考古学のおやつ/NEWSLINK

2024年7月20日（土）

高知県: 南国市・板部遺跡（いたべいせき）で、縄文時代後期の竪穴住居跡。また、中世までの遺物。[高知新聞]
福岡県: 太宰府市・大宰府条坊跡（だざいふじょうぼうあと）で、奈良～平安時代の道路跡。牛馬や人の歩行の痕跡も多数確認。太宰府市の調査。7/20現地説明会。[西日本新聞]
サウジアラビア: マイサーン県（Maysan Province）ハルフィ村（Kharfi）のサラワート山脈（Sarawat Mountain）にある養蜂場は1000年前にさかのぼる。[Arkeonews]
フランス: グラン・テスト地域圏（Grand Est）ムルト＝エ＝モゼル県（Meurthe-et-Moselle）トゥール（Toul）の古代都市トゥッルム（Tullum）で、ガロ＝ローマ時代の建物。。皇帝に関わる装飾を持つ。ゲルマン人のレウキ族（Tullum）の主要都市。
▶ Un édifice monumental gallo-romain à Toul (Meurthe-et-Moselle) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]

2024年7月19日（金）

岩手県: 二戸郡一戸町・馬場平遺跡（ばばたいいせき）で、縄文時代中期と古代の竪穴建物。一戸町教育委員会の調査。7/28現地説明会。
▶ 馬場平遺跡発掘調査現地公開 [一戸町]
仙台市: 若林区・陸奥国分寺跡（むつこくぶんじあと）の四辺を囲う築地塀の基礎にあたる掘り込み地業の痕跡を発見。築地塀の北辺が判明。仙台市の調査。7/27遺跡見学会。
▶ 陸奥国分寺跡の発掘調査成果を公開します [仙台市]
▼陸奥国分寺跡関連記事→2019年11月29日
長野県: 上田市・上田城跡（うえだじょうあと）の南側の崖の一部が梅雨の雨のため崩落。[NBS長野放送]
▼上田城跡関連記事→2023年11月3日
滋賀県: 米原市・朝妻沖湖底遺跡（あさづまおきこていいせき）で大量の陶器や瓦など。大部分が11～13世紀の東海地方産。[産経新聞]
兵庫県: 兵庫県立人と自然の博物館が空調機器の故障のため7/19臨時休館。その後、応急修理により7/20以降は開館へ。
佐賀県: 唐津市・唐津城跡三ノ丸で、江戸時代～明治時代の道路遺構。道路面の下に石積みが残る。唐津市教育委員会の調査。
▶ 発掘調査速報～唐津城跡三ノ丸（市役所本庁駐車場） [唐津市]
▼唐津城跡関連記事→2019年8月17日
イスラエル: ハイファ（Haifa）で、ローマのミネルワ女神（Minerva）を描写した1800年前の青銅製の指輪。[LiveScience]
クロアチア: ザダル郡（Zadarska županija） オブロヴァツ（Obrovac）で、第二次世界大戦当時のイタリア軍の建物跡。
▶ Igor Kulenović, Šime Vrkić, Sara Iglić & Neda Kulenović (2024) Archaeological analysis of the remains of Italian military structures from the period of World War II in Obrovac, Croatia. Journal of Conflict Archaeology. [Taylor & Francis Online]
ドイツ: ザクセン＝アンハルト州（Land Sachsen-Anhalt）ベルンブルク郡（Landkreis Bernburg）アーデルシュテット（Aderstedt）で、縄目文土器文化（Schnurkeramische Kultur；Corded Ware culture）・紀元前2000年と、バールベルゲ文化（Baalberger Kultur）・6000年前の墳墓。[Stuttgarter Zeitung]
フランス: サントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏（Centre-Val de Loire）ウール＝エ＝ロワール県（Eure-et-Loir）ジャンヴィル＝アン＝ボース（Janville-en-Beauce）で中世の地下道。[L’Écho Républicain]
エジプト: アスワン（Aswan）で、アスワンハイダム水没地の水中から、古代エジプトのファラオやヒエログリフが刻まれた石材。アメンホテプ3世（Amenhotep III；在位紀元前1390年�前1352年頃）、トトメス4世（Thutmose IV；在位紀元前1400年�1390年頃）、プサムテク2世（Psamtik II；在位紀元前595年�589年頃）、ウアフイブラー（Apries；在位紀元前589年�570年頃）を描く。[LiveScience]

2024年7月18日（木）

北海道: 茅部郡森町・鷲ノ木遺跡（わしのきいせき）周辺でヒグマの痕跡が確認されなくなったため、7/20以降、遺跡の見学会を再開。遺跡の近くまで町有マイクロバス等で送迎し、山道は歩かないことに。[森町]
千葉県: 芝山町の成田空港C滑走路建設予定地で、移転対象地域に残されている古文書や民具などの歴史資料の保存や、歴史的建造物の記録・調査に取り組む「北総地域資料・文化財保全ネットワーク（北総ネット）」発足。[毎日新聞]
三重県: 津市・高茶屋大垣内遺跡（たかぢゃやおおがいといせき：第7次調査）で、古墳時代～奈良時代の竪穴建物10棟以上、古墳時代の掘立柱建物、鎌倉時代の屋敷を区画する溝。三重県埋蔵文化財センターの調査。7/27現地説明会。
▶ 高茶屋大垣内遺跡で発掘調査現地説明会を開催します[三重県]
▼高茶屋大垣内遺跡関連記事→2023年9月21日
岡山県: 津山市・津山城跡（つやまじょうあと）二の丸西南の長柄櫓跡下の一部が雨の影響で崩落したことに関連して、安全対策のため臨時休園を当初の7/19までから7/26までに延長。[山陽新聞]
▼津山城跡関連記事→2024年7月15日
韓国: 慶尚北道安東郡に現存する、仮面劇の現存最古の仮面である河回タルと屏山タルは、ヤナギの木で作られていた。
▶ 国宝「安東河回タルと屏山タル」はヤナギで作られた [国家遺産庁]
チェコ: クトナー・ホラ（Kutná Hora）のドブジェニ遺跡（Dobřeň）で、前期新石器時代・7000年前の集落。ロングハウス4基。[Radio Praha]
スペイン: バスク自治州（Comunidad Autónoma del País Vasco）アラバ県（Arabako Probintzia；Provincia de Álava） イルニャ＝ベレイア（Iruña-Veleia）で、ローマ時代の競技場キルクス（Circus）。[Heritage Daily]
UK（イングランド）: サウス・ヨークシャー州（South Yorkshire）ヘラビー（Hellaby）のカムウェル・レーン（Cumwell Lane）で、先ローマ鉄器時代後期～4世紀中ごろの集落。
▶ Kevin Moon, Diane Alldritt, Ann Clarke, Gail Drinkall, Ruth Leary & Jane Richardson (2024) Iron Age and Roman Settlement at Cumwell Lane, Hellaby, South Yorkshire. Yorkshire Archaeological Journal. [Taylor & Francis Online]
UK（イングランド）: シュロップシャー州（the County of Shropshire）の鉄器時代の丘塞ボドベリー・リング・ヒルフォート（Bodbury Ring Hillfort）は、想定の6倍の大きさ。後期青銅器時代の丘塞と共通する特徴も。
▶ Time Team and university archaeologists make fascinating discovery at Shropshire hillfort [University of Chester]
ペルー: ラ・リベルター県（Región La Libertad；La Libertad region）チカマ（Chicama）のリカパ2遺跡（Licapa II）で、モチェ文化の土器や食材。[Andina]
▼リカパ2遺跡関連記事→2023年8月18日
アルゼンチン: パンピア地方（Pampean）で出土した、放射性炭素年代21090年前～20811年前の大型のアルマジロの化石に、カットマーク。20000年前の南米に人類が到達し、大型獣をを解体していた証拠の可能性。[LiveScience]
▶ Mariano Del Papa, Martin De Los Reyes, Daniel G. Poiré, Nicolás Rascovan, Guillermo Jofré, Miguel Delgado (2024) Anthropic cut marks in extinct megafauna bones from the Pampean region (Argentina) at the last glacial maximum. PLOS ONE, 19(7): e0304956. [PLOS ONE]
日本民具学会: 日本民具学会が7/18「民具（有形民俗文化財）の廃棄問題に対する声明」を発表。[日本民具学会]

2024年7月17日（水）

滋賀県: 彦根市・彦根城（ひこねじょう）の内堀の石垣の一部が大雨の影響で崩落。[京都新聞]
岡山県: 津山市・髙野神社の太鼓が、胴内の墨書により、南北朝時代・1382年につくられたと判明。岡山県最古級の可能性。[山陽新聞]
北九州市: 北九州市の初代門司駅遺構をめぐり、追加の発掘調査を担当する北九州市芸術文化振興財団の男性学芸員の交代に反対し、市民有志が撤回を求める1277人の署名を提出。[共同通信]
韓国: ソウル市鍾路区・宗廟（チョンミョ）の近くで、朝鮮時代・500年前に大量のウシの骨が入った竪穴が複数見つかる。[聯合ニュース]
中国: 張公巷窯（Zhanggongxiang）の青磁の原料の特性や焼成に関して研究。発展期と成熟期の張公巷窯では、カルシウム釉からカルシウムアルカリ釉に変化。発展段階の1試料を除いて、すべての試料の焼成温度は1200度以上。成熟期の胎土では村伊都と石英の含有率が高い。
▶ Weijuan Zhao, Yufan Song, Guoping Shen, Bin Zhang, Wenjun Zhao, Bing Wang, Xiaomin Liu, Haidong Liu (2024) The study on raw material characteristic and firing process of Zhanggongxiang kiln celadon. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms, Volume 555, October 2024, 165482. [ScienceDirect]
パレスチナ（ヨルダン川西岸地区）: エルサレム旧市街の聖墳墓教会（Church of the Holy Sepulchre）で、十字軍の祭壇。1149年に奉納。[Heritage Daily]
トルコ: チャナッカレ県（Çanakkale il）ビガ郡（Biga）ケメル村（Kemer）の古代都市パリオン（Πάριον；Parion）の水中調査で、第2の港を確認。[Hürriyet Daily News]
▼パリオン関連記事→2023年9月26日
トルコ: スィヴァス県（Sivas）カヤルプナル（Kayalıpınar）のシャムハ遺跡（Šamuha）で、シャウシュカ女神（Šauška）のものとみられる神殿。粘土板に楔形文字による記述。シャウシュカ神はテシュブ神（Teshub）の姉妹。シャムハばヒッタイト・紀元前1800年～前1600年のヒッタイトの信仰i重要な位置を占めた都市。[Anatolian Archaeology]
スロバキア: ドゥディンツェ（Dudince）の鉱泉跡の利用は6000年前にさかのぼる可能性。人骨や獣骨の年代測定で紀元前4300～前1000年。黒曜石や放散虫岩の長距離貿易の証拠も。[The Slovak Spectator]
フランス: オーヴェルニュ＝ローヌ＝アルプ地域圏（Auvergne-Rhône-Alpes）ドローム県（Drôme）ドンゼール（Donzère）のOpiliasで、ローマ帝政期初期から後期古代の石灰窯。回廊式加熱窯。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶ Un chaufour à Donzère (Drôme) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
旧石器時代: アフリカ、レヴァント、西ヨーロッパの旧石器時代・アシュール文化（Acheulean）のハンドアックス1097点を2次元形態分析。遺跡間、地域間で形態が大きく違うことを再確認したが、その理由を原材料や再加工などの要因と結びつける証拠はなかった。遺跡ごとの必要に応じてリダクションの戦略が異なると推定。
▶ James Clark, Ceri Shipton, Marie-Hélène Moncel, Philip Ronald Nigst, Robert Andrew Foley (2024) When is a handaxe a planned-axe? exploring morphological variability in the Acheulean. PLOS ONE, 19(7): e0307081. [PLOS ONE]
ノルウェー: オスロ（Oslo）のビョルヴィーカ（Bjørvika）で発見された船体の破片は、年輪年代により、ヴァイキング時代にさかのぼる11世紀。従来説より古い。同地で見つかった大半の船体はルネサンス期・16～17世紀。少数の13～15世紀のものは知られていた。[Science Norway]
▼ビョルヴィーカ関連記事→2023年11月11日
ペルー: リマ県（Lima）カニェテ郡（Provincia Cañete）サン・ルイス（San Luis）で2017年に出土したアフリカ系の奴隷の人骨を、現在のアフリカ系住民55人のDNAと比較し、血縁関係を証明。[Andina]

2024年7月16日（火）

福島県: 会津若松市・若松城郭内武家屋敷跡（わかまつじょうかくないぶけやしきあと）のうち、城前団地で武家屋敷に伴う石組みの井戸跡や池跡、溝跡など。陶磁器や瓦など出土。また、竹田綜合病院敷地内で池跡や多数の井戸跡。陶磁器や木製品など出土。会津若松市教育委員会の調査。7/20現地説明会。
▶ 【7月20日土曜日】発掘調査の現地説明会を開催します！ [会津若松市]
▼若松城郭内武家屋敷跡関連記事→2022年11月16日
鳥取県: 鳥取市・鳥取城跡（とっとりじょうあと）の三ノ丸御殿跡の背後で、かつて庭園だったのり面が大雨のため崩落。[山陰中央新報]
▼鳥取城跡関連記事→2021年7月13日
福岡県: 太宰府市・大宰府条坊跡（だざいふじょうぼうあと：第357次調査）で、奈良・平安時代の道の跡、井戸、土坑など。太宰府市教育委員会の調査。7/20現地説明会。
▶ 遺跡からの平安ムーブメント！古代の人々が行き交った道路を発掘！～発掘調査の現地説明会をおこないます～ [太宰府市]
トルコ: カイセリ県（Kayseri il）のキュルテペ・カニシュ・カルム遺跡（Kültepe Kaniş Karum）から出土した粘土板から見て、4000年前に特別なチーズが存在。[Hürriyet Daily News]
ロシア: コーカサス地方のノヴォザヴェデンノエ3遺跡（Новозаведенное-III；Новозаведенное-III）のスキタイ・紀元前430年～前300年の墳丘墓から出土したウマの歯を分析。ウマたちは5月～10月に死亡しており、スキタイ人は暖かい季節にのみこの土地に居住していたと推定。
▶ Natalya E. Prilepskaya, Olga P. Bachura, Andrei G. Bush, Аnatoliy R. Kantorovich, Vladimir Е. Maslov & Natalya N. Spasskaya (2024) Horse Teeth Shed Light on Seasonality in Scythian Mound Burials in Southern Russia. Journal of Field Archaeology. [Taylor & Francis Online]
ノルウェー: ヨートゥンヘイム山地（Jotunheimen Mountains）で、氷の中からヴァイキング時代の矢を発見。[Heritage Daily]
UK（イングランド）: ノース・ヨークシャー州（North Yorkshire）のスターカー遺跡（Star Carr）で発見された前期中石器時代の柱立ち建物遺構3基に関連して、石器341点の使用痕分析と空間分析。個々の石器の使用や、建物遺構周辺での行動パターンを推定。
▶ Jessica Bates, Nicky Milner, Chantal Conneller, Aimée Little (2024) Spatial organisation within the earliest evidence of post-built structures in Britain. PLOS ONE, 19(7): e0306908. [PLOS ONE]

2024年7月15日（月）

岡山県: 津山市・津山城跡（つやまじょうあと）の二の丸西南の長柄櫓跡下で、大雨の影響により石垣が崩れる。[山陽新聞]
中国: 南北朝時代のエリート高賓（Gao Bin：503～572）のゲノムを分析。北漢族に属し、新石器時代～鉄器時代の黄河流域の農耕民に由来。北東アジア、朝鮮半島、モンゴル高原の影響は認められない。
▶ Yao Yu, Xiaomin Yang, Daiyun Liu, Panxin Du, Hailiang Meng, Zixiao Huang, Jianxue Xiong, Yi Ding, Xiaoying Ren, Edward Allen, Hui Wang, Sheng Han, Li Jin, Chuan-Chao Wang, Shaoqing Wen (2024) Ancient genomic analysis of a Chinese hereditary elite from the Northern and Southern Dynasties. Journal of Genetics and Genomics. [ScienceDirect]
イスラエル: 古代都市都市ザノア（Zanoah）で、3200年前の遺物。モーセが出エジプトの後に住んだ場所。[Ancient Origins]
ノルウェー: アーレンダール（Arendal）沖のスカゲラク海峡（Skagerrak）の水深12mの海底で、北欧青銅器時代・紀元前1100年の袋状斧。[Heritage Daily]
ペルー: リマ市（Lima）バリオス・アルトス（Barrios Altos）で、先ヒスパニック期から副王期にわたる潅漑水路。[Andina]
超新星: 鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」に記述がある星はカシオペヤ座付近の超新星と呼ばれる爆発を起こした天体。旧暦1181年6月25日の「客星」。[NHK]

2024年7月14日（日）

北九州市: 門司区・初代門司駅関連遺構の解体が決まったことに対し、「門司港レトロ」を育ててきた街づくり団体内に異論が広がる。[西日本新聞]
スペイン: カタルーニャ州（Cataluña）バニョラス（Banyoles）のラ・ドラガ遺跡（La Draga）で、前期新石器時代・カルディウム期（Cardial phase）・紀元前6千年紀末の集落から保存の良い木製建材。[Heritage Daily]
▼ラ・ドラガ遺跡関連記事→2023年9月28日
メキシコ: カンペチェ州（Estado de Campeche）でマヤ文明の球戯場の地下に遺構。彩色壁画を持つ。[LiveScience]

2024年7月13日（土）

長野県: 松本市・真光寺遺跡（しんこうじいせき）で、中世の溝跡で囲まれた方形の大規模区画。横40～50m、縦60m以上。宗教施設もしくは地域の有力者の館跡と推定。長野県埋蔵文化財センターの調査。7/20現地説明会。[信濃毎日新聞]
▼真光寺遺跡関連記事→2024年7月8日
島根県: 出雲市・上塩冶地蔵山古墳（かみえんやじぞうやまこふん）の一部が大雨の影響で崩れた。[山陰中央新報]
高知県: 高知県立美術館が所蔵する、ハインリヒ・カンペンドンク作とされる油彩画「少女と白鳥」に、贋作の疑い。[読売新聞]
中国: 安徽省・台家寺遺跡（Taijiasi）で出土した、商代中期の銅と錫の同位体分析で産地推定。青銅器工房から出土した銅滓は206Pb/204Pbの比が18.0で、南里の含有率が低い。九瑞（Jiurui）が銅の産地と推定。一方、合金滓や青銅製品では、鉛含有量はさほど高くないが206Pb/204Pbの比が19以上で、合金に用いた錫の産地が別の産地由来で、商代中期の別の遺跡と共通する特徴を示す。青銅器生産のために台家寺遺跡が複数の流通ネットワークとつながっていた。
▶ Xiaolin He, Zhenfei Sun, Siran Liu, Jianli Chen, Xicheng Gong (2024) Provenancing copper in the middle Shang period through isotopic analysis of metallurgical remains. Journal of Archaeological Science, Volume 168, August 2024, 106020. [ScienceDirect]
▼台家寺関連記事→2023年10月17日
イスラエル: ユダヤ砂漠（Judaean Desert）のCave of Skullsで出土した、中期青銅器時代・紀元前1954年～前1767年の亜麻と赤く染めた羊毛で作られた繊維について、高圧液体クロマトグラフィー（High-Pressure Liquid Chromatography；HPLC）で分析。ケルメスカイガラムシ（Kermes vermilio）を使用して赤く染色された繊維の最古の証拠。
▶ Naama Sukenik, Uri Davidovich, Zohar Amar, Said Abu-Ghosh, Yonah Maor, Roi Porat, Amir Ganor, Eitan Klein, David Iluz (2024) Early evidence of an archaeological dyed textile using scale-insects: The Cave of Skulls, Israel. Journal of Archaeological Science: Reports, Volume 57, September 2024, 104673. [ScienceDirect]
トルコ: イズミル県（İzmir il）・古代エフェソス（Έφεσος；Ephesus）で、3基目の大規模な門コレッソス門（Koressos gate）を発掘。[Hürriyet Daily News]
キプロス: リマソール州（Λεμεσός；Limassol）のエリミ遺跡（Ερήμη；Erimi）で、青銅器時代・紀元前2000年～前1600年の建物に、巨石とともに、暴力的に殺された女性の遺体。[IFLScience]
▼エリミ遺跡関連記事→2024年7月6日
UK（イングランド）: マームズベリー（Malmesbury）のマームズベリー修道院教会（Malmesbury Abbey）隣接地で、アングロサクソン時代の墓地。670～940年の遺体27体を発掘、[Heritage Daily]

2024年7月12日（金）

千葉市: 若葉区・加曽利貝塚（かそりかいづか）から1965年に出土した縄文時代後期の土器に、縄文原体が入り込んだ圧痕。[東京新聞]
▼加曽利貝塚関連記事→2024年6月24日
バーレーン: サマヒジ（Samahij）で、モスクのあったマウンドの地下から、キリスト教の司教の宮殿跡とみられる遺構。歴史資料によればメシュマヒグ（Meshmahig；Mašmahig）と呼ばれた。紅玉髄のビーズやインドの土器が出土し、交易に従事していたと推定。ガラス容器やサーサーン朝の硬貨も出土。豚肉やワイングラスなど、イスラーム化以前であることを示す遺物も。紡錘車や銅針など、工房で用いた遺物。
▶ Archaeologists discover the first Christian building in Bahrain [University of Exeter]
▼サマヒジ関連記事→2019年12月5日
スウェーデン、デンマーク: 新石器時代・5000年前の108人の骨や歯をDNA分析。18人がペストに感染。6世代のうち3度感染した家族も。新石器時代にペストによる人口激減があった。
▶ The plague may have caused the downfall of the Stone Age farmers [Københavns Universitet]
▶ Frederik Valeur Seersholm, Karl-Göran Sjögren, Julia Koelman, Malou Blank, Emma M. Svensson, Jacqueline Staring, Magdalena Fraser, Thomaz Pinotti, Hugh McColl, Charleen Gaunitz, Tatiana Ruiz-Bedoya, Lena Granehäll, Berenice Villegas-Ramirez, Anders Fischer, T. Douglas Price, Morten E. Allentoft, Astrid K. N. Iversen, Tony Axelsson, Torbjörn Ahlström, Anders Götherström, Jan Storå, Kristian Kristiansen, Eske Willerslev, Mattias Jakobsson, Helena Malmström & Martin Sikora (2024) Repeated plague infections across six generations of Neolithic Farmers. Nature. [Nature]
UK（イングランド）: ケント州（the county of Kent） ファヴァシャム（Faversham）で、新石器時代と青銅器時代の遺物。[Kent Online]
カナダ: ヌナブト準州（Nunavut）のサマセット島（Somerset Island）での堆積物の分析により、古イヌイット（Paleo-Inuit ）の居住を確認。また、トゥーレ・イヌイット（Thule-Inuit）の人口は13世紀～15世紀に増加。20世紀には大気汚染が始まる。
▶ Unveiling 1,200 years of human occupation in Canada’s Arctic [University of Ottawa]
▶ Lauren R. Gallant, Kathryn E. Hargan, Linda E. Kimpe, Neal Michelutti, Christopher Grooms, James M. Savelle, John P. Smol and Jules M. Blais (2024) Sedimentary biomarkers and bone specimens reveal a history of prehistoric occupation on Somerset Island (Arctic Canada). Proceedings of The Royal Society B, Volume 291, Issue 2026. [The Royal Society]
USA: マサチューセッツ州（Commonwealth of Massachusetts）のミニット・マン国立歴史公園（Minute Man National Historical Park）で、アメリカ独立革命の1775年4月19日のコンコードの戦い（Concord Fight）のときのマスケット弾5個。[Heritage Daily]
日本大学: 日本大学の重量挙部で、2023年12月まで10年間、部の入部金の聴衆と同時に、奨学生部員から、免除されているはずの納付金（入学金・授業料など）を、虚偽の入学案内や請求書によって振り込ませ、その金を私的に使用していた。現在は、競技部が納付金を代理して受領することのできない制度に改正されている。
▶ 重量挙部で発覚した金銭不祥事のお詫びと部員への被害回復に向けての手続き開始について [日本大学]
▽今は廃止されたとはいえ、競技部が納付金を代理受領する制度があったとは驚き。▽この制度のもとでは部の部員個人に対する支配力が強くなりすぎるのでは？▽ここしばらくの日大のスポーツがらみの不祥事と関係があるのかないのか。▽

2024年7月11日（木）

イスラエル: アラバハ渓谷（Wadi Arabah）にあるナハル・アムラム遺跡（Nahal ‘Amram）の銅鉱山の3か所で出土したローマ時代～ビザンティン時代・1～5世紀の植物、哺乳類、魚類の遺体により鉱夫たちの食生活を推定。9種の果物や野菜、2種の家畜、8種の魚を食べる、変化に富んで栄養価の高い食生活。肉と魚は紅海や比較的近距離から得られるが、植物は近距離のものと遠距離のものがある。産出した銅の流通と同じルートで食料を入手。
▶ Michal David, Uzi Avner, Ehud Weiss, Omri Lernau, Liora Kolska Horwitz (2024) Miners' diet in the Naḥal ‘Amram copper mines (southern ‘Arabah Valley) during the Roman-Byzantine periods. Journal of Arid Environments, Volume 224, October 2024, 105218. [ScienceDirect]
アゼルバイジャン: タヴァ・テペ（Tava Tepe）で、後期青銅器時代・3500年前の祭祀用のテーブルや土器を原位置で確認。[Heritage Daily]
フランス: オー＝ド＝フランス地域圏（Hauts-de-France）エーヌ県（Aisne）ベルノ（Bernot）で、終末期青銅器時代3b期初めの居住区。また、鉄器時代・ラ・テーヌ文化の溝。国立予防考古学研究所（INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives）の調査。
▶ Une zone d’habitat du Bronze Final à Bernot (Aisne) [INRAP: Institut national de recherches archéologiques préventives]
スペイン: コロ・トラシト洞窟（Coro Trasito）で出土した前期新石器時代の骨製ポイント20点を分析。シカ科の骨をヤギ科の骨と同等に選び、シカ科の骨はより幅広い製品に利用。
▶ Jakob Hansen, Alejandro Sierra, Sergi Mata, Ermengol Gassiot Ballbè, Javier Rey Lanaspa, Frido Welker, Maria Saña Seguí, Ignacio Clemente Conte (2024) Combining traceological analysis and ZooMS on Early Neolithic bone artefacts from the cave of Coro Trasito, NE Iberian Peninsula: Cervidae used equally to Caprinae. PLOS ONE, 19(7): e0306448. [PLOS ONE]
▼アラゴン州（Aragón）ウエスカ県（Provincia de Huesca）
▼コロ・トラシト洞窟関連記事→2023年12月22日
ケニア: ヴィクトリア湖地域のカカペル岩陰遺跡（Kakapel Rockshelter）の約9000年間の考古資料に対し、植物考古学的分析。2300年前に西アフリカのジョウロクササゲ（Vigna unguiculata (L.) Walp）が見られ、家畜化したウシ（Bos taurus）の最古の証拠と合致。北東部のエンドウ豆（Pisum sativum L.またはPisum abyssinicum A. Braun）とソルガム（Sorghum bicolor (L.) Moench）、アフリカ東部のシコクビエ（Eleusine coracana (L.) Gaertn.）は、遅くとも1000年前に登場。東アフリカの栽培種は一連のまとまりではなく、時間的な変遷がある。
▶ Steven T. Goldstein, Natalie G. Mueller, Anneke Janzen, Christine Ogola, Rita Dal Martello, Ricardo Fernandes, Sophia Li, Victor Iminjili, Sara Juengst, Anthony Odera Otwani, Elizabeth A. Sawchuk, Ke Wang, Emmanuel Ndiema and Nicole Boivin (2024) Early agriculture and crop transitions at Kakapel Rockshelter in the Lake Victoria region of eastern Africa. Proceedings of the Royal Society B, Volume 291, Issue 2026. [The Royal Society]

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