2022年11月10日(木)
- 静岡県
- 磐田市・遠江国分寺跡(とおとうみこくぶんじあと)に隣接する参慶山国分寺境内にある手水鉢は、遠江国分寺の塔の四天柱に使われた礎石だった。磐田市教育委員会の調査。[静岡新聞]
▼遠江国分寺跡関連記事→2017年5月2日 - 韓国
- 扶余・東南里遺跡(トンナムニいせき)で出土した百済時代の木簡5点を分析。2点は文書用、3点は荷札。百済の行政機関の物資出納に関連した記載。[ウリ文化新聞]
- 中国
- 河南省 安陽市・殷墟(いんきょ)で新たな大型道路遺構。[AFPBB]
- 中国
- 湖南省 益陽市 赫山区・新塘坡墓群(しんとうはぼぐん)で、戦国時代の長方形竪穴土坑墓から出土した銅戟に「陳慨一耑●」の銘文。「陳慨」は持ち主の名。「一」は「之」の字画が欠けている可能性。第5字「●」(表示できず)は「戟」を表す。[人民網]
- 中国
- 黄土高原(Loess Plateau)では4000年前に西南アジアから穀物栽培のため潅漑技術を導入したが、最初はコムギのためだけに推理技術を利用した。
▶Thirsty wheat needed new water management strategy in ancient China [Washington University in St. Louis]
cf. Haiming Li, Yufeng Sun, Ying Yang, Yifu Cui, Lele Ren, Hu Li, Guoke Chen, Petra Vaiglova, Guanghui Dong and Xinyi Liu (2022) Water and soil management strategies and the introduction of wheat and barley to northern China: an isotopic analysis of cultivation on the Loess Plateau. Antiquity, First View, pp. 1 - 17. [Cambridge Core] - カザフスタン
- コスタナイ州(Қостанай облысы;Kostanay Region)カラオバ(Қараоба;Karaoba)で、鉄器時代・紀元前4〜前2世紀のサルマタイ人(Sarmatians)のクルガン墓(kurgan)。副葬品や、ウマの骨を伴うことから見て、男性貴族。サルマタイ人の文化の影響の東の広がりを示す。
cf. Akhan Onggaruly, Reed Coil, Christina Pugh, Zhuldyz Tashmanbetova, Arhat Kairmagambetov, Tamarakhonum Davlatova, Madina Makulbekova (2022) Preliminary archaeological findings from recent excavations of a Sarmatian (Iron Age) kurgan site at Karaoba, Kostanay Region, Kazakhstan. Archaeological Research in Asia, Volume 32, December 2022, 100416. [ScienceDirect] - スペイン
- ウエルバ県(Provincia de Huelva)マタラスカニャス(Matalascañas)のエル・アスペリリョ(El Asperillo)で見つかったヒトの足跡は中期更新世(Middle Pleistocene)・295800年前。従来説より20万年古く、同地にヒトがいた証拠。
▶Footprints indicate the presence of man in Southern Spain in the Middle Pleistocene, 200,000 years earlier than previously thought [AlphaGalileo]
cf. Eduardo Mayoral, Jérémy Duveau, Ana Santos, Antonio Rodríguez Ramírez, Juan A. Morales, Ricardo Díaz-Delgado, Jorge Rivera-Silva, Asier Gómez-Olivencia & Ignacio Díaz-Martínez (2022) New dating of the Matalascañas footprints provides new evidence of the Middle Pleistocene (MIS 9-8) hominin paleoecology in southern Europe. Scientific Reports, volume 12, Article number: 17505. [Scientific Reports] - フランス
- ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏(Bourgogne-Franche-Comté)ソーヌ=エ=ロワール県(Saône-et-Loire)ブレス・ブルギニョンヌ(Bresse Bourguignonne)のピエール=ド=ブレス城(Pierre-de-Bresse)で、 中世の建物。 15世紀には城に関する史料があるが、、17世紀の再建以前の城に関する証拠はほとんどなかった。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Nouvelles données sur le château de Pierre-de-Bresse, Ecomusée de la Bresse Bourguignonne (Saône-et-Loire) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
2022年11月9日(水)
- 大阪府
- 島本町・越谷遺跡(こしたにいせき)の「岬状の州浜地形」の一部が調査前に開発事業者によって破壊された問題で、発掘調査を行った島本町教育委員会が、自然堆積の可能性高いとして遺跡を埋め戻していた。[朝日新聞]
▼越谷遺跡関連記事→2022年7月14日 - 島根県
- 大田市・石見銀山遺跡(いわみぎんざんいせき)で、採掘した鉱物から金属を取り出す大規模な製錬所跡。[山陰中央新報]
- 韓国
- 忠清南道 扶余郡・花枝山遺跡(ファジサンいせき:第9次調査)の西斜面を削って、大規模に造成し、瓦葺建物群を計画的に配置。百済の泗沘都城の離宮跡「望海亭」とみなされる遺跡。『三国史記』によると、百済の武王と義慈王がここで宴会を開いた。[聯合ニュース]
▼花枝山遺跡関連記事→2019年9月9日 - イスラエル
- テル・ラキシュ遺跡(Tel Lachish)から2016年に出土した中期青銅器時代・紀元前17世紀の象牙製の梳き櫛(lice comb)にシラミ除けの呪文。カナーン地域で最古の文章。[The Times of Israel]
cf. Daniel Vainstub, Madeleine Mumcuoglu, Michael G. Hasel, Katherine M. Hesler, Miriam Lavi, Rivka Rabinovich, Yuval Goren, and Yosef Garfinkel (2022) A Canaanite’s wish to eradicate lice on an inscribed ivory comb from Lachish. Jerusalem Journal of Archaeology. doi: 10.52486/01.00002.4. [Jerusalem Journal of Archaeology]
▼テル・ラキシュ遺跡関連記事→2021年4月15日 - トルコ
- バルトゥン県(Bartın il)アマスラ郡(Amasra)の古代都市アマストリス(Ἄμαστρις;Amastris)で、ローマ時代・2世紀の建物跡から、古代エジプトの黒曜石製でピラミッド形の護符印章。[Daily Sabah]
- ジョージア
- バトゥミ市(Batumi)ゴニオ(Gonio)のアプサロス砦(Apsaros)で、ローマ時代・2〜3世紀のワイン圧搾場。[Nauka w Polsce]
▼アプサロス砦関連記事→2018年7月17日 - エジプト
- 紅海の町ベレニケ(Βερενίκη;Berenike)で、ヘレニズム時代・紀元前3世紀後半の浴場。[LiveScience]
▼ベレニケ関連記事→2022年10月7日
2022年11月8日(火)
- 岩手県
- 釜石市・太田林遺跡(おおたばやしいせき)で、縄文時代前期の集落跡。公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターの調査。11/23現地公開。
▶太田林遺跡現地公開のお知らせ(令和4年11月23日開催) [公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター] - 長野県
- 松本市・真光寺遺跡(しんこうじいせき)で、小規模な穴50基。うち16基からヒトの頭や顎の骨、歯など確認。短期間に頭部のみが埋葬されたとみられ、合戦にかかわる可能性。首実検の後、埋葬・供養したか。長野県埋蔵文化財センターの調査。11/19現地説明会。[信濃毎日新聞]
▼真光寺遺跡関連記事→2021年7月2日 - ニュージーランド
- ニュージーランド(アオテアロア)へのマーオリ人(Māori)の定住年代を放射性炭素年代に基づいて13世紀半ば〜後半と推定するとともに島々での定住時期の差を解明。北島には1250〜1275年に定住し、南島には1280〜1295年に到達。モアの狩猟をはじめ(1300〜1415年)て、人口が急増。その後、小氷期を迎えて1340年ごろから人口は横ばい。1380〜1420年には人口が減少したが、園芸に適した北部では維持。
cf. Magdalena M.E. Bunbury, Fiona Petchey, and Simon H. Bickler (2022) A new chronology for the Māori settlement of Aotearoa (NZ) and the potential role of climate change in demographic developments. Proceedings of the National Academy of Sciences,Vol. 119, No. 46, e2207609119. [PNAS] - イタリア
- トスカーナ州(Regione Toscana;Tuscany)シエーナ県(Provincia di Siena)サン・カシャーノ・デイ・バーニ(San Casciano dei Bagni)で、水中から紀元前2世紀〜前1世紀のブロンズ像24体。エトルリア語の銘文も見つかり、この時期までエトルリア語が存続していたことを示す。[ANSA]
▼サン・カシャーノ・デイ・バーニ関連記事→2022年8月8日 - UK(イングランド)
- ハートフォードシャー州(the county of Hertfordshire)セント・オールバンズ(St Albans)のヴェルラミアム公園(Verulamium Park)で、ローマ時代の道路、井戸、建物など。サミアン土器やアンフォラ、ガラスなど出土。Oxford Archaeologyの調査。[HertsLive]
2022年11月7日(月)
- 宮城県
- 岩沼市・原遺跡(第7次調査)で、8世紀の大溝が、前年度調査のコーナー部分から45m以上南に延びることを確認。岩沼市の調査。11/12-13現地説明会。
▶原遺跡第7次調査の現地公開について [岩沼市] - 長野県
- 長野市 安茂里にある全長100mとされる壕を旧海軍が作ったことを裏付ける設営隊長らの証言記録が見つかる。[朝日新聞]
- 三重県
- 度会郡大紀町の笠木峠で、縄文時代〜弥生時代中期の石鏃と、古墳時代〜奈良時代の須恵器、江戸時代以前の土師器。[伊勢新聞]
- 兵庫県
- 西宮市・津門大塚町遺跡(つとおおつかちょういせき)で、古墳時代の円墳2基と方墳6基からなる古墳群。埋没古墳の発見は市内初。兵庫県教育委員会11/7発表。11/13現地説明会。[神戸新聞]
▶津門大塚町遺跡の発掘調査成果と現地説明会 [兵庫県教育委員会] - 宮崎県
- 臼杵郡五ヶ瀬町・樋口遺跡(ひぐちいせき)で、弥生時代〜古墳時代の竪穴住居跡や、古代〜中世の土器・陶磁器など。宮崎県埋蔵文化財センターの調査。11/23現地説明会。
▶11/23(水)【現地説明会】樋口遺跡(五ヶ瀬町)の実施について [宮崎県埋蔵文化財センター] - 日本、中国
- 日本の博多湾と中国の浙江省海岸の海洋堆積物コアにより、7000年間の気温変動を分析。300年前と4200年前に、それぞれ小氷期と4.2 kaイベントに関連した顕著な寒冷化。4.2 kaイベントにより長江文明が崩壊し、稲作農耕民の各地への移住をもたらしたという仮説を支持。同時期に狩猟採集社会だった日本では、寒冷化による崩壊を免れた。
cf. Hiroto Kajita, Yuta Isaji, Rintaro Kato, Yoko Nishikura, Masafumi Murayama, Naohiko Ohkouchi, Shouye Yang, Hongbo Zheng, Ke Wang, Toshimichi Nakanishi, Takenori Sasaki, Ayumi Maeda, Atsushi Suzuki, Toshiro Yamanaka, Hodaka Kawahata (2022) Climatic change around the 4.2 ka event in coastal areas of the East China Sea and its potential influence on prehistoric Japanese people. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology. [ScienceDirect] - 韓国
- 忠清南道 扶余・扶蘇山城(プソさんじょう)の軍倉跡周辺で、瓦積基壇の建物跡2棟を発見。王宮に匹敵する建物と推定。扶蘇山城は百済泗沘都城の北側中央にあり、王城、後苑、背後山城の役割を果たした。国立扶余文化財研究所の調査。[聯合ニュース]
▶扶余 扶蘇山城で王宮クラスの建物と推定される瓦積基壇の建物跡を確認 [文化財庁]
▼文化財庁は2024年5月17日から国家遺産庁
▼扶蘇山城関連記事→2021年2月23日 - 韓国
- 慶尚南道 咸陽郡 咸陽邑・咸陽邑城(ハミャンゆうじょう)で、朝鮮時代の東門跡と建物基礎。石列などを発見。[NEWSIS]
- 中国
- 内モンゴル自治区 ウランチャブ市(烏蘭察布市) チャハル右翼中旗(察哈爾右翼中旗)庫倫蘇木で、新石器時代・仰韶文化・廟底溝類型・6000年前の遺跡。[新華社]
- オマーン
- 北バーティナ行政区(North Al Batinah Governorate)サハム州(Wilayat of Saham)のダフワ遺跡(Dahwa)で前期青銅器時代・ウンム・アン=ナール文化(Umm al-Nar)・紀元前2600年〜前2000年の集落跡。墳墓の副葬品には、ハラッパー文化(Harappan)との交流の証拠。[Times of Oman]
▼ダフワ遺跡関連記事→2021年8月23日 - トルコ
- アンタルヤ県(Antalya il)沖で、この夏に紀元前7世紀から紀元後14世紀まで、14隻の沈没船を発見。多くはアンフォラを積んでおり、貿易船とみられる。また、青銅器時代の碇も発見。[Daily Sabah]
- スペイン
- ハエン県(Jaén)のサン・エウフラシオ墓地(cementerio de San Eufrasio)跡で、スペイン内戦(Guerra Civil)時にフランコ軍の犠牲になった人々の遺体。[El País]
2022年11月6日(日)
- 中央アジア
- トルクメニスタンのウルグ・テペ(Ulug Depe)、ウズベキスタンのジャルクタン(Dzharkutan)、サパリテパ(Sapallitepa)、ティラ・ブラク(Tilla Bulak)、ブスタン(Bustan)、バシュマン1(Bashman 1)、タジキスタンのサリジャール(Saridzhar)、ゲロト(Gelot)、ダルナイチ(Darnaichi)で出土した青銅器時代の人骨のストロンチウムと酸素の同位体を分析し、ホラーサン地域(Khorasan)での移動性を分析。トルクメニスタン南部、ウズベキスタン中南部、タジキスタン南部で、それぞれ異なる移動性と土地利用の変化がみられる。
cf. Sonja Kroll, Julio Bendezu-Sarmiento, Johanna Lhuillier, Élise Luneau, Kai Kaniuth, Mike Teufer, Samariddin Mustafakulov, Mutalib Khasanov, Natalia Vinogradova, Nona Avanesova, Denis Fiorillo, Margareta Tengberg, Arash Sharifi, Céline Bon, Delphine Bosch, Marjan Mashkour (2022) Mobility and land use in the Greater Khorasan Civilization: Isotopic approaches (87Sr/86Sr, δ18O) on human populations from southern Central Asia. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 46, December 2022, 103622. [ScienceDirect]
2022年11月5日(土)
- 福井県
- 坂井市・六呂瀬山1号墳(ろくろせやまいちごうふん)の全長は143mと確定。後円部に設けられた造り出しから家形埴輪の鰹木など出土。北陸最大の前方後円墳。北陸随一の王の墓。坂井市教育委員会11/4発表。11/12現地説明会。[福井新聞]
- 兵庫県
- 加古川市・日岡山古墳群(ひおかやまこふんぐん)のうち、東車塚古墳(ひがしくるまづかこふん)と西車塚古墳(にしくるまづかこふん)で周濠を発見。埴輪も出土。いずれも古墳時代前期の円墳。加古川市教育委員会の調査。[神戸新聞]
- 福岡県
- 苅田町・石塚山古墳(いしづかやまこふん)で、2022年の盗難事件以来の一部立ち入り禁止措置を解除。文化財保護強調週間に遺跡の重要性をアピール。[西日本新聞]
▼石塚山古墳関連記事→2020年9月28日 - 鹿児島県
- 鹿屋市・立塚遺跡(たちづかいせき)で、弥生時代早期・2800年前の環状に配置された土坑群。土坑墓を環状に配置するのは縄文時代の特徴で、弥生時代のものは国内初の発見。鹿児島県立埋蔵文化財センター11/4発表。11/11現地説明会。[南日本新聞]
- 中国
- 北京市・円明園(えんめいえん)の北西部にある澹泊寧静跡(たんぱくねいせいあと)で、「田」の字形の建物「田字房」の全体像を確認。また、清朝皇室の稲田跡を新たに確認。[新華社]
▼澹泊寧静跡関連記事→2020年12月15日 - トルコ
- 上メソポタミア(Upper Mesopotamia)のティグリス川流域にあるチャヨニュ遺跡(Çayönü)で得られた先土器新石器時代(Pre-Pottery Neolithic)・紀元前8500年〜前7500年のゲノム13試料を調査。遺伝的に多様で、東西から多くの移民を受け入れていた。社会は家系を単位に組織化。新石器時代のアナトリアへは上メソポタミアから遺伝子が流入。
cf. N. Ezgi Altinişik, Duygu Deniz Kazanci, Ayça Aydoğan, Hasan Can Gemici, Ömür Dilek Erdal, Savaş Sarialtun, Kivilcim Başak Vural, Dilek Koptekin, Kanat Gürün, Ekin Sağlican, Daniel Fernandes, Gökhan Çakan, Meliha Melis Koruyucu, Vendela Kempe Lagerholm, Cansu Karamurat, Mustafa Özkan, Gülşah Merve Kilinç, Arda Sevkar, Elif Sürer, Anders Götherström, Çiğdem Atakuman, Yilmaz Selim Erdal, Füsun Özer, Asli Erim Özdoğan and Mehmet Somel (2022) A genomic snapshot of demographic and cultural dynamism in Upper Mesopotamia during the Neolithic Transition. Science Advances, Vol 8, Issue 44. [Science Advances] - イタリア
- ナポリ県(Napoli)ポンペイ(Pompeii)近くのスタビアエ(Stabiae)にある邸宅ウィッラ・アリアンナ(Villa Arianna)で、ペリスタイル(peristyle)からローマ時代の水道システム。[Heritage Daily]
▼スタビアエ関連記事→2022年6月16日 - UK(イングランド)
- チェシャー州(the county of Cheshire)ファーンドン(Farndon)で、ローマ時代の塊鉄炉(bloomery furnace)。鉄の加工が行われていた証拠。近くのディー川(River Dee)を原料の輸送に利用していたとみられる。ローマ時代・4世紀の硬貨が出土。そのほか、土製紡錘車、タイル片、鉄釘、加工されたフリントなども出土。[CheshireLive]
- UK(ウェールズ)
- ペンブルックシャー州(Pembrokeshire)のプレセリの丘(Preseli Hills)にあるワインマウン遺跡(Waun Mawn)を解体して得た石材でストーンヘンジを築いたという説に反論。ワインマウン遺跡はウェールズに典型的な小規模な石列の一種。一方、ストーンヘンジは地域の伝統に根ざしている。
▶ Timothy Darvill (2022) Mythical rings? Waun Mawn and Stonehenge Stage 1. Antiquity, Volume 96, Issue 390, December 2022, pp. 1515 - 1529. [Cambridge Core]
▼ワインマウン遺跡関連記事→2021年2月12日
2022年11月4日(金)
- 秋田県
- 秋田市・本念寺の本堂で火災。18世紀初頭に建てられ、秋田市内の神社仏閣の中では最古の建物だった。[FNN]
- 埼玉県
- 大里郡寄居町・鉢形城跡(はちがたじょうあと)の伝逸見曲輪地区で、石積の橋脚台と石敷水路。寄居町の調査。11/26現地説明会。
▶史跡鉢形城跡 発掘調査現地説明会開催のお知らせ[寄居町]
▼鉢形城跡関連記事→2021年2月24日 - 奈良県
- 明日香村・飛鳥宮跡で、7世紀後半の柱穴。内郭の外側にあたり、外側にも天皇らの専用空間が整備されていた可能性。奈良県立橿原考古学研究所11/4発表。[朝日新聞]
飛鳥宮跡(飛鳥京跡第189次調査)で、飛鳥時代後半の内郭の北辺を画する掘立柱塀。その北側で掘立柱建物。11/5-6現地説明会。
▶史跡 飛鳥宮跡(飛鳥京跡第189次調査)現地説明会のご案内 [奈良県立橿原考古学研究所] - 鹿児島県
- 鹿屋市・立塚遺跡(たちづかいせき)で、国内初となる弥生時代初頭の環状に配置された土坑(墓)群。鹿児島県立埋蔵文化財センターの調査。11/11現地説明会。
▶立塚遺跡(鹿屋市吾平町)で現地説明会を開催します[上野原縄文の森]
▼立塚遺跡関連記事→2021年10月26日 - 鹿児島県
- 阿久根市・北山遺跡で、縄文〜江戸時代のさまざまな遺構・遺物。鹿児島県立埋蔵文化財センターの調査。12/3現地説明会。
▶北山遺跡現地説明会のお知らせ [上野原縄文の森] - インド
- タミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)トゥーットゥックディ県(Tuticorin;Thoothukudi)プナイカヤル(Punnaikayal)のカトリック村落で、15〜16世紀の銅貨14枚。ポルトガル人のイエズス会士エンリケ・エンリケス(Henrique Henriques;1520〜1600)の頭蓋骨も出土。[Matters India]
- クロアチア
- ザダル郡(Zadarska upanija) スコシャン(Sukošan)沖で、ローマ時代・1世紀の沈没船。ローマ時代のバルビル港(Barbir)の近く。[Zadarski]
- イタリア
- フィレンツェで、江戸時代初期に東北のキリシタンがローマ教皇パウロ5世に送った「奉答書」が見つかる。[朝日新聞]
- フランス
- ラ・グランド=モット(La Grande-Motte)のエーグ=モルト湾(Aigues-Mortes)でみつかった鉄製の巨大な錨を放射性炭素年代測定し、ローマ帝政期はじめに比定。ローマ時代にエーグ=モルト湾に商業磚が係留されていた証拠。ロープが遺存していることも確認。
cf. Sébastien Berthaut-Clarac, Emmanuel Nantet, Stéphanie Leroy, Emmanuelle Delqué-Količ, Marion Perron, Pierre Adam, Philippe Schaeffer, Céline Kerfant (2022) Dating of a ring on one of the largest known Roman iron anchors (La Grande-Motte, France): Combined metal and organic material radiocarbon analysis. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 46, December 2022, 103693. [ScienceDirect] - フランス
- グラン・テスト地域圏(Grand Est)モゼル県(Moselle)サント=マリー=オー=シェンヌ(Sainte-Marie-aux-Chênes)で古代後期・5世紀の墓地。国立予防考古学研究所(INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives)の調査。
▶Une nécropole de l’Antiquité tardive à Sainte-Marie-aux-Chênes (Moselle) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives] - スペイン
- アストゥリアス州(Principado de Asturias)にあるエル・エスピノソ洞窟(El Espinoso)の埋葬遺跡で出土した後期青銅器時代の人骨について、放射性炭素年代、安定同位体、歯石の分析から、雑穀の消費を推定。年代は紀元前1235〜前1099年(cal. BC)。骨コラーゲンの高い値の炭素同位体δ13Cや、歯石から見つかったデンプン粒からみて、C4食物が重要な位置を占めた。
cf. Borja González-Rabanal, Ana B. Marín-Arroyo, Emanuela Cristiani, Andrea Zupancich & Manuel R. González-Morales (2022) The arrival of millets to the Atlantic coast of northern Iberia. Scientific Reports, volume 12, Article number: 18589. [Scientific Reports] - フィンランド
- オウトクンプ市(Outokumpu)・マヨーンスオ遺跡(Majoonsuo)で2018年に発掘された中石器時代・紀元前7500年の小児墓の土壌を分析。鳥の羽毛、植物繊維、毛皮でできた遺物が存在。足元にはイヌ科の動物もいた可能性。
▶Artefacts made of bird feathers, plant fibres and fur buried with a child in the Mesolithic Stone Age [Helsingin Yliopisto]
cf. Tuija Kirkinen, Olalla López-Costas, Antonio Martínez Cortizas, Sanna P. Sihvo, Hanna Ruhanen, Reijo Käkelä, Jan-Erik Nyman, Esa Mikkola, Janne Rantanen, Esa Hertell, Marja Ahola, Johanna Roiha, Kristiina Mannermaa (2022) Preservation of microscopic fur, feather, and bast fibers in the Mesolithic ochre grave of Majoonsuo, Eastern Finland. PLOS ONE, 17(9): e0274849. [PLOS ONE] - スウェーデン
- ゴットランド島(Gotland)で出土した人骨から当時の姿を復元。1361年のゴットランド島の戦いで、顔に斧を受けて死亡した現地の農民兵。デンマーク王ヴァルデマー4世(Valdemar IV;在位1340〜1375年)がゴットランド島を征服しようとした戦争。[LiveScience]
▼ゴットランド島関連記事→2022年2月15日 - ノルウェー
- 東部ノルウェーの中世・11〜16世紀の埋葬遺跡5か所の女性人骨101体を分析し、 骨のミネラルの濃度や体格を調査。若い成人では、高い地位の女性は教区墓地に葬られた女性より背が高いが、骨密度に大きな差はなかった。一方、高齢女性では教区墓地の女性の方が骨粗鬆症などのリスクが高かった。
cf. Elin T. Brødholt, Kaare M. Gautvik, Ole J. Benedictow, Clara-Cecilie Günther, Torstein Sjøvold,Per Holck (2022) Female skeletal health and socioeconomic status in Medieval Norway (11th-16th centuries AD): analysis of bone mineral density and stature. International Journal of Osteoarchaeology. [Wiley Online Library] - エジプト
- アレクサンドリア県(Alexandria) ボルグ・エル・アラブ(Borg El-Arab)のタップ・オシリス・マグナ神殿(Taposiris Magna)近くの地下15mで、岩盤を削ったグレコローマン時代の水道トンネル。長さ1305m。マリウト湖(Lake Mariout)と地中海をつなぐ。ギリシャ、サモス島(Σάμος;Samos)のカストロ山(Κάστρο;Mount Kastro)にある紀元前6世紀のエウパリノスのトンネル(Ευπαλίνιον όρυγμα;Eupalinos Tunnel)と瓜二つ。[Ahram Online]
2022年11月3日(木)
- 神奈川県
- 海老名市・相模国分寺跡(さがみこくぶんじあと)の隣接地で高層マンションの建設計画。景観への影響を懸念する住民から反対の声。[読売新聞]
▼相模国分寺跡関連記事→2020年4月8日 - 長野県
- 長野市・長沼城跡(ながぬまじょうあと)で、二ノ丸推定地をコの字に囲う中堀の北側に面して、戦国時代の石積み。長野県埋蔵文化財センターの調査。11/5見学会。[信濃毎日新聞]
▼長沼城跡関連記事→2021年11月24日 - 長崎県
- 対馬市・ヌルヘノ口遺跡(ぬるへのくちいせき)で、弥生時代〜古墳時代前期の土器片。ほかの地点からは楽浪系土器や三韓土器。長崎県埋蔵文化財センターの調査。[読売新聞]
- アラブ首長国連邦
- ウンム・アル=カイワイン首長国(Umm Al Quwain)のシーニーヤー島(Siniyah Island)で、初期キリスト教の修道院跡。イスラームがアラビア半島に普及する以前の6世紀初め〜7世紀半ばのもの。[Sky News]
- トルコ
- カイセリ県(Kayseri il)で見つかった石材は、描かれた月と星の配置から見て、ローマ時代・4世紀に農業暦として使用。4世紀の硬貨とともに出土。[Anadolu Ajansı]
- 南米
- ブラジル北東部のペドラ・ド・トゥバラン遺跡(Pedra do Tubarão)とアルコバサ遺跡(Alcobaça)で出土した人骨のDNAを分析。1000年前の南米の人類は、パナマとウルグアイの間を大西洋岸沿いに移動。また、南米の古人類のゲノムにネアンデルタール人の先祖の証拠も発見。ウルグアイとパナマの古人類に、ネアンデルタール人よりもデニソワ人との強い関係。パナマの古人骨に、オーストラリア系の指標。
▶ANCIENT DNA ANALYSIS UNRAVELS THE EARLY PEOPLING OF SOUTH AMERICA [Florida Atlantic University]
cf. Andre Luiz Campelo dos Santos, Amanda Owings, Henry Socrates Lavalle Sullasi, Omer Gokcumen, Michael DeGiorgio and John Lindo (2022) Genomic evidence for ancient human migration routes along South America's Atlantic coast. Proceedings of the Royal Society B. [The Royal Society]
2022年11月2日(水)
- 長野県
- 茅野市・尖石石器時代遺跡(とがりいしせっきじだいいせき)で貯蔵穴などが見つかり、縄文時代の集落の広がりを確認。住居跡は少なく、調査地は集落の西端とみられる。茅野市教育委員会11/1発表。11/5現地説明会。[長野日報]
- 三重県
- 津市・高茶屋大垣内遺跡(たかぢゃやおおがいといせき:第5次調査)で、古墳時代から奈良時代の集落跡と、平安時代末期から鎌倉時代にかけての屋敷地区画溝。三重県埋蔵文化財センターの調査。11/12現地説明会。
▶高茶屋大垣内遺跡(津市城山1丁目)で発掘調査現地説明会を開催します [三重県]
▼高茶屋大垣内遺跡関連記事→2022年8月17日 - 奈良県
- 奈良市・平城京跡(へいじょうきょうあと)の平城京左京三条三坊六坪で、奈良時代・8世紀の大型建物跡。東西15m以上の建物が南北に2棟並ぶ。舎人親王の邸宅跡の可能性。奈良市埋蔵文化財調査センターの調査。[奈良新聞]
- トルコ
- キュタヒヤ県(Kütahya il)チャウダルヒサール郡(Çavdarhisar)の古代都市アイザノイ遺跡(Αιζανοι;Aizanoi)で2000年前の男性像の頭部破片や、アフロディテ女神(Ἀφροδίτη;Aphrodite)の像の破片。[Hürriyet Daily News]
- トルコ
- チャナッカレ県(Çanakkale il)ビガ郡(Biga)ケメル村(Kemer)の古代ギリシャ都市パリオン(Πάριον;Parion)で、2000年前の母子を葬った墓。[Arkeonews]
▼パリオン関連記事→2021年8月3日 - スロバキア
- トルナヴァ(Trnava)のアントン・マラティンスキー・スタジアム(Štadión Antona Malatinského;Anton Malatinský Stadium)近くで、300年前の丸木づくりの水車小屋。トルナーフカ川(Trnávka)の流路付け替えで放棄。[The Slovak Spectator]
- スペイン
- アリカンテ県(Provincia de Alicante)ロハレス(Rojales)のカベソ・デル・モリーノ遺跡(Cabezo del Molino)で、ビザンティン時代・6〜7世紀の大規模な墓地。300基の墓壙。頭を西に向ける初期キリスト教の方法で埋葬。蓋石にギリシャ文字による銘文。大人と子供の合葬が多く、伝染病で死亡した可能性。[El Español]
- UK、アイルランド
- 英国とアイルランドの新石器時代・紀元前4000年〜前2500年の巨石墓32遺跡で、人骨とDNAによって成人の性別を判別し、埋葬が男性に偏っているかどうか分析。オークニー諸島(Orkney)のKnowe of Midhoweでは人骨見て男性が多く、アイルランドのプリムローズ・グレンジ(Primrose Grange)では遺伝学的に男性が多い。新石器時代の巨石墓は男性に偏っていた可能性はあるが、明確ではない。
cf. Elliot Elliott, Tina Saupe, Jess E. Thompson, John E. Robb, Christiana L. Scheib (2022) Sex bias in Neolithic megalithic burials. American Journal of Biological Anthropology. [Wiley Online Library]
2022年11月1日(火)
- 福井県
- 福井市・南居城跡(なごじょうあと)で、山頂に鎌倉時代の経塚を確認。福井市の調査。[福井新聞]
- イタリア
- ファレリイ・ノーヴィ遺跡(Falerii Novi)で、ローマ時代の富裕な家族の邸宅跡。硬貨、ガラス、青銅容器のほか、アフリカから輸入した土器も出土。ファレリイ・ノーヴィ遺跡は紀元前241年に設立され、700年ごろまで居住。最大人口15000人。[artnet]
▼ラツィオ州(Lazio)ヴィテルボ県(Provincia di Viterbo)ファブリカ・ディ・ローマ(Fabrica di Roma)
▼ファレリイ・ノーヴィ遺跡関連記事→2020年10月2日 - スペイン
- アンダルシア州(Comunidad Autónoma de Andalucía)マラガ県(Provincia de Málaga)コスタ・デル・ソル(Costa del Sol)のフエンヒロラ(Fuengirola)にあった古代ローマ都市スエル(Suel)で、ローマ時代・1〜3世紀の商業地域。当時の交易拠点であったことを証明。[Sur in English]
- フランス
- ブルターニュ地域圏(Région Bretagne) モルビアン県(Morbihan) ミュジヤック(Muzillac)のケスタネット遺跡(Questannette)で、鉄器時代・紀元前7世紀〜前6世紀の墓1基から青銅製の腕輪17個。[actu]
- UK(スコットランド)
- スターリング(Stirling)のドゥーン(Doune)にあるオールド・キルマドック墓地(Old Kilmadock cemetery)で、ピクト十字の刻まれた石板(Pictish Cross Slab)に、ピクト人(Picts)による中世・500年〜700年の線刻文。ウシ、ペリカンの絵やオガム文字(Ogham)を表す。[LiveScience]
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