2023年11月10日(金)
- 仙台市
- 青葉区・仙台城大手門跡で、大手門の礎石跡と思われる根固め遺構3か所。また、大手門脇櫓の西側で石組の側溝。大手門や脇櫓に付属する雨落ち溝と推定。仙台市の調査。11/19現地説明会。
▶仙台城大手門跡の発掘調査成果を公開します[仙台市] - 神奈川県
- 茅ヶ崎市・居村B遺跡(いむらびーいせき)で、平安時代の水田跡から炭化したもみ殻。また、江戸時代の足跡も。茅ヶ崎市の調査。11/11現地説明会。[タウンニュース]
▼居村B遺跡関連記事→2023年9月11日 - ニュージーランド
- オタゴ地方(Otago)ダニーデン市(Dunedin)で、皮なめしに関連したれんが造りの遺構。1875年に火災で焼失した会社「Coombs & Son Tannery」のもの。[Otago Daily Times]
- スペイン
- カラバカ・デ・ラ・クルス(Caravaca de la Cruz)のカミーノ・デル・モリーノ遺跡(Camino del Molino)で出土した銅石器時代・4500年前の女性の頭部に、2度にわたり外科手術を受けた跡。孔の縁が明瞭で、孔からの放射状の亀裂もできていないことから、負傷ではなく人為的なものと判断。2つの孔が重複しており、2度の手術の後も生存。[LiveScience]
▶ Sonia Díaz-Navarro, María Haber Uriarte, Rebeca García-González (2023) Holes in the Head. Double cranial surgery on an individual from the Chalcolithic burial site of Camino del Molino (SE Spain). International Journal of Paleopathology, Volume 43, December 2023, Pages 22-30. [ScienceDirect]
▼カミーノ・デル・モリーノ遺跡関連記事→2023年6月9日
2023年11月9日(木)
- 群馬県
- 高崎市・北谷遺跡(きたやついせき)で、古墳時代の豪族居館を囲う柵の跡。高崎市教育委員会の調査。[上毛新聞]
- 京都府
- 宮津市・丹後国分寺跡(たんごこくぶんじあと)で、基壇状の石組と、礎石の可能性がある遺構。奈良時代の僧房などの施設の可能性があり、雪舟による「天橋立図」にも描かれた建物とみられる。京都府教育委員会の調査。11/11現地説明会。
▶国指定史跡 丹後国分寺跡の発掘調査に関する現地説明会開催のお知らせ[京都府教育委員会] - 韓国
- 軍浦市 山本洞 朝鮮白磁窯跡で、新たに窯や作業場などを発見。[京仁日報]
- 韓国
- 金海市・鳳凰洞遺跡(ポンファンドンいせき)で、朝鮮時代前期に築造され、純宗2年(1908年)に統監府の命令で破壊された社稷壇。大成洞古墳博物館の調査。社稷壇は、土地の神や穀物の神を祀る施設で、春と秋に社稷祭を執り行った。[慶南日報]
▼鳳凰洞遺跡関連記事→2019年1月9日 - 中国
- 黒龍江省・洪河遺跡(Honghe)で出土した4400年前〜4100年前の人骨41体には胴部を欠く。分析された41体は、すべて女性か子供。うち32体は、1回の出来事で殺される。斬首を伴う大虐殺。[LiveScience]
▶ Guoshuai Gao, Qun Zhang, Xiaofan Sun, Wei Zhang, Quanchao Zhang & Qian Wang (2023) The largest headhunting event in prehistoric Asia: evidence of mass decapitation at the 4100-year-old Neolithic Age Honghe site, Heilongjiang, China. Archaeological and Anthropological Sciences, volume 15, Article number: 144. [SpringerLink]
▼黒龍江省 チチハル市 富拉爾基区 ドゥルメンチン・ダウール族郷
▼洪河遺跡関連記事→2017年11月3日 - 中国
- 陝西省 咸陽市 渭城区 碱灘村で戦国時代晩期の秦の平民の墓地[中国新聞網]
- インド
- ゴア州(Goa)サッタリー(Sattari)で、ポルトガル統治時代・17世紀の銅貨826枚が土器に入った状態で見つかる。[The Goan Everyday]
- ヨルダン
- ヨルダン南部の後期旧石器時代初頭のアハマル文化(Ahmarian)で増加するチャート石材に関して力学的性質を定量化し、原料の質を分析。細粒チャートは割れ方の予想はしやすいが、内部亀裂が多い。
▶ Eiki Suga, Kazuhiro Tsukada, Oday Tarawneh, Sate Massadeh & Seiji Kadowaki (2023) Explaining the Increase in “High-quality Chert” in the Early Upper Paleolithic Artifacts in Southern Jordan: Quantitative Examination of Chert Mechanical Properties and Fracture Predictability. Journal of Paleolithic Archaeology, volume 6, Article number: 35. [SpringerLink] - ポーランド
- シュチェチン(Szczecin)で、アメリカドルとロシアルーブル、合計70枚の埋納。[Heritage Daily]
- ドイツ
- ザーレ郡(Saalekreis)オッピン(Oppin)で、ローマ時代・2〜3世紀の裕福な女性の墓。青銅製の装身具を副葬。縄目文土器文化(Schnurkeramische Kultur;Corded Ware culture)・4000年前の墓2基も。[Die Zeit]
▼ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)
2023年11月8日(水)
- 長野県
- 長野市・将軍山古墳は前方後円墳と判明。円墳と考えられていたが、国土地理院が公開している起伏図を見た市民から連絡があり、専門家を交えて現地で確認。[FNN]
- 島根県
- 奥出雲町で、前方後円墳を新たに77基発見。[山陰中央新報]
- 韓国
- 慶尚南道金海市亀山洞・亀旨峰文化財区域(クジボンぶんかざいくいき)で、加耶時代以前の生活遺跡。青銅器時代後半・紀元前4世紀前後の竪穴78基ち溝状遺構8条、大量の無文土器など。[聯合ニュース]
- バヌアツ
- ヴァオ遺跡(Vao)で出土した装飾されたラピタ土器(Lapita pottery)を分析。大部分は在地産であるが、在地の多様な胎土を使用し、大半はマレクラ島(Malakula)で入手可能であるが、2試料ではエファテ島(Efate)由来の混和材を使用。胎土の多様性は、装飾、器形、埋葬への使用などに対する意図的な戦略に基づく可能性。
▶ Mathieu Leclerc, Tracey Pilgrim, Kristine Hardy, Matthew Spriggs, Stuart Bedford & Numa F. Longga (2023) The intentional variability of Lapita pottery fabrics. The Journal of Island and Coastal Archaeology. [Taylor & Francis Online] - イラン
- クーエ・フワジャ遺跡(Kuh-e Khwaja)で出土したパルティア時代の赤と青に染められた繊維を分析。毛にアイやアカネで染めた。
▶ Alireza Koochakzaei, Hossein Sarhaddi-Dadian, Omid Oudbashi, Mohsen Mohammadi Achachluei, Hossein Moradi (2023) Parthian dyed fabric discovered from Kuh-e Khwaja archaeological site, Sistan, Iran: A multi-analytical study for dye identification. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 52, December 2023, 104288. [ScienceDirect] - トルコ
- ディヤルバクル県(Diyarbakır) チュナル郡(Çınar)のゼルゼヴァン城(Zerzevan Kalesi;Zerzevan Castle)にあるローマ時代の軍駐屯地跡で、1900年前のミトラ神殿の入り口。[Hürriyet Daily News]
▼ゼルゼヴァン城関連記事→2023年9月1日 - ポーランド
- 西ポモージェ県(Województwo zachodniopomorskie)スタルガルト郡(Powiat stargardzki)で、第二次世界大戦時のドイツによる捕虜収容所(POW camp)シュタラークII-D(Stalag II-D Stargard)跡から、民間人の集団墓。[The First News]
- ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen)ハルターン・アム・ゼー(Haltern am See)のローマ軍駐屯地で、神殿跡2基。[Heritage Daily]
- タンザニア
- ムンバ岩陰遺跡(Mumba)の1977年にメールマン(Mehlman)が行った発掘で出土したが未報告だった更新世後期の黒曜石と、ダチョウの卵の殻のビーズを分析。黒曜石原料の長距離交易を証明し、またダチョウの卵の殻のビーズについては法量が長期にわたり変化しないという特徴を見出す。
▶ Rebecca Kraus, Amandus Kwekason, Ellery Frahm, Christian A. Tryon (2023) New data from old collections: Obsidian and ostrich eggshell beads from the 1977 Mehlman excavations at Mumba rockshelter, Tanzania. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 52, December 2023, 104262. [ScienceDirect]
2023年11月7日(火)
- 埼玉県
- 富士見市・氷川前遺跡(ひかわまえいせき)の第99-1地点で、弥生時代の集落跡、縄文時代の貝塚など。富士見市教育委員会の調査。11/18遺跡見学会。
▶氷川前遺跡 遺跡見学会のお知らせ [富士見市] - 広島市
- 中区の県庁第1駐車場跡地で、旧陸軍西練兵場跡や被爆した可能性がある陶磁器、瓦など。広島県の調査。[中国新聞]
- 韓国
- 全羅北道 高敞郡 雅山面 鳳徳里・鳳徳古墳(ポンドクこふん)で、横穴式石室。1墳丘に1主体部を置くのは百済のやり方だが、副葬品は近隣の古墳群と同じく馬韓のもの。馬韓勢力が百済の墓制を取り入れた事例。[中島日報]
- アルバニア
- ドゥラス(Durrës)でローマ時代の円形闘技場の近くから、1世紀末〜2世紀初めのモザイク。青と白の位置で幾何学文様や花文様を表す。ドゥラスは古代ローマ都市デュッラキウム(Dyrrhachium)に当たる。4世紀にはエピルス・ノヴァ属州(Epirus Nova)の首都となった。[Arkeonews]
- ハンガリー
- ブダペストのハンガリー国立博物館(Magyar Nemzeti Múzeum;;Hungarian National Museum)の館長ラースロー・シモン(László L. Simon)氏が、LGBTに関連した写真を18歳未満に観覧可能な状態で展示したことを理由に罷免。シモン氏は、18歳未満の入場を制限する命令に従ったと反論。[BBC]
- ドイツ
- ノルトライン=ヴェストファーレン州(Land Nordrhein-Westfalen)クサンテン(Xanten)のビルテン区(Birten)にあるウェテラ・カストラ駐屯地(Vetera Castra)跡で、レーダー探査により、ローマ時代・2000年前の宮殿跡を発見。68〜70年のバタウィ人(Batavi)の反乱のときに破壊されたものか。[Westfälischer Anzeiger]
- エジプト
- アマルナ(Amarna)の北砂漠墓地(North Desert Cemetery)3号墓(Tomb 3)の女性被葬者3051号はに3000年前の卵巣腫瘍。腫瘍の中には2本の歯があり、奇形腫の最古例。被葬者3051号は18〜21歳程度の女性で、ベス神の表される指輪をつける。[LiveScience]
▶ Gretchen R. Dabbs, Anna Stevens, Melinda King Wetzel (2023) A mature ovarian teratoma from New Kingdom Amarna, Egypt. International Journal of Paleopathology, Volume 43, December 2023, Pages 99-105. [ScienceDirect] - スーダン
- バユダ砂漠(Bayuda Desert)のワーディー・アブー・ドゥーム(Wadi Abu Dom)にあるガザーリ修道院(Ghazali monastery)の墓地で出土した中世の人骨の同位体分析で、出身地や食生活を推定。修道士は一般市民よりもバラエティー豊かな食生活で、肉も多く摂取し、社会的地位も高い。修道士はアフリカの各地から集まっていた。
▶Badacze UW wiedzą coraz więcej o życiu mnichów średniowiecznego Ghazali [Nauka w Polsce]
▶ Joanna A. Ciesielska, Robert J. Stark, Artur Obłuski, Nicole Boivin, Mary Lucas, Petrus Le Roux, and Patrick Roberts (2023) Multi-Isotopic Investigation of Population Dynamics and Mobility among Rural Medieval Christian Communities at Ghazali, Northern Sudan. Journal of African Archaeology. [BRILL] - メキシコ
- カンペチェ州(Estado de Campeche)にある古代マヤ都市エズナ(Edzná)の512号遺構(Structure 512)を調査。後古典期前期(Early Postclassic)・900〜1200年の四角形の遺構であるが、先行する古典期(Classic)・200〜600年の遺構の上に建つ。512号遺構は、307km離れたユカタン州(Estado de Yucatán)のチチェン・イッツァ遺跡(Chichén Itzá)と類似の構造で、文化的つながりを示す。メキシコ国立人類学歴史学研究所(Instituto Nacional de Antropología e Historia)の調査。エズナは200年ごろには人口集中地となっていたが、1500年ごろ衰退した。衰退の原因はわかっていない。従来の研究で、建築にプウク地域(Puuc)の様式がみられ、遠く西方との関係が想定されていたが、チチェン・イツァはさらに遠い。[Heritage Daily]
2023年11月6日(月)
- 新潟県
- 燕市・石港遺跡(いしみなといせき)で古墳時代後期の大型建物などのほか、古墳時代前期の集落を囲う溝や、集落内を方形に区画する遺構。古墳時代前期の首長居館と推測。燕市教育委員会の調査。11/11現地説明会。
▶R5石港遺跡発掘調査現地説明会 [燕市]
▼石港遺跡関連記事→2022年10月24日 - サウジアラビア
- アル・ウラー県(AlUla)のクルフ遺跡(Qurh)で、旧石器時代・20万年前のハンドアックス。 [Arkeonews]
- UK(スコットランド)
- ハイランド・カウンシル・エリア(Highland Council area)アシント(Assynt)の湖Loch Na Claiseでの土壌分析で、紀元前3200年〜前3100年には生態系や景観が変わったと推定。従来鉄器時代と考えられていたLoch Na Claiseの人工島クラノグ(crannog)が、新石器時代にさかのぼる可能性。スコットランドの本土で初めての新石器時代のクラノグとなるの可能性。新石器時代のクラノグはヘブリディーズ諸島(Hebrides)で走られていたが、本土では知られていなかった。[The Northern Times]
2023年11月5日(日)
- ロシア
- アルタイ地方のカラ・ボム遺跡(Кара-Бом;Kara-Bom)で、放射性炭素年代により、後期旧石器時代初頭の最終段階「UP1」は43000年前〜35000年前(BP)。後期旧石器時代初頭の最初の段階「UP2」は49000年前に始まり、45000年前に終わる。中期旧石器時代の「MP2」がすべて50000年前以前。後期旧石器時代初頭の技術複合は中央アジアと南シベリアの山地帯に沿って西から東へ伝播。
▶ Evgeny P. Rybin, Natalia E. Belousova, Anatoly P. Derevianko, Katerina Douka, Tom Higham (2023) The Initial Upper Paleolithic of the Altai: New radiocarbon determinations for the Kara-Bom site. Journal of Human Evolution, Volume 185, December 2023, 103453. [ScienceDirect] - ギリシャ
- 中央マケドニア州(Δυτική Μακεδονία;Central Macedonia)のヴェルギナ(Βεργίνα;Vergina)の紀元前4世紀の王墓(1号墓、2号墓、3号墓)で出土した人骨を分析し被葬者を特定。1号墓の男性人骨は、ひざの特徴からフィリッポス2世(Φίλιππος Β';Philippos II)。2号墓の男女の人骨が火葬されていることからアリダイオス(Αρριδαίος)=フィリッポス3世(Φίλιππος Γ';Philippos III)に一致し、外傷がないので従来のフィリッポス2世説は否定。以上より、1号墓の被葬者はフィリッポス2世とその妻クレオパトラ(Κλεοπάτρα;Cleopatra)と新生児。2号墓の被葬者はアリダイオスとその妻エウリュディケ(Eυρυδικη;Eurydice)。3号墓の被葬者はアレクサンドロス4世(Αλέξανδρος Δ΄;Alexander IV)。2号墓の出土遺物の一部はアレクサンドロス大王のもの。アレクサンドロス大王(アレクサンドロス3世)からみてフィリッポス2世は父、フィリッポス3世は異母兄、アレクサンドロス4世は息子にあたる。
▶ Antonis Bartsiokas, Juan Luis Arsuaga, Nicholas Brandmeir (2023) The identification of the Royal Tombs in the Great Tumulus at Vergina, Macedonia, Greece: A comprehensive review. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 52, December 2023, 104279. [ScienceDirect]
▼ヴェルギナ関連記事→2014年3月14日 - イタリア
- サルデーニャ島(Sardegna;Sardinia)アルツァケーナ(Arzachena)沖の海底で、4世紀前半(324〜340年)の大量の硬貨。30000枚〜50000枚と推定。
▶Archeologia, scoperto in Sardegna enorme deposito di monete del IV secolo d.C. [Ministero della Cultura] - UK(イングランド)
- カンブリア州(Cumbria)カーライル(Carlisle)で、ローマ時代・128年ごろに建設された石敷き道路や、商店とみられる木造建築跡。[BBC]
2023年11月4日(土)
- 青森県
- 三沢市・平畑(3)遺跡で、縄文時代早期以降の集落。縄文時代中期前半の集落跡は三沢市内では初。土坑約100基。三沢市教育委員会の調査。11/3現地説明会。[朝日新聞]
▶第8回三沢市文化財講座「緊急開催!平畑(3)遺跡現地説明会」を開催します [三沢市] - 京都府
- 福知山市・寺浦遺跡で鎌倉時代前半の土器、青磁や掘立柱建物。京都府教育委員会の調査。[両丹日日新聞]
- カンボジア
- シエムレアプ州(Siem Reap Province)・アンコールワット(Angkor Wat)の西参道で、日本が支援した修復工事の完成式典が開かれた。[時事通信]
- アフガニスタン
- アフガニスタンで、考古資料の略奪が継続していることが、衛星画像をAIで分析して明らかに。遺跡を守るとするタリバン政権の約束とは裏腹。[Science]
- ジョージア
- アジャリア自治共和国(Adjara)ゴニオ(Gonio)のアプサロス砦(Ἄψαρος;Apsarus)で、石板に刻まれたラテン語の銘文や、ミネルワ女神を表した紅玉髄、1世紀のアンフォラ製造の土器窯。[Heritage Daily]
▼アジャリア自治共和国(Adjara)バトゥミ市(Batumi)
▼アプサロス砦関連記事→2023年5月27日 - スペイン
- コスタ・ブランカ(Costa Blanca)にあるラグーナ・デ・ビリェーナ(Laguna de Villena)で、土壌サンプルを分析。中石器時代・11000年前に狩猟採集民が、火をコントロールして狩猟のための空き地を作っていた。従来、このような方法は新石器時代・9000年前に始まり、鉄器時代・3000年前に普及したと考えられていた。[Heritage Daily]
- フィンランド
- ヴァーサ(Vaasa)のコルスホルム城(Korsholm Castle)で出土した木材は放射性炭素年代で14世紀半ば。スウェーデン統治下の砦のものと推定。[yle]
- エジプト
- アブシール(Abusir)の墓地で、後期王朝時代・紀元前6〜前5世紀の王家の書記Djehutyemnakhtの墓。[Ahram Online]
- アルゼンチン
- コルドバ山脈(Sierras de Córdoba)の完新世後期の遺跡から出土した打製石器や骨製の飛び道具を分析し、投げ槍の槍先と弓矢の鏃を分離。弓矢技術の登場は1300年前(BP)。しかし、弓矢の普及は採集と農耕の混合経済が受け入れられた1200年前以降。
▶ Diego E. Rivero, Imanol Balena, Florencia Costantino, Cristian Lallami, Matías Álvarez, Matías E. Medina, Sebastián Pastor, Gisela Sario (2023) Radiocarbon dates, projectile points, and the spread of bow-and-arrow technology in Sierras of Córdoba (Argentina). Quaternary International. [ScienceDirect]
2023年11月3日(金)
- 群馬県
- 前橋市・総社村東03遺跡(そうじゃむらひがしぜろさんいせき)で、13世紀までの渡来銭10万枚。[朝日新聞]
- 長野県
- 上田市・上田城跡で、武者だまりを囲む冠塀台石垣や三十間堀の位置を確認。上田市教育委員会の調査。11/4現地説明会。[信濃毎日新聞]
▶史跡上田城跡発掘調査現地説明会 [上田市]
▼上田城跡関連記事→2023年9月5日 - 三重県
- 松阪市・小片野新田遺跡(おがたのしんでんいせき)で、平安時代末から室町時代の掘立柱建物の柱穴や土坑、溝などの遺構、土師器や陶磁器などの遺物。三重県埋蔵文化財センターの調査。11/11現地説明会。
▶小片野新田遺跡(おがたのしんでんいせき)で発掘調査現地説明会を開催します [三重県]
▼小片野新田遺跡関連記事→2022年10月13日 - フィリピン
- ベンゲット州(Province of Benguet)のカバヤン洞窟(Kabayan Caves)で、長時間にわたって脱水し燻製のような形で作られたミイラ。ミイラ化の工程は生前から始まる。[Ancient Origins]
- ヨルダン
- タル・ディバーン遺跡(Tall Dhiban)の、後期古代の台所とみられる遺構から出土した植物遺体について、空間分析と層位学的分析。AMSのデータ16個から見て570〜640年で、当時タル・ディバーンはビザンチン帝国の東の国境に位置していた。半乾燥地域で水の管理が困難にもかかわらず、コムギ、エンドウ豆、ブドウに重点を置いた農耕。近隣の同時期の遺跡でも栽培する植物種は似るが、頻度には差があり、遺跡ごとに異なる作物に特化。
▶ Alan Farahani, Melissa Kutner, Danielle Steen Fatkin & Benjamin W. Porter (2023) High-Resolution Spatial Analysis of Archaeobotanical Remains from a Kitchen Context in Imperial Late Antique (ca. a.d. 600) Dhiban, Jordan. Journal of Field Archaeology. [Taylor & Francis Online] - ドイツ
- ザクセン=アンハルト州(Land Sachsen-Anhalt)ルターシュタット・アイスレーベン(Lutherstadt Eisleben)のヘルフタ(Helfta)にあるヘルフタ王宮(Königspfalz Helfta)で、夫婦で葬られた1000年前の人骨のうち、女性の顔は空洞になっていた。[Crumpe]
▼ヘルフタ王宮関連記事→2023年10月27日 - ベルギー
- メジエール・カナル遺跡(Maisières-Canal)で出土した石鏃の損傷を分析し、実験結果と対比した結果、31000年前にすでに投槍器(spearthrower)を用いて槍を飛ばしていたことが判明。
▶Long-distance weaponry identified at the 31,000-year-old archaeological site of Masières-Canal [TraceoLab, Université de Liège]
▶ Justin Coppe, Noora Taipale & Veerle Rots (2023) Terminal ballistic analysis of impact fractures reveals the use of spearthrower 31 ky ago at Maisières-Canal, Belgium. Scientific Reports, volume 13, Article number: 18305. [Scientific Reports] - スペイン
- ラグアルディア(Laguardia)にあるサン・フアン・アンテ・ポルタム・ラティナム岩陰遺跡(San Juan ante Portam Latinam)で出土した、新石器時代・紀元前3380年〜3000年の老若男女の人骨300体以上は、大虐殺によるものではなく、数か月から数年の間に起こった別々の戦闘で死亡した可能性。男性の方が広範囲に負傷。[LiveScience]
▶ Teresa Fernández-Crespo, Javier Ordoño, Francisco Etxeberria, Lourdes Herrasti, Ángel Armendariz, José I. Vegas & Rick J. Schulting (2023) Large-scale violence in Late Neolithic Western Europe based on expanded skeletal evidence from San Juan ante Portam Latinam. Scientific Reports, volume 13, Article number: 17103. [Scientific Reports] - ポルトガル
- シントラ自治体(Sintra)プライア・ダス・マサンス(Praia das Maçãs)のアルト・ダ・ヴィジア遺跡(Alto da Vigia)で、11〜12世紀のリバート・モスク(ribat mosque)。ローマ時代の太陽と海の神の神殿と空間を共通。[Arkeonews]
- UK(スコットランド)<
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- スターリング(Stirling)で、ローマ時代・1世紀にユリウス・アグリコラ将軍(Julius Agricola)の軍隊が築いた道路。フォース川(River Forth)の浅瀬につながり、2〜3世紀まで使われた。[BBC]
- モロッコ
- ラバト(Rabat)のシェラ(Chellah)で、古代の港。浴場や、労働者地区。[AP]
2023年11月2日(木)
- 仙台市
- 青葉区・仙台城跡(せんだいじょうあと)で、大手門の礎石跡を確認。仙台市教育委員会11/1発表。[河北新報]
- 愛知県
- 豊橋市で1957年に見つかった10万年前の化石「牛川人骨」は、ヒトではなくヒグマの骨であった可能性が有力に。[東日新聞]
- 京都市
- 京都市歴史資料館が、館内設備のメンテナンスのため12/26から来年4/2まで臨時休館。来館を伴わない業務は継続実施。
▶【広報資料】京都市歴史資料館の臨時休館について [京都市] - ベトナム
- ハナム省(Ha Nam)キムバン県(Kim Bang)のタムチュク寺(Tam Chuc Pagoda Complex)で、墓3基が発掘され、10000年前の人骨出土。ベトナム最古の人類化石。貝殻や獣骨も出土し、当時の食糧と推定。[VnExpress]
- カザフスタン
- カラガンダ州(Қарағанды облысы;Karaganda) シェト(Шет ауданы;Shet District)で、後期青銅器時代・バガズ=ダンディバイ文化(Begazı Dandibay)・紀元前14世紀〜前12世紀のピラミッドと集落。[Heritage Daily]
- トルコ
- ディヤルバクル県(Diyarbakır)インカヤ(İnkaya)で、ビザンティン時代・5〜6世紀の教会跡と、墳墓46基。教会は7世紀まで使われて破壊され、13世紀まで墓地として活用された。[Anadolu Ajansı]
- ポーランド
- ワルシャワ(Warszawa;Warsaw)のワルシャワ・ゲットー(Getto Warszawskie;Warsaw Ghetto)跡地で、食器、子供の靴、ユダや祈祷書など、遺物3000点。アニエレヴィッチ壕(Bunkier Anielewicza)の一部とみられる。1943年にナチスに対して蜂起し、包囲されて集団自決した。[Nauka w Polsce]
▼アニエレヴィッチ壕関連記事→2022年6月17日 - ドイツ
- ブランデンブルク州(Land Brandenburg)プリーグニッツ郡(Landkreis Prignitz)のゼディン(Seddin)のゼディン「王墓」(Königsgrab von Seddin)近くで、青銅器時代・紀元前10世紀〜前9世紀の集会所。31m×10m。北欧青銅器文化としては最大の集会所。[Märkische Allgemeine]
- フランス
- フランス南西部の5遺跡から出土した後期旧石器時代・後期グラヴェット文化〜ソリュートレ文化の光沢のある円形礫について分析。自然にできたものではなく、動物の皮のような柔らかい素材に長時間触れさせたことによるものと推定。
▶ Lila Geis, Francesco d’Errico, Fiona M. Jordan, Michel Brenet, Alain Queffelec (2023) Multiproxy analysis of Upper Palaeolithic lustrous gravels supports their anthropogenic use. PLOS ONE, 18(11): e0291552. [PLOS ONE] - メキシコ
- プエブラ州(Estado de Puebla) サン・ファン・イスカキストラ(San Juan Ixcaquixtla)で、古典期メソアメリカ・100〜650年の墳墓。[Heritage Daily]
2023年11月1日(水)
- 中国
- 姚河塬遺跡(Yaoheyuan)の青銅器時代の都市で、宮殿、堀、墓地、生贄をおさめた穴、土器工房、青銅器工房を確認。生贄を納めた穴にはウマ120頭の遺体。[LiveScience]
(再録)▶ Feng Luo (2023) Political and cultural complexity in north-west China during the Western Zhou Period (1045–771 BC): new evidence from Yaoheyuan. Antiquity, First View, pp. 1 - 17. [Cambridge Core]
▼姚河塬遺跡関連記事→2023年8月4日 - トルコ
- メルスィン県(Mersin il)シリフケ(Silifke)のダナ島(Dana Adası;Dana Island)で、世界最大・最古の造船所。[Arkeonews]
▼ダナ島の造船所関連記事→2016年10月21日 - フランス
- ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏(Bourgogne-Franche-Comté)コート=ドール県(Côte-d'Or)アルク=シュル=ティユ(Arc-sur-Tille)で、先史時代の狩猟用の落とし穴と先史時代の集落。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Fosses de chasse et occupation protohistoriques à Arc-sur-Tille (Côte-d'Or) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - USA
- テキサス州(State of Texas)サンアントニオ(San Antonio)のアラモ(Alamo)で、スペイン植民地時代の土器、ガラス、マスケット弾など。[San Antonio Express-News]
- メキシコ
- プエブラ州(Estado de Puebla) サン・ファン・イスカキストラ(San Juan Ixcaquixtla)で、メソアメリカ古典期(紀元100〜650年)の無傷の墓。3基の埋葬に、人骨20体。[Instituto Nacional de Antropología e Historia]
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