考古学のおやつ/NEWSLINK

2023年11月20日（月）

滋賀県: 栗東市・六地蔵遺跡で、古墳時代前期後半～後期初頭の小規模な方墳と円墳、計7基。公益財団法人滋賀県文化財保護協会11/20発表。11/23現地説明会。[産経新聞]
▶栗東市六地蔵遺跡の現地説明会の案内（11/23） [公益財団法人滋賀県文化財保護協会]
奈良県: 奈良県立橿原考古学研究所の発掘作業現場の委託業者等が提出する書類の複写及び原本を納めたファイルを紛失。
▶個人情報の紛失について [奈良県]
香川県: 丸亀市・快天山古墳（かいてんやまこふん）の後円部にある石棺3基のうち、少なくとも2基が同時に埋葬された可能性。丸亀市教育委員会の調査。12/2現地説明会。[四国新聞]
▼快天山古墳関連記事→2022年9月14日
スペイン: セビリア県（Sevilla；Seville）のバレンシナ・デ・ラ・コンセプシオン（Valencina de la Concepción）で出土した後期銅石器時代・紀元前3千年紀の土器と、地域内の粘土を分析。土器の大部分は在地以外の胎土を使用。バレンシナ・デ・ラ・コンセプシオンが当時の交換ネットワークの中心の役割を果たしていたことを示す。
▶ Mustafa Kibaroğlu, Thomas X. Schuhmacher, Alfredo Mederos, Frank Falkenstein, Juan Manuel Vargas, Regina Mertz-Kraus, Sinem Hacıosmanoğlu (2023) Investigating the Late Chalcolithic pottery production and consumption at Valencina de la Concepción (Seville, SW-Spain): An archaeometric analysis using petrographic and LA-ICP-MS techniques. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 53, February 2024, 104299. [ScienceDirect]
▼バレンシナ・デ・ラ・コンセプシオン関連記事→2018年1月27日
UK（イングランド）: ノーフォーク州（Norfolk）ノリッチ（Norwich）のホーシャム・セント・フェイス（Horsham St Faith）で、中世・13～14世紀の印章。修道士の持ち物とみられる。[BBC]
UK（イングランド）: ノーフォーク州（norfolk） ワイモンダム（Wymondham）で、中世・12世紀のスティーヴン王（Stephen）の銀貨を発見。続くヘンリー2世、ヘンリー3世の硬貨も。[BBC]
▼ワイモンダム関連記事→2019年5月5日

2023年11月19日（日）

福島県: 郡山市・正直古墳群（しょうじきこふんぐん）の支群Bで、10月に発見された1基に加え、新たに古墳1基。箱式石棺とみられる石材も発見。郡山市の調査。[福島民友新聞]
▼正直古墳群関連記事→2023年10月24日
石川県: 金沢市・南新保C遺跡（みなみしんぼしーいせき）で、奈良～平安時代の水路跡。L字状の船着き場だった可能性。金沢市埋蔵文化財センターの調査。[北陸中日新聞]
▼南新保C遺跡関連記事→2023年11月12日
中国: 四川省眉山市東坡区修文鎮十字卡村・「蘇墳園」が宋の文人・蘇軾（蘇東坡）の家族の墓地であることを確認。「大蘇墳園」は蘇軾の子供・蘇符の、「小蘇墳園」は蘇軾の曽孫・蘇山の墓。[中国新聞網]
イラン: テヘラン（Tehran）のサアダーバード宮殿（Sadabad）で、高度の彫刻が施された石材。サアダーバード宮殿は、ガジャール朝とパフレヴィー朝の夏の王宮だった。[Tehran Times]
イラン: セムナーン州（Ostān-e Semnān）ダムガーン郡（Damghan）のシャフル・エ・クーミス遺跡（Shahr-e Qumis）で、製粉所、運河、土器窯、貯蔵庫など。紀元前4400年～前3500年に建造。[Tehran Times]

2023年11月18日（土）

福島県: 福島市・西久保遺跡（にしくぼいせき）で出土した「鎮兵」に関する奈良～平安時代の木簡について、あらたに6字が判明し、「出羽国牒下野国司　鎮兵死□減之状不罪郡郷」の19字と判明。[福島民報]
▼西久保遺跡関連記事→2023年9月21日
宮崎県: 延岡市・田宮遺跡で、中世の建物跡や陶磁器など。土持氏の物資運搬拠点があった可能性。宮崎県埋蔵文化財センターの調査。[宮崎日日新聞]
中国: 四川省で旧石器時代の遺跡200か所を確認。もっとも古いものは20万年前。[四川在線]
パキスタン: シンド州（Sindh）ラルカナ（Larkana）のモヘンジョダロ遺跡（Mohenjodaro）で、土器に入った5.5kgにおよぶ銅貨。[ARY]
トルコ: アナトリア南西部のブルドゥル湖（Burdur Lake）地域にあるブルドゥル県（Burdur il）のクルチャイ・ヒュユク遺跡（Kuruçay Höyük）で出土した後期銅石器時代・紀元前3700年～前3300年の4つの堆積層で出土した土器片と粘土塊について、化学的・岩石学的分析。後期銅石器時代の各段階において、在地の2つの粘土供給源が、継続的に利用されたが、粘土の処理方法には変化。
▶ Gonca Dardeniz, Zeynep Tok, Tutku Tuncalı Yaman, Bülent Arıkan (2023) Chemical and mineralogical characterization of late chalcolithic pottery (ca. 3700–3300 BCE) from southwest Anatolia (Türkiye). Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 53, February 2024, 104304. [ScienceDirect]
ジョージア: レチュフミ地方（Lechkhumi）の後期青銅器時代の銅溶解遺構で出土した植物遺体を分析。後期青銅器時代・紀元前13～前9世紀には、現在よりも温暖な気候。遺跡近隣の森林ではヒトが燃料などとして利用し、小規模な農業も行われていた。
▶ Eliso Kvavadze, Rusudan Chagelishvili, Nana Rezesidze, Brian Gilmour, Tamar Beridze, Nika Tatuashvili, Nino Sulava (2023) Palynological study of archaeometallurgical artefacts from the Late Bronze Age copper smelting sites (Georgia): First results. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 53, February 2024, 104300. [ScienceDirect]
UK（スコットランド）: アバディーンシャー州（Aberdeenshire）バハン（Buchan）で、13世紀の鹿の修道院（Deer Abbey）隣接地から、10世紀の修道院跡。スコットランド・ゲール語の最古の文字記録「鹿の書」（Book of Deer）が書かれた場所。[The National]
中央アフリカ共和国: バブンゲ1遺跡（Baboungué 1）、バブンゲ2遺跡（Baboungué 2）で1960年代に出土したアフリカ前期石器時代（Early Stone Age）の石器90点を分析。
▶ Eugenius Olafianto Drespriputra Wisnuwardhana, Isis Mesfin, David Pleurdeau (2023) Technological analysis of the Baboungué collections, Central African Republic: New data on the Early Stone Age macro-tools. L'Anthropologie. [ScienceDirect]
USA: フロリダ州（State of Florida）のビスケーン湾（Biscayne）で、1906年10月18日にハリケーンで沈んだ蒸気船「セント・ルーシー」（St. Lucie）の錨。[CBS News]

2023年11月17日（金）

岩手県: 花巻市・折居遺跡（おりいいせき）で、縄文時代前期の集落。竪穴住居3棟、土坑45基。公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターの調査。11/23現地説明会。
▶折居遺跡現地説明会を開催します [公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター]
▼折居遺跡関連記事→2023年10月31日
宮城県: 東松島市・赤井官衙遺跡（あかいかんがいせき）で、過去最大規模の倉庫とみられる建物跡や竪穴建物跡など。東松島市教育委員会の調査。11/18現地説明会。[河北新報]
▼赤井官衙遺跡関連記事→2022年10月9日
茨城県: 桜川市・真壁城跡（まかべじょうあと）で、鉄砲の部品「雨覆（あまおい）」が出土。桜川市教育委員会11/9発表。11/18現地説明会。[茨城新聞]
愛知県: 小牧市・小牧山主郭地区第4工区で、織田信長築城時の遺構。小牧市教育委員会の調査。
▶史跡小牧山主郭地区第4工区発掘調査現地公開のお知らせ [小牧市]
奈良県: 高市郡明日香村・飛鳥宮跡（飛鳥京跡第190次調査）で、内郭西北部の遺構の様相が明らかに。奈良県立橿原考古学研究所の調査。11/25-26現地説明会。
▶史跡飛鳥宮跡（飛鳥京跡第190次調査）現地説明会のご案内 [奈良県立橿原考古学研究所]
▼飛鳥宮跡関連記事→2022年11月4日
和歌山県: 新宮市・八反田遺跡で、弥生時代中期～後期の大量の弥生土器、石器、杭列など。新宮市教育委員会の調査。11/18現場公開。[紀伊民報]
鳥取県: 湯梨浜町・長瀬高浜遺跡（ながせたかはまいせき）で、古墳時代前期の竪穴建物跡から、炭の周囲に環状の土手を作った「灰穴炉」。公益財団法人鳥取県教育文化財団の調査。11/18現地説明会。[日本海新聞]
ベトナム: 紅河デルタのダウラム遺跡（Đầu Rằm）での軟玉（nephrite）製の玉環製作は、放射性炭素年代で紀元前2千年紀前半にあたり、チャンケイン遺跡（Tràng Kênh）と同時期。
▶Isabella Shaw, Nguyễn Thị Thúy, Bùi Xuân Tùng, Elle Grono, Rachel Wood, Cristina Castillo Cobo, Peter Bellwood, Philip J. Piper, Lâm Thị Mỹ Dung (2023) Đầu Rằm: A nephrite ring manufacturing settlement in the northern Red River Delta. Archaeological Research in Asia, Volume 36, December 2023, 100488. [ScienceDirect]
イスラエル: テル・ゲゼル遺跡（Tel Gezer）で出土した炭化した種子の放射性炭素年代測定。測定値は紀元前13世紀～前9世紀に及び、紀元前1200年ごろに都市は破壊された。古代エジプトのメルエンプタハ王（Merenptah）の攻撃、あるいは青銅器文化の崩壊に伴う。また、中央集権への移行は紀元前10世紀前半までさかのぼる。従来の研究で、テル・ゲゼル遺跡は、紀元前4千年紀末に居住が始まる。紀元前2千年紀前半に城塞都市となり、古代エジプト・トトメス3世（Thutmose III：在位紀元前1479年～前1425年）の遠征に伴う火災で焼失したとされている。[Heritage Daily]
▶ Lyndelle C. Webster, Samuel R. Wolff, Steven M. Ortiz, Marcella Barbosa, Cameron Coyle, Gary P. Arbino, Michael W. Dee, Quan Hua, Geraldine E. Jacobsen (2023) The chronology of Gezer from the end of the late bronze age to iron age II: A meeting point for radiocarbon, archaeology egyptology and the Bible. PLOS ONE, 18(11): e0293119. [PLOS ONE]
▼テル・ゲゼル遺跡関連記事→2023年1月8日
イスラエル、パレスチナ: イスラエル・ガザ戦争に伴う非人道的行為に対し、考古学研究会常任委員会が抗議声明。
▶イスラエル・ガザ戦争における軍事行動に抗議します [考古学研究会]
トルコ: ガズィアンテプ（Gaziantep）の古代都市ドリケ（Δολίχη；Doliche）で、印章2000個以上。[Heritage Daily]
▼ドリケ関連記事→2021年10月29日
トルコ: デュズジェ県（Düzce ili）コヌラルプ郡（Konuralp）の古代都市プルシアス・アド・ヒュピウム（Prusias ad Hypium）で、ライオンを表したモザイク。[Hürriyet Daily News]
▼プルシアス・アド・ヒュピウム関連記事→2022年8月22日
フランス: オクシタニー地域圏（Occitanie）エロー県（Hérault）クレルモン＝レロー（Clermont-L’Hérault）の中世の城の円塔の付近で、彫h合計の建物遺構。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶L’étude d’un château médiéval à Clermont-L’Hérault (Hérault) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
UK（スコットランド）: ヘレンズバラ（Helensburgh）のソーミル・フィールド（Sawmill Field）で、青銅器時代の墓地。もっとも古い石棺墓は紀元前2467～前2290年。最大の石棺墓は紀元前2140年～前1930年で、火葬骨は遺存するが副葬品はない。多くの墓では大人2人と子供1人を埋葬。このほか、新石器時代・紀元前3500年の積石塚、紀元前8400年ごろのフリント製石器も。GUARD Archaeologyの調査。[Helensburgh Advertiser]
エジプト: ギザ（Giza）の堆積を分析し、古王国第4王朝・紀元前2613年～前2494年のクフ港の古代地形を復元。ピラミッド建設のために造られた水路。
▶ Gamal Younes, Nick Marriner, David Kaniewski, Hader Sheisha, Zhongyuan Chen, Asem Salama, Gad El-Qady, Christophe Morhange (2023) The pyramid builders' waterways: Reconstructing the ancient topography of Khufu’s Pharaonic Harbour at Giza, Egypt. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 53, February 2024, 104303. [ScienceDirect]

2023年11月16日（木）

石川県: 七尾市・矢田遺跡（やたいせき）で、古墳時代中期を中心とする川跡から多量の木製品。また、弥生時代終末から古墳時代初頭の大型建物跡。石川県埋蔵文化財センターの調査。
▶七尾市矢田遺跡　令和5年度の発掘調査が終了しました [公益財団法人石川県埋蔵文化財センター]
▼矢田遺跡関連記事→2023年7月26日
トルコ: カイセリ県（Kayseri il）・キュルテペ遺跡（Kültepe）で、4300年前のアシを編んだマット。[Hürriyet Daily News]
バルト海東部: バルト海東部のリトアニアからフィンランドに至る地域では、最初の農耕民は、狩猟採集民とともに生活し、異なる食生活や埋葬習慣を維持。紀元前4千年紀に土器が出現し、紀元前2900年～前2700年に縄目文土器文化（Corded Ware culture）とともに農耕・牧畜がもたらされたが、在地の狩猟採集民と長く並存。紀元前2千年紀に青銅器文化とともに本格的な農耕が始まる。
▶Eastern Baltic's first farmers and hunter-gatherers lived together, but apart [Nauka w Polsce]
▶ Ester Oras, Mari Tõrv, Kristiina Johanson, Eve Rannamäe, Anneli Poska, Lembi Lõugas, Alexandre Lucquin, Jasmine Lundy, Samantha Brown, Shidong Chen, Liivi Varul, Vanda Haferberga, Dardega Legzdiņa, Gunita Zariņa, Lucy Cramp, Volker Heyd, Michaela Reay, Łukasz Pospieszny, Harry K. Robson, Kerkko Nordqvist, Carl Heron, Oliver E. Craig and Aivar Kriiska (2023) Parallel worlds and mixed economies: multi-proxy analysis reveals complex subsistence systems at the dawn of early farming in the northeast Baltic. Royal Society Open Science, Volume 10, Issue 10. [The Royal Society]
スペイン: バレンシナ・デ・ラ・コンセプシオン（Valencina de la Concepción）で出土した、銅石器時代・紀元前2900年～前2650年ヒト70人と動物22人から採取された170試料を分析。特に社会的エリートに高濃度の水銀の影響が見られ、それ以外の人々にも水銀の影響。辰砂（Cinnnabar）の生産や儀式などでの使用による。
▶ Leonardo García Sanjuán, Raquel Montero Artús, Steven D. Emslie, José Antonio Lozano Rodríguez & Miriam Luciañez-Triviño (2023) Beautiful, Magic, Lethal: a Social Perspective of Cinnabar Use and Mercury Exposure at the Valencina Copper Age Mega-site (Spain). Journal of Archaeological Method and Theory. [SpringerLink]

2023年11月15日（水）

東京都: 港区・JR田町駅近くの線路近から、高輪築堤とみられる石垣。港区教育委員会の調査。[読売新聞]
愛知県: 西尾市・掛梨遺跡で、多量の古墳時代の製塩土器。西尾市教育委員会の調査。11/25現地説明会。
▶掛梨遺跡の発掘調査現地説明会[西尾市]
島根県: 雲南市・菅谷たたら山内（すがやたたらさんない）の鉄池（かないけ）は、素掘りの池を改修したもの。三軒長屋の敷地は石垣を積んでは拡張された。雲南市教育委員会の調査。11/23現地説明会。
▶菅谷たたら山内発掘調査現地説明会のご案内 [雲南市]
北九州市: 門司区で、初代門司駅舎外郭の一部とみられる石垣遺構を新たに確認。1891年建造。隣接する機関車庫の一部とみられる赤れんが遺構も出土。北九州市芸術文化振興財団の調査。11/19現地説明会。[西日本新聞]
▶旧門司駅舎跡発掘調査の現地説明会実施のお知らせ[北九州市]
韓国: 京畿道楊州市・大母山城（テモさんじょう）の集水施設から、弓裔（クン・イェ；？～918年）の建てた「泰封」国の年号「政開」を刻んだ916年の木簡。八角に加工され、6面に合わせて120字を記す。泰封に関する木簡は初めて発見された。[聯合ニュース]
▼大母山城関連記事→2021年12月21日
韓国: 大邱市北区・鳩岩洞古墳群（クアムドンこふんぐん）の304号墳で、平面「日」字形の埋葬主体部を持つ6世紀の古墳。主体部内に隔壁を設置して、被葬者を安置した主槨と副葬品を納める副槨を分ける。鳩岩洞古墳群は三国時代・新羅の古墳群。従来、同古墳群では主槨と副槨が横に並ぶ「11」字形埋葬主体部が確認されていた。[聯合ニュース]
ポーランド: オイツフ（Ojców）のオイツフ城（Zamek w Ojcowie）で、16世紀後半～17世紀初めのモルモット（Cavia porcellus；Guinea pig）の遺体。ペットとして持ち込まれた可能性。
▶ Joanna Religa-Sobczyk, Michał Wojenka, Mateusz Baca, Danijela Popović, Piotr Wojtal (2023) Guinea pig remains from the XVIth century Ojców castle (southern Poland). Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 52, December 2023, 104293. [ScienceDirect]
ポーランド: サノク郡（powiat sanocki；Sanok County）マニュフ（Maniów）で、鐘楼跡から教会の鐘を再発見。第二次大戦中に隠された。[The First News]
▼ポトカルパチェ県（Województwo podkarpackie；Podkarpacie）
ノルウェー: トロンデラーグ県（Trøndelag）レカ（Leka）のヘルラウグスハウゲン（Herlaugshaugen）で、スカンディナヴィア最古、700年ごろの船葬墓。Snorre’s royal sagasでヘルラウグ王（Herlaug）王の埋葬地とされる[Arkeonews]
UK（イングランド）: ロンドン（London）のセント・パンクラス（St Pancras）で救貧院（workhouse）跡の壁や暖炉を調査。しっくい壁はカラフルに装飾。チャールズ・ディケンズ（Charles Dickens）の小説『オリヴァー・ツイスト』（Oliver Twist）で登場する救貧院のモデルの可能性。[The Guardian]
UK（イングランド）: ノッティンガムシャー州（Nottinghamshire）ニューアーク（Newark）のミドル・ベック（Middlebeck）で、ローマ時代の土器窯73基や、3000年前の環濠や同心円の列柱。[BBC]
カナダ: ブリティッシュコロンビア州（British Columbia）のゴート山（Goat Mountain）とキツ高原（Kitsu Plateau）で、後退する氷床の下から、樹皮を縫って作った容器や、木の杖、複雑に肇国された棒、投げ槍の柄、革のブーツなど。放射性炭素年代で、HiTq-13遺跡で3000年前～1500年前、HiTq-17遺跡で6200年前～5300年前、HiTq-18遺跡では6900年前～6750年前。いずれも黒曜石のノジュール、剥片、石器などを多量に伴っており、黒曜石の採掘に伴うとみられる。[Heritage Daily]
▶ Duncan McLaren, Brendan Gray, Rosemary Loring, Ts̱ēmā Igharas Igharas, Rolf Mathewes, Lesli Louie, Megan Doxsey-Whitfield, Genevieve Hill & Kendrick Marr (2023) Ice Patches and Obsidian Quarries: Integrating Research Through Collaborative Archaeology in Tahltan Territory. Journal of Field Archaeology. [Taylor & Francis Online]

2023年11月14日（火）

愛知県: 田原市・伊川津貝塚（いかわづかいづか）で、縄文時代・3000年前のイヌの墓から貝殻製アクセサリー。田原市教育委員会の調査。[共同通信]
▼伊川津貝塚関連記事→2022年5月19日
鳥取県: 東伯郡湯梨浜町・長瀬高浜遺跡（ながせたかはまいせき）で、古墳時代初めごろ・1700年前の竪穴建物跡、古墳時代後期の古墳、平安時代終わりごろの建物群、鎌倉時代の畠跡など。公益財団法人鳥取県教育文化財団の調査。11/18現地説明会。
▶令和5年度長瀬高浜遺跡の現地説明会を開催します！ [鳥取県]
イラン: ハマダーン州（Hamedan）で、紀元前1千年紀の土器や青銅器17点。[Iran Front Page]
トルコ: カラビュック県（Karabük il）エスキパザール郡（Eskipazar）の古代都市ハドリアノポリス（Hadrianopolis）で、厨房跡から出土した土器の中に1600年前の種子。[Hürriyet Daily News]
▼ハドリアノポリス関連記事→2022年9月27日
トルコ: ムーラ県（Muğla il）ヤタアン郡（Yatağan）の古代都市ストラトニケイア（Στρατoνικεια；Stratonikeia）で、ローマ時代の浴場から1900年前の子供の足跡。[Anadolu Ajansı]
▼ストラトニケイア関連記事→2021年2月11日
トルコ: チョルム県（Çorum）にある古代都市ハットゥシャ（Hattuşa）で、鉄器時代・2800年前の象牙細工。スフィンクス、ライオン、生命の樹を描く。木製品に取りつけた装飾か。[Arkeonews]
セルビア: コストラツ（Костолац；Kostolac）の古代ローマ都市ウィミナキウム（Viminacium）で、大規模建築の廃棄物から、ローマ時代の男根の形の魔除けの風鈴ティンティンナブルム（tintinnabulum）。[LiveScience]
▼ウィミナキウム関連記事→2020年11月26日
イタリア: エミリア街道（Via Emilia）沿いのオッツァーノ・デッレミーリア（Ozzano dell'Emilia）の古代都市クラテルナエ（Claternae）で、ローマ時代の硬貨3000枚。[Heritage Daily]
イタリア: トスカーナ州（Regione Toscana；Tuscany）シエーナ県（Provincia di Siena）サン・カシャーノ・デイ・バーニ（San Casciano dei Bagni）で、温泉の泥の中から2300年前の青銅の彫像24体。エトルリアの神像のほか、ヒュギエイア女神（Υγίεια；Hygieia）、アポロン神（Ἀπόλλων；Apollon）など、グレコローマン時代の神像を含む。[Greek City Times]
▼サン・カシャーノ・デイ・バーニ関連記事→2022年11月8日
ドイツ: ビルツィングスレーベン遺跡（Bilzingsleben）で出土した更新世中期、前期旧石器時代・40万年前の動物群を分析。ビーバーの骨に、系統的なビーバー狩猟を示すカットマーク。若い成獣を狙う狩猟の繰り返し。
▶ Sabine Gaudzinski-Windheuser, Lutz Kindler & Wil Roebroeks (2023) Beaver exploitation, 400,000 years ago, testifies to prey choice diversity of Middle Pleistocene hominins. Scientific Reports, volume 13, Article number: 19766. [Scientific Reports]
フランス: ブルゴーニュ＝フランシュ＝コンテ地域圏（Bourgogne-Franche-Comté）ニエーヴル県（Nièvre）ヌヴェール（Nevers）の大聖堂地区で、5～6世紀にさかのぼる可能性のあるモザイク。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶Suivis archéologiques dans le centre historique de Nevers (Nièvre) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
盗用: 京都新聞の夕刊「現代のことば」欄に掲載した大阪経済大学教授の相原正道氏のコラムに、日本経済新聞や京都新聞の記事からの盗用。相原氏は京都新聞社の聞き取りに対し、「研究論文と違い、新聞記事での引用の認識が甘かった。」と謝罪した。[京都新聞]
▽「研究論文と違い、新聞記事での引用の認識が甘かった」との言い訳がひどすぎる。これでよく大学教授になれたものだ。

2023年11月13日（月）

トルコ: カイセリ県（Kayseri il）インジェス郡（İncesu）オレンシェヒル（Örenşehir）で、4世紀の邸宅跡から、中央アナトリア最大の床面モザイク。[Arkeonews]
トルコ: メルスィン県（Mersin il）アナムル（Anamur）にある古代の都市アネムリウム（Anemurium）で、ローマ時代・1800年前の重要人物を表したとみられる女性像出土。1500年前の大地震で埋没。[Hürriyet Daily News]
▼アネムリウム関連記事→2022年9月27日

2023年11月12日（日）

石川県: 金沢市・南新保C遺跡（みなみしんぼしーいせき）で、弥生時代～古墳時代の建物跡、方形周溝墓、奈良・平安時代の溝、土器や須恵器、墨書土器、勾玉やガラス玉など。金沢市埋蔵文化財センターの調査。11/18現地説明会。
▶南新保C遺跡発掘調査現地説明会を開催します [金沢市埋蔵文化財センター]
▼南新保C遺跡関連記事→2023年1月6日
韓国: 全羅北道高敞郡・胎峰土城（テボンどじょう）で馬韓の環濠、木柵、祭儀遺構。また、魏志韓伝の「立大木縣鈴鼓」の記述に対応するとみられる柱穴。馬韓の「牟盧卑離国」の儀礼に関連。[全北日報]

2023年11月11日（土）

韓国: 江原道平昌で、国立朝鮮王朝実録博物館11/12開館。朝鮮王朝実録と朝鮮王朝儀軌が1913年に日本に持ち出されて以来、110年ぶりの里帰り。[朝鮮日報]
セルビア: カルパチア盆地南部では青銅器時代前期～中期の集落ネットワークが紀元前16世紀に崩壊し、衰退すると考えられていたが、実際には気候変動に適応して、後期青銅器時代に新たに湿地や水路の付近に集落を移して新たな景観を形成。青銅器時代のヨーロッパ最大の集落の形成に至る。
▶ Barry Molloy, Dragan Jovanović, Caroline Bruyere, Marta Estanqueiro, Miroslav Birclin, Lidija Milašinović, Aleksandar Šalamon, Kristina Penezić, Christopher Bronk Ramsey, Darja Grosman (2023) Resilience, innovation and collapse of settlement networks in later Bronze Age Europe: New survey data from the southern Carpathian Basin. PLOS ONE, 18(11): e0288750. [PLOS ONE]
フランス: オー＝ド＝フランス地域圏（Hauts-de-France）オワーズ県（Oise）エストレ＝サン＝ドニ（Estrées-Saint-Denis）のムーラン・ブリュレ遺跡（Moulin Brûlé）で、鉄器時代2期～ローマ時代の経済と信仰の中心地。
▶Nouvelles données sur le sanctuaire du « Moulin Brûlé » à Estrées-Saint-Denis (Oise) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
ノルウェー: オスロ（Oslo）のビョルヴィーカ（Bjørvika）で今年3月に発見された中世の王の桟橋は、木材が年輪年代法により1288年に伐採されたことがわかり、王の桟橋であることを確認。[Science Norway]
▼ビョルヴィーカ関連記事→2023年5月16日
ノルウェー: ヴェストラン県（Vestland）セリエ（Selje）のヴェストカップ（Vestkapp）で、新石器時代・4000年前の石棺墓（hellekistegrave）。長さ4m、幅2m。このタイプの石棺墓は、従来ブスケルー県（Buskerud）、エストフォル県（Østfold）やデンマークで見つかっていたが、ノルウェー西部では初た。ノルウェー西部への農耕の伝播の手がかり。[Arkeonews]
南アフリカ: ライジングスター洞窟（Rising Star cave system）で出土したホモ・ナレディ（Homo naledi）の人骨について、意図的な埋葬が行われているという説や、岩に意図的に刻んだロックアートがあるという説があり、現在査読中の論文や、メディアの論文もあるが、いずれも自然現象によるものの可能性を排除するだけの科学的根拠はない。
▶ María Martinón-Torres, Diego Garate, Andy I.R. Herries, Michael D. Petraglia (2023) No scientific evidence that Homo naledi buried their dead and produced rock art. Journal of Human Evolution. [ScienceDirect]
メキシコ: チチェン・イッツァ遺跡（Chichén Itzá）のカーサ・コロラダ建築群（Casa Colorada）のうち、モーズリーの神殿6（Maudslay’s Temple 6）から、戦士の像の頭部。マヤ文明の羽毛の蛇ククルカン（Kukulcán）を暗示。メキシコ国立人類学歴史学研究所（Instituto Nacional de Antropología e Historia）の調査。[Mexico News Daily]

キーワード検索日付検索
最新ニュース

ニュース編年表

きまぐれNEWSLINK：2023年11月中旬