2023年4月10日(月)
- 愛知県
- 岡崎市・岡崎城跡(おかざきじょうあと)で、龍城堀石垣の一部が崩落。幅2.9m、奥行き0.6m、高さ1.7m。4/9朝確認。原因は調査中。
▶岡崎城跡の石垣の一部が崩落しました。[岡崎市]
▼岡崎城跡関連記事→2018年9月20日 - 滋賀県
- 湖南市・天台宗常楽寺が宗派の承認を得ないまま文化庁に寺宝の重要文化財「絹本著色浄土曼荼羅図(伝僧源信筆)」を売却したことについて、天台宗第2次審判所は住職罷免の決定(猶予5年)。[中外日報]
- イラン
- チャーバハール(Chabahar)の古代港湾都市ティース(Tis)で、施釉陶器、青銅遺物、ガラス片。[Tehran Times]
- トルコ
- イスタンブル(İstanbul)の聖ポリュクトゥス教会(St. Polyeuktos Church)で、1500年前の地下トンネル。大理石で作られ、モザイクや象眼を施す。[Daily Sabah]
- ウクライナ
- クリミア(Крим;Crimea)の古代ギリシャ植民市ケルソネソス(Χερσόνησος;Chersonesos)の聖ウラジーミル大聖堂(Володимирський собор;Saint Vladimir Cathedral)西側で、ローマ時代・1世紀ごろの高さ4mの大理石製の巨像。ローマ皇帝を描写している可能性。また、中世・9世紀の建物跡や墳墓も見つかっており、ウラジーミル1世(Владимир Святославич;Vladimir the Great)が988年に洗礼を受けた教会の実像に迫る可能性。[Heritage Daily]
▼クリミアはロシアが実効支配し領有権を主張。
▼ケルソネソス関連記事→2021年9月27日 - イタリア
- 水没した都市バイア(Baia)=古代ローマ都市バイアエ(Baiae)のテルメ・デル・ラクス地区(Terme del Lacus)で、60mにわたり建物跡を確認[Heritage Daily]
- UK(イングランド)
- コーンウォール州(the county of Cornwall)ニューキー(Newquay)で、青銅器時代の円形住居やとローマ時代の集落。Cornwall Archaeological Unitの調査。[Heritage Daily]
2023年4月9日(日)
- インド
- オリッサ州(Odisha)プリー(Puri)のHantusaraで池の中から、1世紀の遺物。[Sambad English]
- UK(イングランド)
- エセックス州(the county of Essex)チェルムズフォード(Chelmsford)で、ローマ時代・125〜175年の銀の指輪。アポロ神を刻んだ鎬玉髄をはめ込む。ノーフォーク州(Norfolk)スネッティシャム(Snettisham)で1985年に見つかったローマ時代の宝石職人の遺跡に関連か。[BBC]
2023年4月8日(土)
- イタリア
- ラツィオ州(Lazio)のヴルチ遺跡(Vulci)にあるオステリア墓地(Necropoli dell'Osteria;Osteria necropolis)から、岩盤に刻んだ紀元前6世紀のエトルリア人の墓。[Heritage Daily]
▼ラツィオ州(Lazio)ヴィテルボ県(Provincia di Viterbo)
▼オステリア墓地関連記事→2021年12月29日 - UK(イングランド)
- ウエストミンスター宮殿(Palace of Westminster)で、貴族院(House of Lords)の地下から18世紀の木彫りの魚。カードゲームの得点計算に用いるトークンか。[Evening Standard]
▼ウエストミンスター宮殿関連記事→2006年6月10日 - エジプト
- 古代エジプト第20王朝のラメセス5世(Ramesses V)を、天然痘(smallpox)の最古の犠牲者と推定。世界保健機関(WHO)の創立75周年ビデオで。[Egypt Today]
- ベリーズ
- ヨク・バルム洞窟(Yok Balum)の石筍(stalagmite)に対し、炭素と酸素と安定同位体分析により、1600年間の降雨の動態を調査。農業において重要な、季節ごとの降雨のパターンを調査。古典期マヤ(Classic Maya)社会の1100年前の崩壊は降雨が予想しにくくなったことが原因である可能性。ヨク・バルム洞窟は、マヤ都市ウシュベンカ遺跡(Uxbenká)の近くにある洞窟。
▶Less predictable rainfall may have caused disintegration of early Maya societies [University of New Mexico]
▶ Tobias Braun, Sebastian F. M. Breitenbach, Vanessa Skiba, Franziska A. Lechleitner, Erin E. Ray, Lisa M. Baldini, Victor J. Polyak, James U. L. Baldini, Douglas J. Kennett, Keith M. Prufer & Norbert Marwan (2023) Decline in seasonal predictability potentially destabilized Classic Maya societies. Communications Earth & Environment, volume 4, Article number: 82. [Nature]
2023年4月7日(金)
- 奈良県
- 奈良市・鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)の前方部の前面に、陸橋でつながる出島状の施設。過去に船形の石製品が出土した付近。古墳時代前期末・4世紀後半の前方後円墳。[朝日新聞]
▼鶯塚古墳関連記事→2010年10月20日 - 広島県
- 福山市・福山城(ふくやまじょう)の石垣が江戸中期に改修されていたことを示す絵図「備後国福山城損所之覚」(1759年)が広島県立歴史博物館の「守屋寿コレクション」の資料調査で見つかった。4度目の改修が行われていたことを示す。[山陽新聞]
- 韓国
- 忠清南道 扶余郡 扶余邑 龍井里 ソリョンゴルの百済建物跡で、6世紀後半以降の百済の王室に関わる施設を確認。[聯合ニュース]
- 中国
- 山西省 蒲県 蒲城鎮・曹家庄墓地で、戦国時代、前漢、新の墓42基。ヒツジ、ブタ、ニワトリ、イヌ、ウシ、シカを生贄とする習俗。陶俑は用いない。漢武帝〜新の時代の墓は匈奴のものとみられ、1基を除いて生贄を副葬するが、匈奴の本来の習俗とは違いもある。匈奴の文化との融合を示す。[中国新聞網]
- スロバキア
- トルナヴァ(Trnava)で、市壁のすぐ外側に中世の教会の基礎。石と煉瓦でつくったゴシック様式の多角形の教会。中世の墓地。また、ルネサンス期の馬車の駐車場。[The Slovak Spectator]
- ベルギー
- ナミュール州(Province de Namur)スクラン(Sclayn)のフォシル洞窟(Grotte de La Faucille)で出土した末期新石器時代(Final Neolithic)の成人6人、子供6人の人骨について歯のエナメル質のストロンチウム同位体分析。4人が非在地と判明。また、タンパク質のプロテオミクス(proteomics)を利用して性別を判定。非在地のヒトはオランダのリンブルフ州南部、南西ドイツのシュヴァルツヴァルト、フランスのパリ盆地やヴォージュ県などに対応しており、北フランスとのかかわりを想定する考古学的成果と矛盾しない。
▶ IJk van Hattum, Marta Costas-Rodríguez, Kasper Hobin, Frank Vanhaecke, Hans Vandendriessche, Hélène Collet, Pierre Cattelain, Michel Toussaint, Quentin Goffette, Maarten Dhaenens, Jessica L. A. Palmer, Simon Daled, Philippe Crombé, Isabelle De Groote (2023) First insights into human mobility in Neolithic Belgium using strontium isotopic analysis and proteomics: A case study of Grotte de La Faucille (Sclayn, province of Namur). American Journal of Biological Anthropology. [Wiley Online Library] - フランス
- グラン・テスト地域圏(Grand Est) オート=マルヌ県(Haute-Marne)アンデロ=ブランシュヴィル (Andelot-Blancheville)で、中世・カロリング朝・8〜9世紀の墓地。
▶Sur les traces de la nécropole d’Andelot-Blancheville (Haute-Marne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- バレアレス諸島(Islas Baleares;Balearic Islands)のメノルカ島(Menorca;Minorca)にある、Es Càrritx洞窟の墓地から出土した青銅器時代・3000年前のヒトの毛髪を分析。エフェドリン系アルカロイド(alkaloids ephedrine)、アトロピン(atropine)、スコポラミン(scopolamine)を検出。島内に自生する植物を向精神薬として用いた証拠。[Heritage Daily]
▶ E. Guerra-Doce, C. Rihuete-Herrada, R. Micó, R. Risch, V. Lull & H. M. Niemeyer (2023) Direct evidence of the use of multiple drugs in Bronze Age Menorca (Western Mediterranean) from human hair analysis. Scientific Reports, volume 13, Article number: 4782. [Scientific Reports] - USA
- ヴァージニア州(Commonwealth of Virginia)の、歴史公園コロニアル・ウィリアムズバーグ(Colonial Williamsburg)内の第一バプテスト教会(First Baptist Church)の墓地で発掘された人骨は、DNA分析により、現在のコミュニティの先祖であると判明。[The Virginia Gazette]
▼コロニアル・ウィリアムズバーグ関連記事→2021年10月7日
2023年4月6日(木)
- 長野県
- 上田市・上田城跡で、江戸時代の地表面、江戸時代の石垣の部材、「三十間堀」の法面の一部。上田市の調査。4/9現地説明会。
▶史跡上田城跡の発掘調査について [上田市]
▼上田城跡関連記事→2018年3月7日 - 奈良県
- 高取町・高取城(たかとりじょう)で、酒船石と酷似した石造物。[毎日新聞]
▼高取城関連記事→2008年4月11日 - イタリア
- アントニヌス朝の邸宅(Villa of the Antonines)で、ローマ時代・2世紀のメドゥサを表したモザイク。[LiveScience]
- ドイツ
- ドイツ南部で出土した500年ごろのヒトの遺体150体以上の歯や骨について、ストロンチウム、炭素、窒素の安定同位体分析。5世紀後半には男女とも平均を越える移動率が認められ、特に頭蓋変形の行われた女性については外来者の可能性が高い。外来者の出身地が外来者の比率、移入時期はさまざま。古代末にバイエルン人(Baiuvarii)が形成される過程。
▶ Maren Velte, Andrea Czermak, Andrea Grigat, Brigitte Haas-Gebhard, Anja Gairhos, Anita Toncala, Bernd Trautmann, Jochen Haberstroh, Bernd Päffgen, Kristin von Heyking, Sandra Lösch, Joachim Burger, Michaela Harbeck (2023) Between Raetia Secunda and the dutchy of Bavaria: Exploring patterns of human movement and diet. PLOS ONE, 18(4): e0283243. [PLOS ONE] - フランス
- イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France) セーヌ=サン=ドニ県(Seine-Saint-Denis)のサン=ドニ大聖堂(Basilique Cathédrale de Saint-Denis)で、5世紀末〜中世末の墓地や、カロリング朝の建物跡。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Au cœur de l’histoire de la basilique de Saint-Denis (Seine-Saint-Denis)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - ナイジェリア
- ナイジェリアのエド人(Edo)がつくり、西アフリカで通貨として用いられたベニン王国(Benin)の真鍮の輪「マニラ」(manilla)のうち、16〜19世紀のアフリカ、アメリカ、ヨーロッパ海域の沈没船から発見されたものを分析。15〜18世紀にはドイツの真鍮を利用と判明。
▶ Tobias B. Skowronek, Christopher R. DeCorse, Rolf Denk, Stefan D. Birr, Sean Kingsley, Gregory D. Cook, Ana María Benito Dominguez, Brandon Clifford, Andrew Barker, José Suárez Otero, Vicente Caramés Moreira, Michael Bode, Moritz Jansen, Daniel Scholes (2023) German brass for Benin Bronzes: Geochemical analysis insights into the early Atlantic trade. PLOS ONE, 18(4): e0283415. [PLOS ONE]
2023年4月5日(水)
- 長野県
- 長野市・善光寺の仏像「びんずる尊者像」が4/5本堂から盗まれ、松本市内で見つかる。窃盗容疑で男性を逮捕。[時事通信]
- 奈良県
- 奈良市・菅原遺跡(すがはらいせき)で見つかった奈良時代の円筒形の建物跡は、多宝塔の可能性。行基ゆかりの寺があったとされる遺跡。元興寺文化財研究所の調査。[NHK]
▼菅原遺跡関連記事→2021年6月24日 - 韓国
- 全羅南道 海南郡・玉女峰土城(オンニョボンどじょう)で、標高16m程度の城内の平坦地から三国時代の住居跡。また、土城築城以前の馬韓時代の高地性集落。玉女峰土城は鉢巻式の山城。[聯合ニュース]
- オーストリア
- グラーツ(Graz)のノイトールガッセ(Neutorgasse)で、1620年に建てられ1883年に取り壊された都市の門跡を発見。[derStandard.at]
- フランス
- ブルターニュ地域圏(Région Bretagne)イル=エ=ヴィレーヌ県(Ille-et-Vilaine)のラ・シャペル=デ=フジュレッツ(la Chapelle-des-Fougeretz)で、古代末期の神殿、温泉、墓地など。神殿の近隣でマルス神像。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Sanctuaire de la Chapelle-des-Fougeretz : de la fouille au laboratoire (Ille-et-Vilaine)[INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スウェーデン
- ヴァーサ号(Vasa)の乗組員のDNAを調査。乗組員の少なくとも1人(人骨G)は女性。ヴァーサ号は1628年に沈没した戦艦。
▶One of Vasa’s crewmen was a woman [Uppsala universitet] - ノルウェー
- ノルウェー南部のハリングダール(Hallingdal)で見つかった円形住居の遺構を、ノルウェーとスウェーデンの国境地帯にある同時代のスタロ遺構(stállo)と比較。スタロ遺構はヴァイキング時代から初期中世・800〜1300年のサーミ人(Saami)の住居形態とされ、ラップランド(Sápmi)全土でのサーミ人のアイデンティティにかかわる。
▶ Lisbeth Skogstrand (2023) Round or square? Ethnic processes and Saami dwelling practices in Hallingdal, southern Norway. Acta Borealia. [Taylor & Francis Online]
2023年4月4日(火)
- 千葉県
- 印旛郡栄町・千葉県立房総のむらで、風土記の丘資料館が4・29リニューアルオープン。
▶千葉県立房総のむら 風土記の丘資料館リニューアルオープン![千葉県] - モンゴル
- ゴル・モドII墓地(Гол мод-II;Gol Mod 2)の墓地で出土した匈奴(Xiongnu)の貴族とその従者、計11人と、動物4頭の遺体に対するストロンチウム同位体分析。貴族3人のうち2人はハヌイ谷(Khanuy)に長期間居住。
▶ Ligang Zhou, Diimaajav Erdenebaatar, Enkhbayar Mijiddorj, Baatar Galbadrakh, Wanli Lan, Bin Liu (2023) Strontium isotope analysis of the Xiongnu nobles and their followers in Central Mongolia. Archaeological Research in Asia, Volume 34, June 2023, 100446. [ScienceDirect]
▼ゴル・モドII墓地関連記事→2022年5月23日 - ラオス
- ジャール平原(Plain of Jars)の巨大石壺墓地「Site 1」で、8〜13世紀に二次葬が行われていたことを確認。複数人が共通の埋葬空間で二次葬されていた。
▶ Dougald O’Reilly, Louise Shewan, Thonglith Luangkoth, Kate Domett, Siân Halcrow, Mailo Khamphouvong, Amphai Butphachit, Thongsa Sayavongkhamdy & Natasha Heap (2023) Secondary burial practice at megalithic jar site 1, Plain of Jars Laos. Asian Archaeology. [SpringerLink] - イスラエル
- 神殿の丘(Temple Mount)のオフェル地域(Ophel)で2012年に出土した第一神殿時代の土器に刻まれたカナーン文字の銘文7文字は、古代南アラビア(現在のイエメン)のもので香料を意味する。アラビア半島南部は当時、シバ王国が支配していた。ソロモン王時代のイスラエルと、シバ王国とのつながりを示す。[Heritage Daily]
▼オフェル関連記事→2022年1月6日 - ウクライナ
- ウクライナの遺跡や文化財が、ロシアによる侵攻により1年間で26億ドル相当の被害を受ける。[CNN]
- スイス
- ヌーシャテル州(Canton de Neuchâtel)ブヴェ(Bevaix)のトライテル遺跡(Treytel)で、水底から新石器時代・4500年前の石斧。木の柄がついた状態で発見。[20 Minutes]
- ポーランド
- パショヴィツェ(Paszowice)で出土した、後期青銅器時代・ラウジッツ文化(Kultura łużycka;Lusatian culture)・紀元前1350/1300年〜前800/750年の埋納銅器に用いた銅の出自を鉛同位体分析と化学分析で研究。一つの埋納の中でも銅の産地は多様で、主にハンガリー北東部、チェコ南部、スロバキア、ルーマニアに由来するが、さらに遠方のものも用いており、当時の交易ルートを反映。
▶Kamil Nowak, János Gábor Tarbay, Zofia A. Stos-Gale, Paweł Derkowski, Katarzyna Sielicka (2023) A complex case of trade in metals: The origin of copper used for artefacts found in one hoard from a Late Bronze Age Lusatian Urnfield Culture in Poland. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 49, June 2023, 103970. [ScienceDirect] - UK(イングランド)
- ノーフォーク州(Norfolk) モーストン(Morston)で2021年に発見された、アラビア文字に似せた打刻のある金貨は、イスラームのディナール硬貨に似せてヴァイキングが9世紀後半に製作した可能性。[BBC]
2023年4月3日(月)
- 奈良県
- 奈良市・平城京跡(へいじょうきょうあと)で、左京三条三坊四坪の北東隅から、奈良時代前半・8世紀の大型建物跡4棟。四町分の宅地を利用しており、舎人親王の邸宅跡の可能性。奈良市埋蔵文化財調査センター4/3発表。[奈良新聞]
▼舎人親王関連記事→2022年11月2日 - 中国
- 江蘇省 無錫市 宜興市 周鉄鎮・丁埂遺跡で、良渚文化・4500年前の集落から、トラの文様や巻雲文が両面に入った石鉞。[新華社]
- イラク
- クルド人自治区(Iraqi Kurdistan)スレイマニヤ県(Sulaymaniyah)のヤシン・テペ遺跡(Yasin Tepe)で、日本の中部大学の発掘調査隊が、専門家の育成や博物館支援。クルド人のアイデンティティにかかわる意義。[東京新聞]
▼ヤシン・テペ遺跡関連記事→2020年2月6日 - スペイン
- グラナダ県(Provincia de Granada)モクリン(Moclín)のマラルムエルソ洞窟(Malalmuerzo)では、初期のホモサピエンスが18000年にわたって居住。最終氷期最盛期(Last Glacial Maximum)もしのぐ。[El País]
アンダルシア州(Comunidad Autónoma de Andalucía)。一方で、イベリア半島南部と北アフリカの間に遺伝的つながりを見いだせなかった。[Phys.Org]
▶ Vanessa Villalba-Mouco, Marieke S. van de Loosdrecht, Adam B. Rohrlach, Helen Fewlass, Sahra Talamo, He Yu, Franziska Aron, Carles Lalueza-Fox, Lidia Cabello, Pedro Cantalejo Duarte, José Ramos-Muñoz, Cosimo Posth, Johannes Krause, Gerd-Christian Weniger & Wolfgang Haak (2023) A 23,000-year-old southern Iberian individual links human groups that lived in Western Europe before and after the Last Glacial Maximum. Nature Ecology & Evolution, volume 7, pages597–609. [Nature Ecology & Evolution] - 授賞
- 第47回藤森栄一賞に、長野県北相木村教育委員会の藤森英二さんと、あいち朝日遺跡ミュージアムの原田幹さん。長野県考古学会4/2発表。[長野日報]
2023年4月2日(日)
- エジプト
- テル・エル・ダブア(Tell el-Dab'a)の古代都市アヴァリス(Avaris)にある第15王朝のヒクソス(Hyksos)の王宮から、切断されたヒトの手12本。戦利品(トロフィー)として手を切断する行為をヒクソスが伝えたか。[Ancient Origins]
▶ Julia Gresky, Manfred Bietak, Emmanuele Petiti, Christiane Scheffler & Michael Schultz (2023) First osteological evidence of severed hands in Ancient Egypt. Scientific Reports, volume 13, Article number: 5239. [Scientific Reports]
▼テル・エル・ダブア関連記事→2020年7月16日 - 南アフリカ
- ドリモレン古洞窟(Drimolen palaeocave)で出土したアフリカ前期石器時代(Earlier Stone Age、ESA)・204万年前〜195万年前の骨器の可能性のある円形の化石124試料を分析。うち51試料を骨器と認定。先端が丸く、この先端から放射状に延びる使用痕が認められる。骨幹部を多く用い、さまざまな用途に使用。
▶ Rhiannon C. Stammers, Justin W. Adams, Stephanie E. Baker, Andy I.R. Herries (2023) Technology or taphonomy? A study of the 2.04–1.95 Ma bone tools from Drimolen Main Quarry, South Africa. Quaternary International. [ScienceDirect]
2023年4月1日(土)
- モンゴル
- モンゴル北部のモンゴル帝国・13世紀の墓地で出土した歯石(dental calculus)を分析。モンゴル帝国の上位層は、ヤク(Yak)の乳を消費していたことを証明。
▶Yak milk consumption among Mongol Empire elites [University of Michigan]
▶ Alicia R. Ventresca Miller, Shevan Wilkin, Jamsranjav Bayarsaikhan, Abigail Ramsøe, Julia Clark, Batsuren Byambadorj, Sandra Vanderwarf, Nils Vanwezer, Ashleigh Haruda, Ricardo Fernandes, Bryan Miller & Nicole Boivin (2023) Permafrost preservation reveals proteomic evidence for yak milk consumption in the 13th century. Communications Biology, volume 6, Article number: 351. [Nature] - イラク
- テル・アル・ヒバ遺跡(Tell al-Hiba)の古代ラガシュ(Lagash)で初期王朝時代・紀元前3千年紀の都市の密度や経済、持続可能性を研究。
▶ Augusta McMahon, Holly Pittman, Zaid al-Rawi, Darren Ashby, Katherine Burge, Reed Goodman, Emily Hammer and Sara Pizzimenti (2023) Dense urbanism and economic multi-centrism at third-millennium BC Lagash. Antiquity, First View, pp. 1 - 20. [Cambridge Core] - ブルガリア
- イヴァイロヴグラト(Ивайловград;Ivaylovgrad)フフラ村(Хухла;Huhla)にあるバラクデレ(Балък дере;Balak Dere)の砦の第一次ブルガリア帝国(Първа българска държава;First Bulgarian Empire)・10世紀の文化層から鉛製の護符。キリル文字の銘文が入る。シメオン1世(Симеон I,;Simeon I;在位893〜927年)の都があったブルガリア北西部の正書法に近い。バラクデレはシメオン1世がコンスタンティノープルを包囲したときに部隊が配置された。[Arkeonews]
▼ハスコヴォ州(Област Хасково;Oblast Haskovo) - エジプト
- 新王国時代の青色彩文土器の製作地の拡大を研究。第18王朝中ごろのアメンヘテプ2世から第18王朝後期のアマルナ時代にかけて、青色彩文土器の製作地はメンフィス、アマルナ、テーベのような王の居所近くに限定されており、王室の工房で製作と推定。第18王朝末から第19王朝にかけて、カンティール、メンフィス、テーベなど王の居所だけでなく、地方の行政都市や、国境地帯からも出土し、細部の特徴から見て、各地で製作。
▶ 高橋寿光 (2019) 古代エジプト新王国時代の青色彩文土器の生産地の増加について. オリエント, 62巻2号, pp. 122-142. [J-STAGE]
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