffelec, Clea H. Paine, Byambaa Gunchinsuren, Sahra Talamo, Daria V. Marchenko, Tsedendorj Bolorbat, Davaakhuu Odsuren, J. Christopher Gillam, Masami Izuho, Alexander Yu. Fedorchenko, Dashdorjgochoo Odgerel, Roman Shelepaev, Jean-Jacques Hublin & Nicolas Zwyns (2023) Symbolic innovation at the onset of the Upper Paleolithic in Eurasia shown by the personal ornaments from Tolbor-21 (Mongolia). Scientific Reports, volume 13, Article number: 9545. [Scientific Reports] - ラオス
- タム・パ・リン洞窟(Tam Pà Ling)で、86000年前のホモサピエンス(Homo sapiens)の頭蓋骨と脛の骨。東南アジア最古のホモサピエンス。[LiveScience]
▶ Sarah E. Freidline, Kira E. Westaway, Renaud Joannes-Boyau, Philippe Duringer, Jean-Luc Ponche, Mike W. Morley, Vito C. Hernandez, Meghan S. McAllister-Hayward, Hugh McColl, Clément Zanolli, Philipp Gunz, Inga Bergmann, Phonephanh Sichanthongtip, Daovee Sihanam, Souliphane Boualaphane, Thonglith Luangkhoth, Viengkeo Souksavatdy, Anthony Dosseto, Quentin Boesch, Elise Patole-Edoumba, Françoise Aubaile, Françoise Crozier, Eric Suzzoni, Sébastien Frangeul, Nicolas Bourgon, Alexandra Zachwieja, Tyler E. Dunn, Anne-Marie Bacon, Jean-Jacques Hublin, Laura Shackelford & Fabrice Demeter (2023) Early presence of Homo sapiens in Southeast Asia by 86–68 kyr at Tam Pà Ling, Northern Laos. Nature Communications, volume 14, Article number: 3193. [Nature Communications] - イラン
- 東アーザルバーイジャーン州(Ostān-e Āzarbāyjān-e Sharqī;East Azarbaijan)のテペ・アルミデリ遺跡(Tepe Armideli)で、セルジューク朝〜イルハン朝・1037〜1335年のものとみられる建物遺構。[Tehran Times]
- イスラエル
- パルマヒム(Palmahim)海岸で古代エジプト・3000年前の土製のハトホル(Hathor)女神像。[Israel Today]
- イタリア
- トスカーナ州(Regione Toscana;Tuscany) グロッセート県(Provincia di Grosseto) ヴェトゥロニア(Vetulonia)の前期鉄器時代の墓地で出土した土器40点を分析。近隣の地質や材料と比較。製作工程や混和材の異なる2つの土器伝統が存在。
▶Lionello F. Morandi & Silvia Amicone (2023) Ceramic traditions and technological choices revealed by early Iron Age vessels: the case of Vetulonia (southern Tuscany). STAR: Science & Technology of Archaeological Research, Volume 9, 2023 - Issue 1. [Taylor & Francis Online] - チェコ
- プラハ(Praha;Prague)のパンクラーツ(Pankrác)収容所で、政治犯の墓地を発見。チェコスロバキア時代・1948〜1965年の80人以上の政治犯の火葬骨を発見。骨壺から出した状態。1947〜1954まで処刑場があった場所であるが、その後は1992年に記念施設が作られるまで使われていなかった場所。なぜジャーブリツェ(Ďáblice)墓地やモトル(Motol)に葬られなかったのかは謎。[Brno Daily]
- エストニア
- サーレマー島(Saaremaa)のアスヴァ墳丘墓(Asva)で、3000年前のオオムギなど。この地に青銅器時代やバイキング時代にヒトが居住していたことを示す。[Eesti Rahvusringhääling]
- スウェーデン
- セーデルマンランド県(Södermanlands län)チュィストベルガ(Tystberga)で男根形の石。男根形のシンボルはノルウェーでは同様の例が見つかっているが、スウェーデンでは珍しい。Uppdrag Arkeologiの調査。[Heritage Daily]
▼セーデルマンランド県(Södermanlands län)ニーショーピング(Nyköping) - UK(イングランド)
- ロンドン(London)のサザーク地区(Southwark)で、ローマ時代の墓廟。Museum of London Archaeology (Mola)の調査。[The Guardian]
- ペルー
- リマク(Rímac)にあるワカ・ラ・フロリダ(Huaca La Florida)で、紀元前1400年〜前1100年のミイラ。[Andina]
▼リマ郡(Provincia de Lima)
▼マンチャイ文化(Manchay)
2023年6月12日(月)
- 山口県
- 下松市・天王森古墳(てんのうもりこふん)で、巫女形埴輪や家形埴輪。巫女形埴輪は県内初。[中国新聞]
▼天王森古墳関連記事→2022年7月15日 - イラン
- 西アーザルバーイジャーン州(Ostān-e Āzarbāyjān-e Gharbī;West Azarbaijan)オシュナビーエ(Oshnavieh)で、初期イスラーム時代の集落。建物、窯、城壁など。[Tehran Times]
- イスラエル
- カルメル(Carmel)沖の東地中海にある先土器新石器時代・9267年前〜7970年前(Cal. BP)の水没集落アトリットヤム遺跡(Atlit-Yam)について海底の堆積コアを分析。熱で編成した層や、プラントオパールの集中域などを確認。人類の最古の痕跡は先土器新石器時代Bの半ばから後半・9859年前〜9323年前。地中海で最初の沿岸の新石器時代集落。
▶ Issac Ogloblin Ramirez, Elle Grono, Roni Zuckerman-Cooper, Dafna Langgut, Ehud Galili, David E. Friesem (2023) Microarchaeological approach to underwater stratigraphy of submerged settlements: A case study of Atlit-Yam Pre-Pottery Neolithic site, off the Carmel Coast, Israel. Geoarchaeology. [Wiley Online Library] - UK(イングランド)
- オックスフォードシャー州(the county of Oxfordshire)アインシャム(Eynsham)で、中期鉄器時代の集落と、前期青銅器時代の小児火葬墓。火葬墓からはイヌワシ(Golden Eagle)の指骨で作ったピン。
▶‘Eagle’-eyed archaeologists uncover Iron Age settlement and rare Bronze Age artefact [Cotswold Archaeology]
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